1889年にスイス・チューリッヒで創業した、モーリスラクロアを後に生み出す母体となるデスコ・フォン・シュルテスはマニュファクチュールで優秀な時計ムーブメントを製造するブランドとして、特に1946年以降は極東地域を中心にスイスを代表するウォッチブランドのひつとして名を馳せ、1975年満を持して初の自社製タイムピースとなるモーリスアクロアを世に送り出しました。
以来、伝統と高水準のクラフトマンシップを守り続け、その卓越した腕時計製造技術と独創性は業界内外で高く評価され現在も独創的なタイムピースを生み出しています。
そして2000年代に入りダブルレトログラードの最初の作品を発表し、同時に初となる自社製メカニカル・キャリバーML-106を市場に投入、銘ムーブメントとして高い評価を受けます。
それ以降、常に新たなアイディアと独創的なデザイン力で時の流れに負けない時代を越えた普遍性を持ったモデルを数々と発表し、業界の最先端を走っています。
現在ではモーリスラクロアの顔となっているマスターピースをはじめ、全てのムーブメントを自社製ムーブメントで統一、その歴史に裏打ちされた技術力で高品質の機械式腕時計を作り続けています。
腕時計は装身具であると同時に非常に精密な部品を使用した機械でもあります。
服飾品や宝石などと違い、腕時計には無限の時間を刻み続けるという役目を背負っていますので、長い期間愛用するには定期的なメンテナンスが必要になってきます。
特に高級腕時計になると構造も精密ですし、また独自の機能などを稼動させるための複雑な作りになり、長い期間駆動し続けるとどうしても歯車などの部品に傷みが生じてきますので、オーバーホールを実施し定期的にメンテナンスする必要が出てきます。
特にモーリスラクロアのような複雑構造の高級腕時計になってくると部品の精密度が違ってきますので、正規代理店などでは3~5年に一回の期間でオーバーホールを依頼するようにアナウンスしています。
このオーバーホールを怠ってしまうとその高精度と耐久性が大きく損なわれることになり、結果として一生物として使い込めるはずの愛器の寿命を早めてしまうどころか、故障などのトラブルの原因を作ってしまうことになります。ですので高価な腕時計になればなるほど定期的なメンテナンスは大切な作業になってくるのです。
高級腕時計をオーバーホールする上で一番安全で確実な方法は、メーカーの正規サービスセンターに依頼することです。
正規販売代理店ではオーバーホールに関しては正規サービスセンターに依頼することと謳っています。
正規サービスセンターに依頼する一番のメリットは製造元のモーリスラクロア専門スタッフが作業を手がけてくれるので信頼性が最も高いこと、また万が一部品交換などの修理が必要になったときに純正部品の使用が保証されること、さらに作業完了後のアフターサービスが充実していることが挙げられます。
そしてモーリスラクロアの場合はオーバーホール・修理に関しては正規サービスセンターで作業したものに関して24ヶ月の修理保証がついてきますのでそちらも大きなメリットになります。
では、モーリスラクロアの正規サービスセンターにオーバーホールを依頼した場合、料金はどのくらいかかるのでしょうか。
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駆動方式 | オーバーホール料金 |
---|---|
クォーツ式 | 40,000円~ |
クオーツ式クロノグラフ | 55,000円~ |
手巻き式・自動巻き | 45,000円~ |
自動巻きクロノグラフ | 70,000円~ |
ここに記載されている料金はオーバーホールのみの料金になっており、もし部品交換などの修理作業が生じた場合には別途料金がかかってきます。
正規サービスセンターでオーバーホールした場合には修理が生じた場合でも全て純正部品を100%使用しますので安心感が違うこと、さらに修理後のアフターサービスとして正規サービスセンターの修理・オーバーホールには24ヶ月の修理保証がついてきますので、この点も大きな魅力になります。
また注意しなくてはいけないのは正規店以外での購入、並行輸入品や海外での購入に関して正規保証は無く、大幅割増料金を取られるか修理そのものを断られる並行差別がモーリスラクロアはありますので、並行輸入品や海外での購入品に関してはオーバーホールを依頼する際には充分な注意が必要です。
モーリスラクロアの正規サービスセンターでは並行差別があり、並行輸入の品や海外で購入した物の場合には、基本として正規サービスステーションの修理は受けられませんので、残された方法は腕時計修理専門店へ依頼することになってしまいます。
ですが腕時計修理専門店にモーリスラクロアのオーバーホールを依頼した場合、料金はどのくらいになるのでしょうか。
修理専門店によって誤差はありますが平均価格としてクォーツ式・クォーツ式クロノグラフで20,000円~、自動巻き・自動巻きクロノグラフで35,000円~、と正規サービスセンターと比較するとかなりの差があり、料金的にはかなりお得になっています。
しかしデメリットとして考えられるのはまず修理作業が入った場合に、純正部品を使用する可能性はかなり低くなります。
さらに仕上がりに関しては作業する技術士しだいで開きが出てしまうことが考えられます。
これは技術士が、1級腕時計修理技能士の資格を持っていても技術力の高さを証明することには決してならないというのが大きな要因の一つで、資格取得は当然としてその技能士の修理担当暦や数多くの種類の腕時計を手がけてきたかどうかという経験・実績も問われるということになります。
さらに正規サービスセンターのような24ヶ月保証などは付きませんのでアフター対応の面にも不安な面はあります。
腕時計修理専門店にオーバーホールを依頼する際に大切なのは1級腕時計修理技能士が在籍する専門店なのはもちろんですが、修理を担当する技能士の本当の実力を見極めることが大切になってきます。
一番確実な方法は実際に専門店を訪ねて実際に見積もりを取ってもらい、技能士と直接話すことが妥当な方法です。
実際に技能士と面談することで技能士の実際の経験や技術も見えてくるので、優秀な技能士かどうかが分かります。
しかし、個人で修理専門店を廻ることはとても難しいですので、こういったときに役に立つサイトがクラフトワーカーズというサイトで、このサイトは技能士の修理担当暦や取得資格、所属会社などを明記しており、こちら側が職人を選んで納得した職人に修理を依頼することができるので、安心してオーバーホールを依頼することが可能ですから、試してみるとよいでしょう。
また在籍している職人全員に一括見積もりも可能です。こちらの記事の最後で紹介していますので、是非参考にしてみてください。
モーリスラクロアのような精密で高性能な腕時計を正規サービスセンター以外にオーバーホールに出すには技術的に本当に信頼のおける修理技能士に預けることがおすすめですので、是非この機会に良い職人との出会いを見つけてください。
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