ゼニスのアンティーク、オーバーホールや修理はどこへ依頼するべきか?

カテゴリ:お役立ち・サポートケア

時計史に名を刻むムーブメント、名機「エル・プリメロ」を輩出したゼニスは優れたアンティーク・モデルも数多く輩出しているブランドです。さて、ゼニスは1865年創業の歴史あるブランド、年代物のオールドピースも数多くあります。果たしてそんなオールド・ピースは修理・メンテナンスできるのか?業者選定の基準、注意点をまとめ詳しく紹介します。

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高精度を探求、ムーブメントに定評がある名門ブランドゼニス

ゼニスで真っ先に思い浮かぶのは「エルプリメロ」というクロノグラフ・ムーブメントです。1969年に発表された世界初の「自動巻きクロノグラフムーブメント」はその後、ロレックス社のデイトナにも採用されたほど、信頼性の高いムーブメントです。

クロノグラフや自動巻きムーブメント以外にも手巻きのスモールセコンドを配したクラシックなドレスウォッチも多くあります。現行品ラインナップにも残る、エリートは「これがゼニス?」と思うくらいのエレガントな外観が特徴です。

同じく現行品で残る「パイロット」、珍しいスクエアケースの「ポートロワイヤル」のアンティークはレトロな雰囲気で、人気を博しています。

このようにクロノグラフからドレスウォッチまで、幅広くさまざまなシーンで使える豊富なラインナップを持ったブランドゆえ、アンティークでも見たことのないようなユニークピースが出てくる事もしばしばあります。

ムーブメントに定評があるブランドなので、アンティーク製品でも十分使える物が多いです。しかし「エル・プリメロ」は50年前から部品が摩耗しやすい36,000振動を採用、当時から特殊な潤滑油によって摩耗を克服していました。

そのため、定期的なオーバーホールは必要です。部品数も多くコンディションの良いアンティーク・ゼニスでも4〜5年に一度は状態を確かめる意味でも修理・メンテナンスに出す事がおすすめです。

2つあるゼニス・アンティークの修理メンテナンス業者

しかし、いざ修理メンテナンスをと考えた時、意外にどこへ作業依頼すれば良いか検討がつかないものです。特に「時計をよく知らない人」はどこへ依頼して良いのか分からずに修理・メンテナンスを諦める話も聞きます。

個人的な意見を言えば、名門ブランドゆえ修理・メンテナンスを諦めるのはもったい無いです。入手できるだけでも幸運、愛好家はアンティーク・ゼニスを探し求めている人も多く居ます。動かない個体であっても修理・メンテナンスしたいですね。

ゼニス・アンティークの修理メンテナンスではメーカーが行う修理メンテナンスと、時計修理専門会社が行う修理メンテナンスの2つに分かれます。ではそれぞれの特徴を紹介しましょう。

ゼニス・アンティークの正規メンテナンス、「LVMH・ジャパン」が窓口

ゼニスは国際的ラグジュアリーブランド・グループ、LVMHの傘下にあり、メンテナンス製品の流通経路は国内の正規販売店網を経由して、ゼニスカスタマーサービスLVMH・ジャパンまで集約、修理メンテナンスをする流れです。

LVMHグループはルイヴィトンを中心とした、ラグジュアリーブランドグループで、レザーグッズや高級時計をグループ傘下に置き、2021年時点で75の高級メゾンを束ねています。ゼニスもその主要メゾンのひとつです。

ゼニスは国内で2021年12月現在、国内にある54の正規代理店、3つのブティックを窓口として集めた製品を、東京都江東区にあるサービスセンターで集約し修理メンテナンスを実施します。しかしアンティークの場合、日本国内に部品在庫が無い事もあります。

そのような場合部品を「スイスから取り寄せる」場合と、修理・メンテナンスを「本国(スイス)の時計職人」が作業する場合に分かれます。同社のメンテナンス体制は、どんな年代の同社オールドピースでも修理可能となっています(クロノス日本版97号参照)。

同様に同社HPでも明記しているため、アンティークの正規メンテナンスでも受託拒否は無く安心して依頼することが可能です。

なぜ正規(LVMH)では作業費用が高額になるのか?

しかしどんなに費用を掛けても修理しても問題無いという人はさすがに少数でしょう。仮にスイス送りになると、普通に考えても輸送費用も掛かり割高となるはずです。さらにスイス送りになった場合、修理期間も当然長くなります。

また前述したように正規修理メンテナンスは受託後、LVMH・ジャパン<へ送る迄多くの経路を辿ります。正規店の全てがLVMH直営では無い為、受託毎に中間マージンが発生します。このことも正規メンテナンス料金を高額にする、大きな要因です。

また正規修理メンテナンスでは、受託した製品を一部時計修理専門業者へ外注している場合もあります。当然その場合そこでも外注先で発生した実費用へメーカーが受託手数料を上乗せするのが一般的です。

外部委託はLVMHジャパンも前述したクロノス日本版97号で「一部委託する」と回答しています。

このように外注した場合、外注費に手数料を上乗され費用が高額になり、その場合は専門業者→LVMH→正規店と経由する業者が増えるため納期も長期化します。とすれば、最初から時計修理専門業者へ作業依頼した方が良いと考えるのが自然です。

時計修理専門業者の時計職人さんのスキルは正規と同じ!

前述した時計修理専門業者は文字通り、時計の修理メンテナンスをメーカー問わず扱う業者です。なんとなく正規メンテナンスの方が優秀な時計職人さんが居るイメージが強いと思いますが、修理専門業者の職人さんのスキルも正規の職人と全く変わりません。

だからこそ、前述したように正規メンテナンスの一部が時計修理専門業者へ外注委託されるのです。ではなぜ多くの人は正規メンテナンスを真っ先に考えるのでしょう。ひとつにはメーカーが行うので安心と思われているためです。

確かに正規メンテナンスでは修理メンテナンス後の無料保証期間があることで、正規を選ぶ人も多いでしょう。また国際保証が付くことも特徴です。

しかし、時計修理専門業者でも作業後の「無料保証期間」はあります。業者によって期間は異なりますが、半年から1年が標準です。国際保証は付きませんが、冷静に考えると国際保証はこれから海外へ長期赴任する人以外、まず必要ありません。

また部品の調達も正規メンテナンスが確実と考える人が多いでしょう。しかし、修理専門業者の時計職人さんも様々な部品調達ルートを持っています。

彼ら独自のルートでゼニス・アンティーク部品は手配できるので、一部モデルを除き修理メンテナンスは全く問題ありません。

ネット受託・見積りが効率良く、おすすめ

時計修理専門業者の業態は店舗型とネット専業型に大きく分かれます。近年は店舗型の修理専門業者もネットでの修理受託を行っている所が増加しており、業者探しはネット検索が近道です。

僕は最近知り合いから、時計修理専門業者に関するアドバイスを求められる機会が増えています。その際はネット受託可能な修理専門業者をおすすめしています。理由は「時間に縛られない」、「日本全国どこからでも依頼できる」からです。

実店舗だとどうしても、店舗までの移動時間や店舗での折衝時間を要して、比較検討も思うようにできません。その点「時間に縛られない」ネットの店舗探し、見積りは24時間問い合わせもできるため、空き時間を有効活用できます。

またネット受託できる修理専門業者は、空き時間にWEBで申込むだけで時計さえ送ればあとはできあがるのを待つだけです。時間を有効に使う為できるだけ、WEBを活用した方が良いでしょう。

腕の良い時計職人を探すには資格保有者を見つける

しかし、ネットでの業者選びも闇雲に探すだけではいけません。ある程度「目星を付け」探すのがポイントです。僕は「時計修理専門業者」プラス、「一級時計修理技能士」や「資格保有」といった検索ワードを付け加えググっています。

時計修理専門業者だけの検索だと、どうしても検索上位に来るのは広告主です。以前は自分の居住地を入力しての検索もしていましたが、ネット受託できる業者であれば地域入力も不要です。

やはりポイントは腕の良い時計職人の作業になります。業者の口コミを見る他に有資格者を掲示しているかも見た方が良いでしょう。「1級また2級時計修理技能士」が国家資格なので、その資格保有者が在籍しているかをチェックしてください。

それ以外ではWOSTEP(Watchmaker Of Switzerland Training and Educational Program)も国際的に有名な時計職人の認定試験です。他にもメーカーによる訓練修了者資格などもあります。

過去に依頼実績の無い時計職人さんを判断する基準はやはり保有している資格しかありません。依頼する時計修理専門業者の時計職人さん各々の資格を確認してから作業依頼するのが、安心でしょう。

様々な修理工房へ時計の修理やオーバーホールの一括見積もりが可能なクラフトワーカーズ

そうなると、やはり時計職人さん個々にフォーカスして業者選びをするのが最善だと思います。しかし仮にお気に入りの職人さんが居ても、全て「お気に入りの人」が作業してくれる訳ではありません。

ただ唯一時計職人さんを指名できる業者があります。それがクラフトワーカーズです。クラフトワーカーズでは登録されている時計職人さんの実績やプロフィールを見て作業依頼する時計職人さんを指名できます。

お気に入りの職人さんが居る人は単独で指名でき、複数の職人さんを相見積もりする場合は「まとめて見積もり」機能を使って比較することも可能です。この機能を使うと一覧表のように見積り内容を比較することができます。

上の画像は実際のクラフトワーカーズのまとめて見積もりの入力画面です。このようにスマホでも簡単に入力できるインターフェースで、空き時間に簡単に見積もりができます。

特にアンティーク製品の場合は見積りの作業内容も重要です。実は料金の差が、作業内容の違い<だったりします。見積りの段階で複数の職人から見積りを取り比較検討すると違いが、見えてくるかも知れません。

ゼニスのアンティーク修理の総括

ゼニス・アンティークの修理メンテナンスは、もし製品を入手した場合直近数年間で修理メンテナンス履歴が無ければ、状態を確かめる意味でも修理メンテナンスに出す事が安心です。

修理メンテナンスによって貴重なオールドピースを長きに渡り使う事ができるようになり、結果費用も少なく時計を楽しむ事ができるようになります。正規と修理専門業者、どちらか迷う所ですが、まずは概算費用の見積りを双方に出してみてください。

前述のクラフトワーカーズ概算見積もりは無料です。気軽なお問い合わせ感覚でじっくり正規と比較検討して、大切なゼニスのアンティーク、オールドピースを末永く使ってください。

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