1939年にイギリス空軍の正式航空腕時計として採用され、航空業界から熱烈な支持を集めるブライトリングですが世界初の回転式ベゼルで四則演算が可能な回転計算尺付きクロノグラフを発明したことでも良く知られています。
この流れを汲み取り1952年に発表されたのがアメリカ海軍が考案したアナログフライトコンピューター「E6B」を採用し、航空用の回転計算尺を搭載したブライトリングナビタイマーの登場です。
このモデルはベゼルを回転させてベゼル上の目盛りと文字盤の目盛りを対応させることで掛け算・割り算によって地図から飛行距離と時間を算出し、飛行中の高度補正や燃料消費も計算することができる当時としては画期的な機能を搭載した腕時計で、瞬く間に世界中のパイロットに愛用されることになりました。
ブライトリングナビタイマーはデジタルフライトコンピューターが駆使されている現代になってもパイロットの腕に欠かすことのできない必需品となっており、パイロットウォッチの不朽の名作として現在も現行モデルとして活躍し進化を遂げています。
さらにブライトリングナビタイマーには精巧なクロノグラフ機能が搭載されており、ストップウォッチとしての時間測定や時速計算が可能なタキメーターの機能も付属しているので、飛行目的に留まらない多用途に使用が可能ですが、なんといってもアメリカ海軍が考案したアナログフライトコンピューター「E6B」を採用している点が大きな特徴になっています。
ブライトリングナビタイマーのような精巧なクロノグラフ機能と回転ベゼルによって航空用の回転計算尺を搭載した正確さが要求される腕時計になると、定期的なメンテナンスは必須となり特にオーバーホールは欠かせない作業になってきます。
使用目的から考えて高い精度を維持することが不可欠なモデルなのでムーブメントの特性上3~5年使用期間が経過したムーブメントの場合、オーバーホールの推奨期間に当たります。ではブライトリングナビタイマーを正規メーカーにオーバーホール依頼した場合、どのくらいの料金になるのでしょうか。
駆動方式 | オーバーホール料金 |
---|---|
自動巻きノングクロノグラフ | 88,000円~ |
自動巻きクロノグラフ | 110,000円~ |
ナビタイマーの場合このような料金設定になっており少々高価に感じる料金になっています。しかし、ブライトリング社のムーブメントの精度の高さやクロノグラフの先駆者としてのグレードの高さを考えると適正な料金設定といえるでしょう。
なおこの料金に関してはあくまでオーバーホールのみの料金になっており、作業工程で部品交換や修理作業が発生した場合には別途料金がかかってきます。
正規メーカーにオーバーホールを依頼するメリットとしてはブライトリング専門の熟練したスタッフが作業を担当するため安心感が非常に高いこと、部品交換が生じた場合には全ての作業に純正パーツが使用されること、作業完了後には動作保証が1年間付くことなどが挙げられます。
こういったメンテナンスに預ける際の安心感や信頼、アフターサービスの充実度が正規サポートを利用する際の魅力になっています。
高級腕時計に関してほぼ全てのブランドに共通する事柄ですが、輸入腕時計には正規ルートと並行輸入ルートの2つがあり、正規販売店での購入と並行輸入で購入された腕時計には商品は全く同じものでありながら、アフターサービスに違いが生じていることは良く知られていることです。
俗に並行差別といいますが、一例でいうと正規販売店で購入されたもの以外は修理を受け付けてもらえない、また受付されたとしても高額な修理料金になるなどの事例が挙げられています。
ではブライトリングナビタイマーの場合はといいますと修理そのものに関しては、保証書があり本物であることが証明されれば受け付けてくれますが、あくまで正規料金のままになります。
しかし正規購入品に関してはブライトリングメンバーズに加入ができ、加入するとオーバーホール料金が正規料金の50%割引になり防水・動作保証も1年間付いてきます。
この特典は正規販売店購入の商品のみになり並行輸入品には適用になりませんので、並行輸入で購入されたブライトリングナビタイマーは信頼の置ける腕の良い腕時計修理店に依頼したほうが融通が利きますのでよい結果が得られるます。
ブライトリングナビタイマーを並行輸入で購入した場合や、ヴィンテージモデルで正規サポートに純正パーツのストックがないためにブライトリングジャパンでメンテナンスができない場合、腕の良い腕時計修理専門店にオーバーホールを依頼するのも良い方法です。
幸い日本には腕時計修理専門店の数が多いので信頼の置ける腕時計修理専門店に依頼すると良い結果が得られる事が多いです。では腕時計修理専門店にナビタイマーをオーバーホール依頼した場合にはどのくらいの料金がかかるのでしょうか。
駆動方式 | オーバーホール料金 |
---|---|
自動巻きノンクロノグラフ | 32,000円~ |
自動巻きクロノグラフ | 45,500円~ |
修理店によって差はありますが相場価格で見ると、上記のように破格の料金になっています。腕時計修理専門店にオーバーホールを依頼する際のメリットは何といっても格安な料金にあります。
料金が正規サポート料金の半分で済むのは魅力的です。さらに納期が早く、を3〜4週間で仕上がるのもメリットが大きいです。またヴィンテージモデルなどの場合には正規サポートではストックしていない古い純正パーツをストックしている専門店もありますので、そういったお店と出会えるとオリジナルの状態を維持できますのでとても大きなメリットになります。
逆にデメリットになる点はブライトリング専門の技能士が作業を担当するわけではないので安心感に不安が残ること、部品交換が生じたときには場合純正パーツではなくジェネリックパーツが使用される場合があること、そして仕上がりに関しては担当する技能士の技術によって大きく差が出てしまうことがなどが挙げられます。特にこの点は技能士によって本当に差が出てしまうので腕時計修理専門店にオーバーホールを依頼する際には優秀な技術者かどうかの見極めが大切になってきます。
ブライトリングナビタイマーのように精度が高くクロノグラフやタキメーター、航空用の回転計算尺などの多機能を搭載している腕時計をオーバーホールに出す際には、やはり正規サポートに依頼するのが賢明な方法です。
正規サポートにオーバーホールを依頼するということは安心と信頼を購入することになるので高価な料金でも安心して腕時計を預けることができます。
しかし予算の関係や並行輸入で購入されたブライトリングナビタイマーの場合、あるいはヴィンテージモデルでブライトリングジャパンでメンテナンスを受けてもらえない場合などは、優秀な技術者へオーバーホールや修理を依頼するのも一つの選択肢としてあります。
国内にはあまりにも腕時計修理専門店の数が多くて一体どこに出したらよい結果が得られるのか判断に迷う人も多いことでしょう。
そんな場合には有資格者の在籍する腕時計修理専門店を探すのが良い方法です。
特に1級腕時計修理技能士の資格は上級資格として登録されているので信頼の基準になります。ですが全国の腕時計修理専門店には多くの1級腕時計修理技能士在籍と謳っているので判断に迷うところでもあります。
現在はインターネットなどで情報も集められますが不確かな情報が多くかえって混乱してしまいます。
以下の記事では私のおすすめの修理専門店を纏めています。
特に記事一番下で紹介しているクラフトワーカーズでは、いくつかの修理専門店から厳選した優秀な技能士を複数ピックアップしており、依頼する側は一括で複数見積りを取ることができます。
一括複数見積りは時計を送ることをせずにできます。また住所や電話番後の入力も無しで非常に便利です。
また、在籍している職人は純正部品を使ってくれるところも安心できます。
このサイトでは紹介している技能士の修理担当暦や取得資格、所属会社まで公開しているので是非一度除いてみると良いでしょう。
ブライトリングナビタイマーのような精度が高く、クロノグラフやタキメーター、航空用の回転計算尺など多機能を有している優秀な腕時計を正規メーカー以外の腕時計修理専門店にオーバーホール依頼する際には技術者の見極めが重要になり、本当に信頼の置ける優秀な技術を持った人へ依頼するのがおすすめです。
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