シチズンは創業100年以上の歴史あるブランドです。長い歴史ゆえアンティークでも、優れたタイムピースを数多く輩出しています。しかしアンティーク時計の修理メンテナンスはどうしたらいいか、わからない人もいるのでは?今日はシチズンのアンティーク時計の修理メンテナンスはどの業者へ任せれば良いか、詳しく紹介します。
1918年に「尚工舎時計研究所」として創業したシチズンは1924年に国産の第一号懐中時計を完成させました。偶然にも僕が実家で見つけたシチズンのアンティークも懐中時計、1931年に同社初の腕時計が発売されても並行して懐中時計を製造していたのでしょう。
今と違い1950年代から70年頃までは時計ムーブメントの多くは機械式時計でした。60年後半頃からクォーツ時計は出てきましたが、まだまだ高価で一般に広く普及するのは1970年代後半と僕は記憶してます。
そしてスイス時計を始めとする輸入時計は当時「舶来時計」と呼ばれていました。輸入品は「ぜいたく品」とみなされ、スイス時計には1989年まで物品税が課税されて庶民が手にできない価格設定になっていたのです。
そのため1950年代から70年代を生きてきた人たちは例外なく、シチズン時計を含む国産機械式時計のアンティークを愛用していたでしょう。僕も上の懐中時計と、数個の国産腕時計を実家で発見しました。
ただ、シチズンのアンティーク時計を見つけた場合、仮に動作品であっても長年動作していない場合は内部の油が劣化しているのでメンテナンスが必要です。ではどこへ依頼すべきでしょう。
機械式時計の修理メンテナンスはメーカーが行う正規修理と時計修理専門業者と2つに大きく分かれます。
一般的にはメーカーへ、作業依頼を考える人が多いでしょう。シチズン時計の場合、デパートや直営店と言った正規店もしくはシチズンのカスタマーサービスで受託します。
アンティーク時計のメンテナンスで一番問題となる事は「部品の在庫」です。部品が壊れている場合、当然その破損部品は交換します。メーカーは一定期間、ディスコンモデルでもパーツを保管するのが一般的です。
シチズン時計では部品在庫の保管期限を製造終了から7年としています。
アンティーク製品の場合一般的に発売終了から30年以上経過している物が多く、「在庫無し」の可能性が高いでしょう。部品が無いと破損状態にもよりますが、受託不可になります。
しかし正規メンテナンスで受託不可となっても諦める必要はありません。
正規メンテナンス以外に「時計修理専門業者」でもアンティークのメンテナンス・修理は可能です。
僕はアンティーク製品の修理メンテナンスでは、修理専門業者に分があると考えます。理由は修理専門業者であれば古いパーツのストックがあったり、最悪部品が無ければ代用品を使い、時計職人によってはパーツ自体を「自ら製造」する職人もいるからです。
前述したようにメーカーはどうしても正規部品(純正部品)に拘り、部品の手配ができなければ作業そのものを受託しません。
「メーカーの立場上」代用品を使い修理した際の責任の所在が不明瞭になるため、「純正品以外は使用しない」のでは?と、考えられます。
それに対し、時計修理専門業者が拘る事は「まず時計を動くようにする事」です。ともするとメーカーは発売当時のスペックを再現しようという想いが強いのかも知れません。
しかし時計修理専門業者はアンティークなら作業後の非防水を求めるなど、現実的な対応を顧客へ説明しながら、作業を進めます。
顧客目線で考えても、製造当時の忠実なスペック再現より「稼働する手法」を提案される方が望ましいと、僕は考えます。
費用も「中間マージン」が発生しないため、時計修理専門業者の方が安い事が特長です。正規メンテナンスでは百貨店や正規店を流通して、そこで発生する「取扱手数料」が作業料金をアップさせます。
また正規メンテナンスは、一部作業を修理専門業者へ外注しており、それも料金アップの要因になっています。これらの点を踏まえるとシチズンのアンティーク時計は時計修理専門業者へ任せるのが賢明です。
しかし、時計修理専門業者は探すとなると簡単には見つけられません。
それを裏付けるように僕も最近知り合いから「時計を修理できる業者を知ない?」と質問を受ける機会が増えています。これはやはり「修理専門業者がよく認知されていない」事が大きな要因なのでしょう。
では、どのようにして修理専門業者を見つければ良いのでしょう。あてもなく、市中を探し回るより僕はインターネットを使い探す事をおすすめしています。
最近は店舗と並行してWEBで時計修理専門サイトも運営している形態が一般的です。またネット専業の時計修理専門業者も増加していて、ここ数年ではネットでのメンテナンス受託回収・配送が一般的になっています。
しかし、時計修理専門業者であればどこでも良い訳ではありません。前述した部品の件以外に重要な事は時計職人さんに高いスキルをが必要とされるからです。
そもそもアンティーク製品は部品の性が現行モデルより劣ります。またメンテナンスでは繊細なムーブメント内部の歯車調整、加工が必要です。
アンティーク時計ムーブメント内部の調整作業はこれまでの経験・ノウハウが豊富な時計職人さんでないと、難しいでしょう。歯車の僅かな調整の差異、バランスの違いだけで精度は悪化します。それらを見極めれる高い技術力が必要です。
とは言ってもその優れた職人技を見極めることは一般の人では難しいので、まずは任せる時計職人さんが有資格者かどうか、これだけは最低限確認するようにしましょう。
そして、できるだけ多くの業者から見積りを取り、比較検討する事も良い修理専門業者を見つける近道です。幸いネット上には料金表示や無料見積りをおこなっている業者もあります。
ただ多くの時計修理専門業者のサイトを比較、サイト閲覧や問合せ・無料見積りのWEBフォームの入力作業をするだけでも時間を要します。
ネットの場合、時間帯によっては返信が翌日以降の対応となり、タイミングが合わなければ数日かかる事も珍しくありません。
正規メンテナンスより費用が節約できても問合せ・返答に時間を要していると、段々メンテナンスに出す気力が萎えてきますよね。多くの人は隙間時間や休日に修理業者探しをしているはずなので、効率良い業者探しをしたいですね。
実は同じサイト内で簡単に料金比較ができる修理専門業者、クラフトワーカーズがあります。僕はクラフトワーカーズを利用して、問い合わせ時間を大幅に短縮できました。
クラフトワーカーズでは、サイト内で料金比較が簡単にできます。どのようなものかと言うと、登録している時計職人さん全てにまとめて見積りを依頼、比較検討して時計職人さんを指名できるシステムです。
同じサイトで指名?比較検討?と言ってピンと来ないかも知れませんね。実はクラフトワーカーズでは作業料金が個々の時計職人さん毎で異なります。そのため同一サイト内で各々の時計職人さん間で料金の比較検討ができるのです。
クラフトワーカーズは実機の裏蓋を開ける本見積りの前に概算見積りでおおよその作業料金を依頼者へ提示します。サイト右上にある「まとめて見積り」のバナーをクリックすると、全職人さんへ概算見積りを一斉送信するシステムです。
このまとめて見積りはさながら、比較検討サイトの一括見積と同じような機能になります。これにより貴重な休日を有効活用でき、その分、見積り内容を詳しく吟味でき納得のいく時計職人さん選びが可能です。
上のスクリーンショットは最終的に決まった腕時計職人さんから確認メールのURLリンクを開いた画面になります。仕事合間の休憩時間でもスマホから簡単に職人さんへワンクリックで連絡が可能です。
個々の業者へWEBフォームを入力する手間も省け、時計職人さんへ依頼した後もわかりやすい画面からワンクリックで返答ができます。メール返信や電話対応も不要、仕事の休憩中にスマホでメンテナンス依頼が完結できます。
クラフトワーカーズの概算見積りで求められる入力項目は依頼者の個人情報以外に「ブランド名」、「モデル名」(任意)、「ムーブメントの種類」、「針の数」、「時計の状態」、「購入年数」、「OH履歴」の入力です。
通常の時計修理専門業者のサイトだと、ブランド名と型番の入力を求められる所が多く見られます。しかし、型番(リファレンス)を調べるのは簡単ではありません。特にアンティーク製品では裏蓋を開けないと分からない製品もいくつかあります。
また時計に精通している人たちはどこに型番が記載(刻印)されているかは経験的に知っていますが、一般の人たちは型番と言ってもシリアルナンバーと混同する人も多くいます。
僕のアンティークも裏蓋のどこにも型番はありません。他のブランドでもアンティーク製品は型番は刻印されていないものが多いのです。
一般的な時計修理専門業者のサイトで見られる専門用語を極力少なくしている、クラフトワーカーズの入力システムは、決して時計愛好家だけに限定していません。腕時計ビギナーへ配慮した、WEBデザインに僕は親しみを感じます。
もちろん型番を理解できる人はモデル名の項目に入力するようにしましょう。
シチズンは現行モデルもラインナップ拡充によって、機械式時計に注力している姿勢が感じます。と、言う事はシチズン・アンティークのモデルへもこれから注目が集まる可能性が高いと言えるでしょう。
しかしアンティークは正規修理メンテナンスでは、部品の在庫切れによる受託不可が一番心配です。受託不可を避けるため、技術力が高くノウハウを多く持つ修理専門業者へ任せる方が、僕は安心だと思います。
まずはクラフトワーカーズの纏めて見積もりで比較して、他業者も比較してみてください。きっと良い解決法が見つかるはずです。
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