イタリア語で「永遠」を意味する語をブランド名にかかげる「エテルナ」。「エテルナ・マチック」の開発をはじめムーブメントの進化の歴史に大きく貢献したことを背景に、文字盤には5つのボールベアリングを模したブランドマークが輝いています。
実用性と品質の確かさはもちろん、見た目の美しさも人気の理由。紳士にふさわしい気品と、長く使い続けられる普遍性を兼ね備えたデザインが特徴です。
スイスの高級時計ブランド、エテルナの歩みは1856年にさかのぼります(最初は「ギラー&シルド」という名称で、ムーブメント製造会社として設立)。ムーブメントメーカーとしての出発は、次第に社内一貫生産の総合時計メーカーへと発展し、1900年代からは腕時計を生産し始めました。
1905年に社名を「エテルナ」に改名してから革命的な発明・発表が続きます。1908年には世界初のアラーム付き腕時計の特許を申請、1910年はブリュッセル万博でグランプリを獲得し、1914年には量産型の腕時計を打ち出します。
1932年、エテルナは自社のエボーシュムーブメント(基礎的なムーブメント)部門からETA社を設立します。独立したムーブメントメーカーのETA社は現在もなお、機械式時計ムーブメントにおいて非常に大きなシェアを持っています。
そこからさらに1948年、エテルナは、世界で初めてワインディング・ローターの軸受けに5つのボールベアリングを使用した「エテルナマチック」を開発します。これはローターの回転をスムーズにして摩擦抵抗を減らすことで、ぜんまいの巻き上げ効率を劇的に改善するというもの。計時機能の正確性や耐久力の向上につながるこの技術は、現在は当たり前となっていますが、エテルナから発祥したものだったのです。
1970年代以降はクォーツ時計、電子時計の分野でも技術革新をけん引していきます。自動ムーブメントを搭載した高級時計で、世界最薄モデルの発売という偉業も成し遂げました。
エテルナの時計は、実用時計として申し分のない機能と耐久性、そして幅広い年齢層の紳士たちから愛される洗練されたデザインに特徴づけられています。エテルナの搭載するムーブメントはETA社が製造しており、毎日着けていても心地よく使い続けることができるでしょう。腕時計のムーブメントは車にたとえればエンジンに相当します。駆動性の信頼できるムーブメントを搭載した一本を選びたいという腕時計愛好家は多くいます。
時計を長く使い続けるには内部機構、ムーブメントが非常に大事になってきます。定期的にメンテナンスをしっかり行いたいものですが、世界的にも圧倒的なシェアを誇るETA社の汎用ムーブメントなら、ケアや修理のノウハウ・知識が積み重ねられており、不具合が起きてもすぐに直してもらえるという安心感があります。エテルナの時計を持っている方は、定期的なオーバーホールを欠かさずに受けるようにしてくださいね。
オーバーホールとは、時計のコンディションを良好にキープしておくために必要な一連のケア作業です。時計を分解してひとつひとつのパーツに分け、点検・精度調整・組み立て・注油・洗浄・磨きなどを行っていきます。不具合や故障が見つかったら修理・部品交換なども行ってもらえます。
オーバーホールは時計本来の機能を回復し、ケースやブレスレットなどの輝きを取り戻す重要な作業です。ちなみに、時計は精密機械なので、オーバーホールはかならず時計修理の腕をそなえたプロフェッショナルに依頼するようにしてください。素人作業で時計の内部に手を加えると故障の原因につながります。
腕時計の針や内部機構は常に動き続けており、着用しているかどうかに関わらず、24時間365日休むことがありません。腕に着用しているときは、腕の振りによる重力の影響、何かにぶつけたり落としたりすることによる衝撃、水がかかったり粉塵を浴びたりといったさまざまな外部環境にさらされます。一方、腕から外して保管しているだけの時も、湿度や気温の変化、パソコンやスマホ、家電などから発せられる電磁波などを浴びて、ケース・リュウズのゆるみやサビ、内部機構の乱れ、経年劣化などが起こる可能性があります。
腕時計を持っていて、なんとなく不具合を感じる、時計の針の進み方がいつもと違うような気がするといった際に、「実用面ではそれほど不便を感じないから良いか」と安易に放置してしまうと、いざ修理に出してみたらもう直せないほど悪化しており、修理依頼先から断られてしまうことがあります。こうした最悪のケースを避けるためにも、オーバーホールはこまめに受けるようにしてください。
この記事では、エテルナの時計のオーバーホールはどこに依頼するとよいか、日本に正規サービスセンターは存在するのかなどを解説します。また、よりお得にエテルナのオーバーホールを受けられる方法はあるのかといった疑問にもお答えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
■エテルナは正規サービスセンターでオーバーホールを受けられる?
エテルナは主にヨーロッパで展開しており、日本では長らく入手が困難なブランドでした。2014年にユーロパッション株式会社が日本総代理店業務を開始しますが、現在はライセンス契約が終了しています。
現在、エテルナの正規サービスセンターは日本国内にありません。
エテルナは2016年までは日本に代理店があり、正規サービスセンターとして修理依頼を受けていました。その時のオーバーホール・修理価格がどれほどであったか、価格表を記載いたします。ご参考にしてみてください。
<エテルナの正規のオーバーホール料金目安>
タイプ・仕様 | 「オーバーホール料金 |
---|---|
手巻き | 88,000円 |
自動巻き | 88,000円 |
クォーツ式 | 88,000円 |
特殊複雑時計 | 別途見積もり |
バッテリー交換 | 10,000円~ |
時間調整 | 15,000円~ |
ケース仕上げ | 43,000円~ |
ブレス仕上げ | 63,000円~ |
ブレス洗浄 | 10,000円 |
※オーバーホールには簡単な機械部品交換とケース洗浄が含まれています
「時計本来の美しさ・機能性をできるだけ長く堪能したい」という方は、定期的にオーバーホールを受けることが大切です。
以前のエテルナの正規サービスセンターにオーバーホールを依頼すると、88,000円~ほどの作業費用がかかっていました。なお、修理やパーツ交換が必要になると、部品を購入しないといけないため料金がさらにかさんでいました。
エテルナは現在、日本には正規サービスセンターがありません。そのため、エテルナを持っている方は別の方法でオーバーホールを受ける必要があります。
それではどこでオーバーホールを受けることができるか、当サイトでは時計修理専門店をおすすめいたします。時計修理専門店は全国各地にあり、大手チェーン店から個人経営の地元密着型のお店まで、千差万別のタイプがあります。価格設定やサービス内容はお店によって異なりますが、一般的に時計修理専門店でオーバーホールを受けると、正規サービスセンターよりも低価格におさえることができるメリットがあります。これから時計修理専門店でオーバーホールを受けた場合の費用感や依頼時の注意点などを解説していきます。
エテルナは昔の正規サービスセンターでオーバーホールを受けると、80,000円前後の金額がかかっていました。時計修理専門店では、最終的な金額はお店に見積もりを出してもらう必要がありますが、10,000円後半~ほどからサービスを受けられることがあるようです(※パーツ交換や修理が行われる際は別途料金が発生します)
また、時計修理専門店の中には、自社で旋盤を保有しているため、腕時計にぴったり合うパーツを1から製造できるというお店があります。エテルナは日本では販売店の数が多くなく、入手のむずかしいブランドなので、修理依頼先で交換可能なパーツがあるかは気になるところ。こうした自社製造を行っているお店ならば安心して依頼できますよね。
「腕時計修理専門店に依頼すれば、エテルナの時計もお得にオーバーホールしてもらえることが分かった。それでは、どんな時計修理専門店に依頼すればいいのだろう?」
先述した通り、各時計修理専門店はサービスや金額のレベルを統一していないため、ご自分の希望に沿ったオーバーホールを受けられるかどうかはお店選びにかかっていると言っても過言ではありません。お店のサービスクオリティや職人の技術力がどれほどのものなのか、事前に調べて見極めてから依頼をすることが肝心です。
時計修理専門店の中には、世界的に名の知れた時計ブランドから修理業務を委託されているところがあります。また、百貨店のウォッチフロアなど、一流販売店を顧客としていることもあります。そうした優良店を見つけることができれば、大切な時計が新品同然に整備されて手元に帰ってくるはず。時計修理専門店とは一生の付き合いになることもあるので、慎重に選びぬきたいところです。
それでは、どのような時計修理専門店にオーバーホールを依頼すると良いのか、そのお店の時計修理の技術がどのレベルなのかを事前に知る方法はあるのでしょうか。
あくまで判断のひとつの目安となりますが、そのお店に国家資格の「1級時計修理技能士」を保有している時計修理職人さんが在籍しているかどうかで見極める方法があります。
「時計修理技能士」資格は3級から1級まであります。1級は実務経験7年以上がある人が取得できるものです。あるいは、3級取得後の実務経験が4年、2級取得後の実務経験が2年あるという人も取得可能です。
1級時計修理技能士の職人さんは、オーバーホールの技術力が確かなものだと考えてOKです。気にあるお店を見つけたら、まずはそのお店に1級時計修理技能士の資格を有している職人さんが在籍しているかをチェックしてみると良いでしょう。
資格保有者の職人さんがいるとわかったら、次はお店の提示する価格と納期がご自分の希望とあっているかを確認してみます。このよれば、お店選びを具体的に進めることができますよ。
時計修理専門店の選び方がわかりましたが、ひとつ気になるのがお店の候補を見つけだすことですよね。全国に数多ある時計修理専門店のうち、ひとつひとつを自力でリサーチするのは大変です。
こうしたお悩みを持っている方に向けて、今回この記事ではおすすめの時計修理専門店をご紹介いたします。まずは次の記事をご参考になさってください。
この中でも特に、記事の最後で紹介している「クラフトワーカーズ」がおすすめです。「クラフトワーカーズ」は、日本各地のすぐれた時計職人さんたちを精選して紹介している、時計修理を受けたい人と職人をマッチングする総合サイトです。
クラフトワーカーズに掲載されている時計職人さんたちは全員サイトと直接交渉しており、技術や価格、納期に自信があって掲載OKを出しています。つまり、時計修理の現場において実力とサービスの質が確かな職人さんたちだけが揃っているということです。
また、多くの時計職人さんたちから見積もりをまとめて比較できる点が便利です。自分でインターネットなどを使って地道に探しているときは見つからなかったお店も候補にあがってくるので、予算や納期などを比べて、納得してからお店に依頼を出すことができます。
エテルナは日本では入手がむずかしく、稀少価値の高いブランドです。これからますます市場価格が上がっていく可能性があるので、すでに保有している人や、これから入手を考えている人は、定期的なメンテナンスであるオーバーホールを正しく受ける方法を知っておくと良いでしょう。大切な時計を長く愛用していくために、お店選びは何よりも大事です。ぜひ本記事をご参考になさってくださいね。
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