アンティークのエルメスは何処でオーバーホールや修理をするの?壊れたらどうするの?

カテゴリ:お役立ち・サポートケア

エルメスは1837年に高級馬具工房としてパリで創業し、ナポレオン3世時代に皇帝御用達の称号を与えられました。世界の王族や貴族、上流階級の人々にとって憧れの的になったエルメスは、時代の変化にともなうライフスタイルの移り変わりにも適応し、流行の最先端をつくりだし続けています。

女性用鞄の「ケリー」や「バーキン」のほか、名だたる皮革製品を数多く製造。さらにジャガー・ルクルトなどの有名ウォッチメーカーと共同で時計を世に送り出すようになります。1978年にはスイスのピエンヌにエルメス専用時計会社「ラ・モントル・エルメス」を設立させ、本格的に時計事業を手掛け始めました。

現在に至るまで愛され続けている時計「アルソー」は、馬具の鐙(あぶみ)をイメージした意匠などエルメスの創業以来の哲学を感じさせるタイムピース。このほかにも「スリムドゥエルメス」「カレH」「ケープコッド」など代表作を次々と発表しています。アップルとのコラボレーションによる「アップルウォッチエルメス」も記憶に新しいですね。

エルメスの時計は希少性が高く、コレクターの間でも人気が高いです。すでに所有していたり、時計専門店で見つけたので新たに購入したいと考えている場合、少しでも長く愛用できるようにこまめな点検とメンテナンスをおこなうことをおすすめします。特にすでに製造終了しているモデルは、オーバーホールや修理にすぐに出せるように、かかりつけの修理依頼先をあらかじめ用意しておくといいですよ。

ここからは、エルメスのアンティークまたはヴィンテージの時計は「どこにオーバーホールを依頼すればいいのか」「修理はどのようにすればいいのか」などについてご解説していきます。おすすめの時計修理専門店も紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

PR

アンティークやヴィンテージ時計との付き合い方

ロレックスのアンティーク時計18k

アンティークやヴィンテージの時計は、長く使われてきた分、これまでの使われ方が蓄積して時計の内部や外観に現れるようになります。「どれくらいの頻度で使用されているか?」「どんな環境で保管されてきたか?」「最後にメンテナンスを受けたのはいつか?」こうしたさまざまな条件によって、時計の状態は変わります。

また、古い時計だと、現在製造されている時計に比べると磁気に対する保護能力が低い傾向にあります。時計は精密機械なので、パソコンやスマホを使う際にはアンティークやヴィンテージの時計は外しておくことが推奨されています。冷蔵庫、電子レンジ、バッグなどのマグネット式留め具なども磁気を帯びていますので、最低でも10センチ以上は離しておくと安全です。

また、防水性能の面でも気をつける必要があります。梅雨のシーズンや雨の日は、着用して出かけることは避けたほうがいいでしょう。できれば専用ケースで正しい環境の下、保管しておくとベター。特にケースウォッチが薄いタイプの時計はご注意を。雨の日にお気に入りの時計を着けて出かけたら、ガラスやリューズのすきまから内部に湿気が入り込んで壊れてしまった、なんてこともよく聞きます。

アンティークウォッチ、ヴィンテージウォッチは、現行品よりもきめ細やかなケアが大事になってきます。

時計を使用・保管するときに注意すべきポイント

時計は、購入時に付属しているボックスか、ワインディングマシンなど時計の保管向けに設計された専用ケースにしまっておくといいでしょう。高温多湿と紫外線を避けて、通気のよい環境がベスト。直射日光などの強い光に当たらないようにしましょう。

クォーツ式ムーブメントが入っている時計は、着用していないときでも電池を消耗し続けてます。電池切れになった時計をそのまま入れっぱなしにしていると、バッテリー液が漏れてモーブメントを損傷させてしまう恐れがあります。電池が切れたら速やかに新しい電池を入れ替えてください。

物理的な衝撃も、パーツの中には0.1mm以下の大きさもある精密機器の腕時計には大きな影響を及ぼしやすいです。ゴルフなどのスポーツ時に腕時計を着けている、また床に落としてしまうというような不慮の事故でも、時計の外観だけれなくメカニズムに損傷が加わることが多いです。

また、ダイバーズウォッチのような防水性能が高いとされている時計でも、飛び込みや波などの強い衝撃があると強い圧が一気にかかり、水が内部に侵入するリスクがあります。リューズがねじこみ式の時計は、正しくロックされていないと防水性が効果を発揮しないので注意しましょう。

アンティークやヴィンテージの時計は現行品よりオーバーホールの回数を多く行う

機会式と時計のピンクの石 分解

機械式時計には手巻き式、自動巻き式がありますが、いずれも定期的なオーバーホールが必要です。オーバーホールとは、時計を分解して内部の点検・調整・掃除などを行う専門のお手入れのことで、摩耗した部品や劣化した箇所があれば新しいものに交換も行います。オーバーホールの目的は時計の内部機構(ムーブメント)を良い状態にキープすることです。

オーバーホールは定期的に行うものですが、頻度としては現行品は4,5年に一度と考えられています。そして、アンティークやヴィンテージの時計は2~3年に一度が推奨されています。古い時計ほどオーバーホールを行う頻度を高くする理由は、使用期間が長いぶん、時計に摩耗が発生している可能性が高くなっていることです。

定期的な点検をこまめに行っていれば、不具合があっても小さなうちに手当てをすることができます。反対に、オーバーホールを行う期間が長くなればなるほど、時計内部の疲弊は蓄積して大きな修理の必要が出てきやすくなるので注意です。

エルメスの公式サービスでアンティーク時計の修理やオーバーホールをしてもらう方法

エルメスのロゴ

エルメスはエルメス ブティックまたはラ・モントル・エルメス社公認の取り扱い店での定期的な点検を推奨しています。

エルメスのレザーストラップは、素材本来の美しさを維持するために、できるだけ自然な仕上げになっています。保護加工は最小限にとどめているため、使い込むほどにオリジナルの風合いを楽しめるようになります。ただしレザーは水分や湿度に弱い性質があるので、汗や湿気、水、摩擦により摩耗が進みやすくなる点に気をつけましょう。エルメスのウォッチベルトは独自の規格で、エルメスの時計にしかつけられません。ベルト交換はエルメスの公式サービスで新たに購入するか、時計修理専門店が持っているエルメスのベルトを選ぶといいでしょう。

また、オーバーホールを行いたいと思った場合は、まずはオンラインまたは近くのエルメス ブティックに問い合わせてみましょう。

ただし注意点として、アンティークやヴィンテージの時計の場合、交換用の部品など必要なパーツの製造がすでに終了してしまっているためにメーカーでは修理できないケースがあることです。

時計メーカー各社では部品の保有期間が決まっています。

例えばロレックスは25年、グランドセイコーとブライトリングは10年、セイコーは7年というように、ブランドによって保有期間の長さは異なります。

交換部品の保有期限が切れてしまい、メーカーで修理ができなくなった場合の対応は?

アンティークセイコーとオメガクォーツ

上記のように、補修用の部品が製造終了してしまっていると、せっかくメーカーに依頼をしてもオーバーホールや修理をしてもらうことができないケースがあります。

もし摩耗・劣化してしまった部品をそのまま時計の中に入れっぱなしにしているとどうなるのでしょうか?サビなどが発生して、無事だった部品まで侵食したり、機能がどんどん使えなくなってくゆくなど、故障の度合いが重くなっていってしまいます。オーバーホールはそうした不具合を早く見つけて元のように整える大事なメンテナンスです。

アンティークやヴィンテージのエルメスの時計はどこで修理やオーバーホールをするの?

時計職人指サックをしてBERGEONベルジョンの機械代で油の注油

補修用部品の保有期間が過ぎてしまった場合、エルメスのアンティークやヴィンテージの時計はもう修理することはできないのでしょうか?

実は、解決策があります。自社で旋盤を用いて新たに部品を製作できる時計修理専門店なら、エルメスの製造終了した部品に替わる適切なパーツをつくってもらえるのです。

あるいは、まだ店に在庫としてエルメスの時計のパーツを保有している店舗もあるでしょう。

こうした専門店であれば、エルメスのアンティークやヴィンテージの時計が壊れてしまっても、また元のように修理してもらえることが多くあります。

部品を制作できない修理専門店も数多くある

腕時計のパーツ

ただし注意すべきポイントとして、「時計修理専門店なら、どこであれ部品を製造することができるというわけではない」ことを理解しておくことが大事です。

時計修理専門店で取り扱っている修理の一般的な内容は、メンテナンスと部品の交換です。現行品の時計など、市場で出回っており手に入りやすい部品を持つモデルならすぐに対応してもらえるでしょう。しかし、アンティークやヴィンテージのエルメスウォッチは、部品の流通量も少ないです。壊れた時計を持ち込んで調べてもらっても、「やっぱり直せません」ということになったら悲しいですね。

部品を自社で製作できるお店をあらかじめ見つけることができれば、心配ありませんよね。次の章では、そうした時計修理専門店を見つける方法をご紹介します。

エルメスのアンティーク・ヴィンテージ時計の修理またはオーバーホールを行なっている、おすすめの専門店

こちらの記事に、おすすめの時計修理専門店をまとめています。

時計のオーバーホール本当におすすめの3つの修理店

この中でも特におすすめしたいのは「クラフトワーカーズ」です。

クラフトワーカーズは、全国の腕利きの時計職人さんを紹介する総合サイトです。一人一人と直接交渉し、技能とサービスのレベルの高い職人さんを選りすぐっているところが特徴です。

オーバーホールの依頼を出した際に「製造終了のパーツがあっても、旋盤で自社製造できるため、部品の交換といった大幅な修理も可能です」という職人さんも何人も登録している優良サイトです。

纏めて見積もりをとり、比較できる

「クラフトワーカーズ」の利用の仕方は簡単です。クラフトワーカーズのサイトに基本的な情報(時計のモデルなどの詳細、針の状態や購入年数、オーバーホールを最後に行ったのはいつか、そして故障の内容は何かなど)を入力していきます。

すると、職人さんたちから値段や納期の連絡が一括で届きます。ご自分の希望に合った見積金額や納期、さらに過去のお客さんたちからのレビューなどを一気に比較して選ぶことができます。

クラフトワーカーズ職人

依頼したい職人さんが決まったら、さっそく連絡をとりましょう。時計を郵送するための梱包キットが届きますので、職時計を配送してください(※送料無料)。

職人さんが実際に時計の実物を手に取って調べてみてから、見積金額や納期が明確に決定します。内容に納得がいったら、正式な依頼を出しましょう。時計を送ってから正式な見積りが出るまではすべて無料です。なお、修理後の時計の返送は代金引換となります。

また、クラフトワーカーズでは、修理やオーバーホール後に1年間の品質保証がついている点もポイントです

sendクラフトワーカーズ公式ページ

Share

この記事が役にたてばシェアして下さいpublic

Tag

Comment

コメントを残す

* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。
メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。

CAPTCHA


前の記事
次の記事

カテゴリー

Tag

同じカテゴリの記事