オメガ・プラネットオーシャンは深度600Mまでの高い防水性を誇るダイバーズウォッチです。このモデルはプロダイバーからビジネスパーソンまで使える時計として人気になっています。この時計をメンテナンスに出す際、正規メンテナンスを選ぶ人が多いでしょう。正規メンテナンス費用はどの位なのでしょう?
正式名商、オメガ・しマスタープラネットオーシャンの歴史は2005年にグッドプラネット財団の海洋保護を訴える活動に対し、オメガがオマージュを捧げるかたちで発表したダイバーズウォッチです。
カラフルなケースとベゼルが特徴で、さまざまなバリエーションのモデルが用意されています。これまでにあまり見られないオレンジカラーのセラミックベゼルやチタン製のケースなど、新素材を積極的に採用したモデルです。
またオメガが元祖であるNATOストラップモデルも用意され、オンオフに合わせてストラップやブレスレットを変える楽しみが、味わえます。
特徴としてはケース厚が1.6㎜と肉厚で、タフな外観です。重量もブレスレットタイプで195gとかなり重く感じます。僕もブティックで試着したことがありますが、とても重く分厚い時計で、同じシーマスターだと、ダイバー300Mの方が好みです。
ムーブメント | スティール | 貴金属 |
クォーツ(クロノグラフ以外) | 51,700円 | 63,800円 |
クォーツ(クロノグラフ) | 57,200円 | 80,300円 |
機械式(クロノグラフ以外) | 63,800円 | 74,800円 |
機械式(クロノグラフ) | 85,800円 | 108,900円 |
表-1 オメガ正規メンテナンスコンプリートサービス価格表
さて、プラネットオーシャンの正規メンテナンスの料金はオメガのHPによるとクロノグラフ以外のスティールウォッチで63,800円(表1参照)となっています。貴金属製のケース(除くチタン、セラミック)は74,800円です。またクロノグラフモデルだと85,800円、貴金属製ケースだと108,900円となります。
オメガのメンテナンスは「コンプリートサービス」と呼び、部品交換代金も全て含むサービスが特徴です。そのためメンテナンスに出しても追加料金を気にする必要がありません。
一見すると合理的ですが、オメガは2018年7月以降に購入した製品は、全てメーカー保証を5年まで延長されています。
これは部品個々の耐久性が上がっていることの裏付けです。メーカーも様々な自社内のデーターを解析して、部品交換となるメンテナンスも明らかに減少していると推測できます。
前述したように、正規メンテナンスは費用が最低でも63,800円と高額です。高額になる大きな理由は正規店で受託後、メーカーのサービスセンターに届けるため、中間マージン①が発生します。
このようなメンテナンスの受託をリテイラーで集約する旧来の手法は、流通網が現代のように発展していなかった時代の名残(悪しき習慣?)でしょう。なぜこの様な非効率は流通体系が残っているのでしょう?これは想像ですが、これまで売上に貢献してくれたリテイラー(デパートや名門店)に対する「しがらみ」と思われます。
また正規メンテナンスが高額になるもうひとつの理由として、正規メンテナンスでは受託状況や修理内容によって、メンテナンス専門業者に外部委託②することも挙げられます。
①と②の理由で正規メンテナンスは高額になるのでしょう。
では次にメンテナンス専門業者に直接オーダーした場合の料金を調べてみます。
一般的なメンテナンス専門業者に作業を依頼する場合費用は「作業料金」プラス、「部品代」が基本的な料金システムです。
ムーブメント | スティール | 貴金属 | |
機械式 | クロノグラフ以外 | 35,000円 | 35,000円 |
機械式 | クロノグラフ搭載 | 45,000円 | 45,000円 |
クォーツ | クロノグラフ以外 | 25,000円 | 40,000円 |
クォーツ | クロノグラフ搭載 | 35,000円 | 40,000円 |
修理専門業者A社のオメガプラネットオーシャンの料金表
A社はネットで検索すると上位検索される業者のひとつです。シーマスタープラネットオーシャンの場合だと、オーバーホール(OH)で部品交換なしでは35,000円からとなっています。現行モデルはクロノグラフ搭載モデルもあり、それだと45,000円からです。
ケースの材質による割り増しは無く、あくまで工数の差と部品代が掛かれば別途料金として加算されます。では実際にOHで部品交換はどんな部品の交換が一番多いか調べてみました。
OHで圧倒的に多い交換作業はパッキンと潤滑油の注油です。その他に時計専門誌「クロノス」WEB版の記述では、機械式時計の場合故障で持ち込まれる修理内容は「磁気帯び」が圧倒的に多いとの記述があります。
ただプラネットオーシャンの場合、2018年以降発売のモデルはほぼ全てマスタークロノメーターモデルです。
そのため磁気帯びは「ほぼ心配無い」と考えて良いでしょう。そうなるとOHで、パッキン交換は考慮する必要があります。通常、作業・防水検査料金も含めて1000円前後で交換は可能です。
プラネットオーシャンのメンテナンスを先ほどのA社へ依頼し、パッキン交換が1箇所あっても36,000円、クロノグラフモデルでも45,000円で済みます。
正規メンテナンス費用63,800円、クロノグラフモデル85,800円との差額はそれぞれ27,800円、39,800円に及びます。
部品の耐久性が上がり、消耗品以外交換の無い最近のOHで、部品代の「追加料金は不要」と言うオメガの正規メンテナンスサービスはメンテナンス専門業者との費用差額を算出した限り、明らかに割高な印象を受けます。
さて、費用も高額な正規メンテナンスは保証期間内におけるメーカー責任の修理以外はメーカーへ修理に出す必要はほとんど無いでしょう。そこで実際の修理専門業者はどのような営業形態なのでしょう?
大きく3つの形態に分類して紹介します。
僕が住んでいる関西だと、地下街や商店街に店舗を構えています。原則時計は自身で店舗まで持ち込み、メンテナンスが完了した場合も店舗まで行き、引き取る必要があります。
魅力は都心部の業者だと通勤途上や買物で立ち寄れる、利便性です。ただ、店舗家賃が高いため、作業料金は高めです。
地方にある店舗専業型業者は物価も安く、良心的な料金設定ができますが、都心部の人がわざわざ行くとなると相当高いスキルを持った職人さんが在籍していなければ行く事は無いでしょう。また店舗に持ち込む時の交通費も必要です。
店舗を構えて、それ以外にネットでの受託と宅配便を使った時計の持ち込みや修理済み製品の配送を行っている業者です。
①の店舗専業型との違いは店舗まで行くことのできない依頼者でも、宅配便を使い商品の持ち込みと修理済み製品の発送を行うことができます。
メンテナンス費用は①の業態が基本となっているため、店舗専業型と全く変わりません。
ネット専業型業者は全てウェブによって申し込み、作業工房までの製品配送業者手配もウェブで完結できる業者です。魅力はウェブフォームにて自分の都合で申し込み、業者とのやり取りもウェブ又はメールにてできます。そして最大の魅力は料金が割安である事です。
これは直接オーダーできることで中間マージンも無く、店舗も不要で無駄の無い料金が実現できます。しかし、唯一気になる点は全てネットでの受託のため工房や時計職人さんの雰囲気を自分の目で見れない事です。
数あるネット専業型のメンテナンス業者さんの中で僕がおすすめするのがクラフトワーカーズです。クラフトワーカーズでは登録している時計職人さんの「顔写真」、「資格一覧」、「経歴」がわかります。
1.最大の特徴は所属している時計職人さんの中から、依頼する職人さんを依頼者自ら「指名」できる点です。
2.「一括見積」というシステムも用意されていて、どの職人さんが良いか判断できない人は見積内容を見てから、職人さんを指名できます。
このようにクラフトワーカーズは依頼者自ら決めた時計職人さんへ直接メンテナンスを依頼できます。ちょうど美容室でお気に入りの美容師さんを指名する感覚ですね。
クラフトワーカーズは実際に作業する時計職人さんとダイレクトにやり取りができます。時計の調子が良くない箇所を時計職人さんへ詳細に説明できます。また作業後1年間保証も付きます。
他店では作業後半年間というところがほとんど。これはそれだけ、時計職人さんのスキルが高い証なのでしょう。
ぜひ一度問い合わせしてみてください。
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