オメガ・シーマスターダイバー300Mはシーマスターの中で、最も人気あるダイバーズウォッチです。今日はシーマスターダイバー300Mのメンテナンス料金を修理工房と正規で、値段の価格差を比較して紹介します。さて、どちらでメンテナンスを行うのが良いのか、検討してください。
シーマスターダイバー300Mはシーマスターシリーズの中でもアイコニックゆえ、ダイバーズウォッチのエントリーモデルとしてチョイスする人も多いでしょう。ダイバーズウォッチと言えば真っ先に思い浮かぶモデルで、実際、僕もよく見ます。
世界的人気スパイ映画、「007/ノータイムトゥダイ」では主人公のダニエル・グレイグ扮するジェームズ・ボンドが、このシーマスター・ダイバー300Mをスクリーンの中で装着しています。
人気の理由は映画、そして優れたデザインとそれに負けない高い耐久性にもある、と僕は考えます。
現行モデルは2018年にマイナーチェンジしたモデルです。まずセラミックベゼル採用によって耐久性が各段にアップしています。これまでのステンレス製ベゼルはどうしても擦れ、焼けで、目盛りが見えにくくなり、年月と共に潜水時間の測定が困難になることがよくありました。
しかし、このセラミックベゼル採用により、擦れを防止して読み取りを良くしています。それに伴い時計本来の美しさも長期間維持できるようになりました。同じくダイアルにもセラミックを採用し、レザー加工された波模様でより滑らかな曲線に仕上がり、インデックスも立体感をアップさせたことで、文字盤全体の視認性が大幅にアップしています。
それだけではありません。カラーバリエーションも増え、ミッドタウンで働くビジネスマンでも使えるスタイリッシュかつセンス溢れるモデル、よりスポーティーに見せるマッチョなモデルまで、幅広い選択肢もこのシーマスター・ダイバー300Mの魅力です。
またヘリウムエスケープバルブを標準化、飽和潜水作業における使用も可能にしています。
このようにファッション性に優れたデザイン+プロ・ダイバーが必要とする過酷な要求にも応えられる、本格的なダイバーズウォッチにスケールアップし、価格も抑えています。この事が多くの時計ファンから受け入れられている、理由なのでしょう。
さて、オメガ・シーマスターダイバー300Mの正規メンテナンス料金はどの位なのでしょう。オメガの正規メンテナンス作業は「コンプリート・メンテナンスサービス」と呼ばれ、摩耗した部品の交換代金から作業料金「全てパック」になったサービスが特徴です。金額は以下の料金になっています。
キャリパーの種類 | スティール | 非スティール |
非クロノ・クォーツ | 51,700円 | 63,800円 |
非クロノ・機械式 | 63,800円 | 74,800円 |
クロノ・クォーツ | 57,200円 | 80,300円 |
クロノ・機械式 | 80,300円 | 108,900円 |
現行モデルで標準的なステンレス製の機械式時計(メカニカル)では料金が63,800円も必要です。
一見すると部品代込みで、「お得感」もしますが、そもそも購入して2,3年のオーバーホールで、部品交換する事例は多くありません。
その証拠にオメガは2018年7月以降のメーカー保証を従来の2年から5年に延長しています。
これは僕の個人的意見ですが、オメガ社は修理実績を分析して、「全メンテナンス作業の中で部品交換は減少傾向にある」と結論づけていると思われます。その上で時計の保障期間を延長させ、部品代込みのコンプリート・メンテナンスサービスを提供しているはずです。
「メーカー保証の延長」=(イコール)部品交換は「極めて稀!」とオメガは結論づけている、と僕は感じます。
さて皆さんはオメガのダイバー300Mといった時計のオーバーホールではブランドへの安心感から「正規メンテナンス」が「当たり前」と思っているでしょう。
一般的な「時計修理工房」と「正規」とで、技術レベルに「違い」はあるのでしょうか?
結論から言いますと、どちらも変わりません。
メーカーでも修理工房でも日本国内の場合、時計修理技能士(国家資格)かそれに準ずる資格(スイスやメーカーでのトレーニングコース修了者)修得者が作業を行います。
もし修理工房に任せる際、時計職人さんのスキルを心配される人は、これら保有資格者が作業するかを事前にチェックしてください。たぶん心配は稀有に終ります。
修理工房のメンテナンス料金は正規メンテナンスよりリーズナブルな金額で作業ができます。下に代表的な修理工房の料金表を掲示します。
キャリパーの種類 | スティール | 非スティール |
非クロノ・クォーツ | 27,500円 | 27,500円 |
非クロノ・機械式 | 35,000円 | 35,000円 |
クロノ・クォーツ | 38,500円 | 38,500円 |
クロノ・機械式 | 44,000円 | 44,000円 |
差額は前述した正規メンテナンス料金と比較すると差額で、28,800円に上ります。この差額を部品代へ充当するには少し無理があります。ではなぜ、こんなに差が生じるのでしょう?実は正規メンテナンスだと中間マージンが発生、その事で金額が高くなるのです。
正規メンテナンスの場合、デパートなど正規小売店で受託させます。そのため、それら小売店への中間マージン(手数料)が当然発生します。
それだけではありません。実は正規店では受託した製品の全てをメーカーで作業している訳ではありません。一部の製品は修理工房へ外注します。この場合も正規メンテナンス料金はコンプリートサービスと同じ金額です。
ということは外注することで修理工房と正規メンテナンスとの差額(28,800円)は全て、メーカーの利益になります。もしくは外注なのでそれ以上かも知れません。
さてコストも良く、時計師のスキルもメーカーと変わらない時計修理工房を選ぶポイントとして、どんなところに着目して修理工房を選べば良いのでしょう?
まず注意する点は作業後の「保証期間」です。通常メーカーのメンテナンスではオメガの場合、メンテナンス後2年間の保証が謳われています。それに対して時計工房の保証期間は修理工房によってマチマチで、修理後、半年の保証という修理工房が圧倒的に多いです。しかし、作業終了後1年間の保証期間がある修理工房を選ぶようにしてください。
当然半年より1年間の保証期間がある修理工房の方が、作業品質に自信を持っている証であり、依頼者目線で考えた時も絶対に安心です。
次に重要な事は「作業内容を相談できる」、修理工房かどうかです。稀にですが、依頼者が希望しない作業を行う修理工房もゼロではありません。そのため初めて依頼する修理工房では受託前に必ず「作業内容を相談できるか?」聞くようにしてください。
これら2点は最低限チェックしておきましょう。
さて、シーマスターダイバー300Ⅿのメンテナンスを正規メンテナンス以外の修理工房に任せる時、具体的にどの修理工房へ依頼すれば良いのでしょう?
リーズナブルな受託形態、メンテナンス後の保証期間が1年あり、スキルの高い時計師が作業してくれる修理工房として、僕はクラフトワーカーズをおすすめします。
クラフトワーカーズはWEBから申し込むことができ、修理工房まで製品を持ち込む事無く、メンテナンスが可能です。全国各地、送料無料で対応でき、自宅周辺に時計修理工房が無い人でも依頼できます。
そして最大の特徴は作業依頼する時計職人さんを指名できる点です。依頼者自ら時計職人さんのプロフィールを見て、これまでの実績や修理金額を比較して依頼できます。
これによって、これまでの時計工房でよく見られた、「誰が作業するかわからない不安」を解消、顔の見える作業を実現して安心したメンテナンスを任す事ができます。
オメガシーマスターダイバー300Mのような時計の場合、これまでほとんどの人は「メーカーに任せると無難」と思い込み、正規メンテナンスへ依頼していたでしょう。しかし、正規メンテナンスと修理工房で差は無く「メーカー保証」が付くだけの違いです。
「万が一の時、メーカー保証の方が安心」というのは根拠が無く、メーカー保証も摩耗や消耗による保証対象外とオメガのHPに謳われています。
正規メンテナンスと時計修理工房の作業内容をしっかりと見極め、質の高い修理工房へシーマスターダイバー300Mをメンテナンスに出してください。
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