コマが繋がっている金属ベルトは一見全て同じように見えますが、いくつかの種類があります。ベルトの調節方法は種類によって異なります。
今回はピンで止まっているタイプのCリング式のベルトと割りピン式の調節方法をお伝えします。
金属ベルトを断面からみて、コマに穴が空いてるタイプはピンで止まっている金属ベルトになるので今回紹介する方法でコマ詰めをして調節ができます。
装着感は人それぞれなのでベルトの長さは特に決まっていませんが、ベルトを傷めないという視点からいえば時計をゆったりめでつけるた方が好ましいです。
時計と手首がしっかりと密着していると、皮脂や汗がベルトにつく機会が多くなります。メタルベルトの場合は、ピンの穴や細かな隙間に汚れが溜まりやすくなります。
皮脂や汗はサビの原因になりますので、ベルトの長さは少し余裕をみて汗や汚れが付きづらいらいサイズにするのが良いとされています。
ベルトをつけてみて指が一本入る程度にコマを調節すると良いと言いです。
Cリングと割りピンのベルトにはピン抜き棒と固定台とハンマーが必要です。
このセットで1000円掛からなかった気がします。ちなみにピン抜き棒はサイズ別の物が3本入っていました。
時計本体とベルトがついた状態だとコマ調節がしずらいので、ここではバネ棒をはずしベルトだけにしています。
ベルトの詳しい外し方はこちらの記事時計のベルトの外し方や付け方は?自分で交換はできるの?でご確認ください。
Cリングのベルトと、割りピンのベルトは見極めが難しいです。
Cリングの場合は上下のピンの頭が○になっていますが、割れピンの場合は片方だけがФの形になっています。
上の写真は割りピンです。割りピンはヘアピンのように一本のピンを曲げた作りをしているので、一方の頭はФのような形に見えます。
どちらか一方の先端が別れていれば割りピンです。
割れピンは上から見るとマイナスのネジのように見えます。
ここでは紹介していませんが、金属ベルトの中にはマイナスネジでコマが止まっている物もあるのでご注意下さい。
一般的な価格帯の物には割りピンがつかわれていますが20万円、30万円と高額な時計にはネジ式がつかわれている事がありますので注意してください。
Cリングの時計はピン抜き棒のサイズに注意が必要です。
Cリングはリングの中に棒を差し込み、Cを広げ固定する作りになるので、太いピン抜き棒を使うとCリングとピン抜き棒が固定されてしまい抜けなくなる事があります。
さっそくピンを抜いて時計のコマを外したいところですが、全てのコマが外れるる訳ではありません。
ベルト裏側をみると矢印が書いてあります。矢印が書いてあるコマのみピンを抜いて調節ができます。
矢印方向にピンを押し出します。
矢印方向が下を向いているのを確認して、固定台にベルトを挟みバイスを閉めます。
上からハンマーで叩くとピンが抜けます。この時一気に抜こうとはせず少しずつ叩きながら抜きましょう。
何年もメンテンスしていない金属ベルトだと皮脂や埃が穴に詰まっていて、なかなかピンが動きませんが、コツコツと分けて叩いているうちにゆっくり抜けます。
ピンが抜けると一緒にCリングも一緒に外れます。
Cリングは鼻息で吹き飛ぶほど小さいので、紛失には注意しましょう。
Cリングが無いとピンが固定できなくスカスカになってしまいます。
ベルトのコマを縮める為に2本のピンをぬきます。今回は1コマだけ抜いてます。
Cリングをセットします。
Cリングを差し込む穴は上下で直径が異なります。必ず穴の直径が大きい方から差し込んでください。
ピンを抜く時は矢印方向へ抜きましたが、ピンを入れる時は逆から差し込みます。抜いた方向とは逆から入れる事になります。
最初は金属面のハンマーで叩き、残りはハンマー裏側のゴム面で叩きました。(ベルトに叩いた傷がつく可能性があるので)
ピンを叩いてコマとピン平になったら最後にピン抜き棒で、少しだけピンを推しこんで終了です。
今後、ベルトのコマを増やす可能性もあるので外したコマとピンは、無くさないように保管しておいてください。
以上の事を要注意しながらコマの調節を行なってください。
割れピンもCリング同様にベルトの裏に矢印が彫ってあります。
割れピンを抜く場合も矢印の方向からピン抜き棒を刺してハンマーで叩いてあげます。
割れピンベルトを抜く時も、一気にに抜こうとはせず少しずつ叩きながら抜いてください。
割れピンを見ていただくと分かりますが結構汚れていますよね。こういった汚れは油や皮脂がついてしまっているので綺麗に拭き取って掃除してあげましょう。
油や皮脂がそのままになっていると、ピンが少しずつ錆びてしまいます。そのままほおっておくと、錆びが固着してピンが抜けなくなるという事があります。
割れピンが入る穴も同様に汚れが溜まっています。ここでは歯間ブラシを使って掃除しました。
割れピンを戻す際は矢印とは逆方向から刺します。この時折り曲がっている方からさす事もお忘れなく。
割れピンはある程度までスッとはいりますので、入りにくくなってからゴム面のハンマーで叩いてあげます。
最後にピン抜き棒で少し押し込んであげて終了です。
上でも書きましたが、割りピンの一方の断面はマイナスネジのようにみえます。
高額な金属ベルトの中にはマイナスネジを使って、コマを止めている物もありますので注意してください。
ピンを抜いてベルトを調整する方法は以上ですが、 何年もメンテナスしていない時計だと、ピンの穴から汗や汚れが入って錆びついて固着している事もあります。
固着まではいきませんでしたが、今回のCリングのベルトも割れピンのベルトもだいぶ汚れていました。
ピン抜く方向は正しいのに抜けない場合は無理に作業はしないで、修理専門店でみてもらう事をおすすめします。
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