歴史ある腕時計はスイスとドイツの2つの国が優れていることで有名ですが、アメリカも古くから機械式腕時計の製作には取り組んでおり、スイス・ドイツと同じくらいの歴史を持ったブランドも存在します。
有名なところではハミルトン等が世界的に知名度が高いですが、このブローバも長い歴史を誇る腕時計ブランドです。
アメリカの腕時計の歴史がスイスやドイツと異なるところは、スイス・ドイツに関しては創業当初から機械式時計を製作することからスタートしているブランドがほとんどなのに対して、アメリカでは鉄道や宝飾店など異業種からの参入が目立ち、アメリカの工業技術の発展と共に腕時計の技術も成熟していった側面があります。
宝飾店からスタートしたこちらもアメリカの有名腕時計ブランドブローバもそういった側面を持ったブランドです。
ブローバの歴史は1875年にさかのぼり、創設者ジョセフ・ブローバがニューヨーク・マンハッタンに宝飾店J・ブローバを開いたことが起源になっています。その後1900年代に入り満を持して懐中時計の販売を開始、これが大きな反響を得たことでブローバは高級腕時計の製造へ舵を切ります。
1923年、社名をブローバ・ウォッチ・カンパニーへ変更し、本格的な腕時計の生産ヘ乗り出したブローバは当時としては画期的なラジオ広告を展開し、名パイロット、リンドバーグのニックネームを冠した腕時計ローンイーグルを1927年に発表、ベストセラーとなり、これ以降ブローバはアメリカ随一の高級腕時計ブランドとして発展を続け、現在も刺激的な腕時計を発表しています。
そしてブローバの名前を決定的なものにしたのは1960年に発表した世界初の音叉式電波時計アキュトロンを発表、その高い精度が世界から評価され、アメリカ大統領専用機エアフォースワンの公式時計に採用され、トレードマークの音叉のマークは現在も健在でブローバの腕時計達に刻まれています。
1970年にはアメリカ初のクォーツ式腕時計アキュクォーツを開発、機械式腕時計との両輪生産が始まり更に多方面へと発展を遂げていきます。
現在のブローバコレクションは曲面式のムーブメントに挑んだCURV、機械式腕時計として究極のダイバーズウォッチを目指したMARINE STAR、そしてブローバのクォーツ技術の最先端を行くPrecisionist等、斬新で高性能な腕時計コレクションがブローバを支えています。
どんなに高価で品質が高く、高性能な高級腕時計でもメンテナンスを怠ったまま使い続ければ腕時計自体の寿命を縮めることになり、様々な故障やトラブルの原因になります。
少なくても3~5年の間にオーバーホールを行うことは必須となり、正規代理店でも購入後3~5年に一度はオーバーホールを行うことを推奨しています。
なぜオーバーホールが腕時計にとって重要なのかですが、機械式腕時計は複雑に精巧で小さな部品がかみ合って時間を刻んでいます。
そのためある程度の期間使用していると部品の潤滑油や歯車などの部分が磨耗してしまい、最悪部品の交換などが必要になる場合がありますので、定期的に内部の部品を点検することは機械式腕時計にとって宿命ともいえます。
では正規カスタマーサービスにブローバのオーバーホールを依頼すると一体料金はどのくらいかかるのでしょうか。
この場合重要なことは正規代理店で購入したものに関しては正規カスタマーサービスにオーバーホールを依頼することが一番望ましいといえます。
正規カスタマーサービスならば熟練した修理専門スタッフがオーバーホールを手掛けてくれるので信頼度が高いことと、何といっても製造元なのでもし部品交換が生じた場合には必ず純正部品が使用されることになりますので、長く腕時計を使いたいのであればそのメリットは物凄く高いといえますので、正規カスタマーサービスに依頼するのが最も得策となります。
ではブローバの正規カスタマーサービスにオーバーホールを依頼したときのオーバーホール料金について見てみましょう。
駆動方式 | オーバーホール料金 |
---|---|
クォーツ式 | 23,000円~ |
クォーツ式クロノグラフ | 45,000円~ |
手巻式・自動巻き | 30,000円~ |
自動巻きクロノグラフ | 60,000円~ |
これはあくまでオーバーホールのみにかかる料金になっており、もし部品交換などが生じた場合には別途料金がかかってきます。
正規カスタマーサービスで修理やオーバーホールを受けることの大きなメリットは作業を手がけるのが熟練したブローバ専門スタッフによって行われること、更に部品交換が必要になったときには必ず純正部品を使用して作業が行われることで、圧倒的な信頼感はやはり製造元のカスタマーならではのものといえるでしょう。
さらに正規カスタマーサービスにオーバーホールや修理を依頼した場合、きちんと後々のアフターフォローがしっかり充実していることが挙げられます。
万が一の事態が起こった場合に問い合わせ先がしっかり確認できることは何よりも大きな安心につながります。ですので正規代理店の説明は正規カスタマーサービスを必ず通してメンテナンスに出すよう、アナウンスがされています。
逆にデメリットとしては並行輸入で購入したものや海外仕様のものは修理を断られる場合があることと、それ以外に高価な修理料金の設定にあります。ブローバに関していうと他の海外高級ブランドよりは良心的といえますが、それでも高価である印象は否めません。また、モデルがあまりにも古い場合は海外送りの修理になることもあるので納期が長くなりがちなのも特徴の一つといえます。
ではブローバの腕時計を正規カスタマー以外の修理店にオーバーホール依頼した場合、一体どのくらいの料金がかかるのか、またメリット・デメリットが気になるところでしょう。
特に並行輸入でブローバの腕時計を購入した人の場合には正規カスタマーサービスでの修理を断られる場合が多いので、大きなポイントになってくる点になります。
ではどこに修理を依頼することになるかというと腕時計修理専門店に依頼するのが一般的な方法になりますが、料金はどのくらいの相場になるかというと、クォーツ式で23,000円~、クロノグラフで31,000円~、手巻き式・自動巻きで29,000円~、クロノグラフで39,000円~といった相場になっています。
特にクロノグラフになると料金は安価になっていますのでお得な面はあります。
しかし通常の腕時計修理専門店にオーバーホールを依頼する場合にはデメリットもありますので注意が必要です。
まず純正部品を使った修理が受けられる可能性が非常に低くなることや、修理やオーバーホールの仕上がりが依頼する技術者しだいで開きが出てしまうことなどがデメリットとして挙げられます。
1級時計修理技能士の資格を有している技術士の場合でも資格イコール技術力とはならないので、依頼する技術士の修理担当暦やどのくらいの種類の腕時計に精通しているかも問われる面になってきますのでそういった点も考慮して依頼しなくてはなりません。
では腕時計修理専門店にオーバーホールを依頼する際にはどのような店に注意して修理専門店を見極めたらよいのでしょうか。
まず1級時計修理技能士の有資格者が在籍する専門店を選ぶのは必須といえますが、できることなら実際に店舗に時計を持ち込んで見積もりを取ってもらい、技術士の方とお話をしてお店の力量を確かめるのが一番の方法です。
ですが、個人でそういった専門店と出会うのはなかなか難しいものです。
そんなときに役に立つサイトがクラフトワーカーズというサイトで、このサイトでは腕時計修理技術士の修理担当暦や取得資格、所属会社等が明記されているので、自分で納得した技術士の方に依頼をすることができるので、安心してオーバーホールに時計を預けることができます。
また在籍している職人全員に一括見積もりも可能です。こちらの記事の最後で紹介していますので、是非参考にしてみてください。
正規カスタマーサービス以外の腕時計修理専門店にオーバーホールを依頼する際には、信頼の置ける優秀な技術を持った修理技術士に任せることが重要です。
是非この機会に優秀な技術士との出会いを見つけてください。
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