カルティエの長い歴史の中で多くの名作と呼ばれる腕時計たちがこの世に送り出されてきましたが、どのモデルも圧倒的な存在感を持って世の女性たちの腕を彩り続けました。
名作と呼ばれる腕時計はどれもが古くから誕生しているモデルが多く、1912年に誕生したベニュワールもその流れを汲んだ腕時計といえます。
ベニュワールとはフランス語でバスタブを意味する言葉で当時のケースフォルムが西洋の浴槽に似ていたために付いた名前だといわれています。
その後現在のベースとなるフォルムが完成され現在もカルティエのメインラインコレクションとして多くの女性を虜にしています。
ベニュワールは自由な発想でケースデザインにバリエーションがあり多くの派生モデルが存在します。ベニュワール最大の魅力はカルティエのラインアップの中でもハイクラスモデルに属しており、ステンレスモデルが一切ラインアップされておらず18K無垢ケースのみでコレクションが形成されている珍しいモデルになります。
このこだわりは現在も続いており、ベニュワールならではの世界観を築いています。18K無垢ケースによるオーバル型の独特なケースデザインが他のモデルにはない印象を与え、さらにブルーサファイアやダイヤモンドが施されたリューズが彩りを添えています。
この基本デザインは2009年にデザインが一新されるまで変わることなく新モデルになっても基本的な部分は継承されています。一目見ただけでベニュワールと分かる普遍的な作りは現在も気品漂う名品としてカルティエのメインラインとして君臨しています。
カルティエベニュワールのようにケースに無垢素材を採用し加工が難しくデザインも含めて素材価値の高い腕時計を長く愛用するためには、定期的なメンテナンスが必要になります。特にベニュワールに使用されているムーブメントは非常に精巧な作りで薄型ですので、数年使い込んだものに関してはコンプリートケアが必要になります。ではカルティエベニュワールを正規メーカーにメンテナンスに出した場合、料金はどのくらいになるのでしょうか。
カルティエベニュワール正規コンプリートサービス料金
駆動方式 | オーバーホール料金 |
---|---|
クォーツ式 | 44,000円~ |
手巻き式 | 66,000円~ |
通常、腕時計のメンテナンスといえばオーバーホールが一般的で分解・清掃・注油・再組立て・防水検査などの作業を取るのが普通ですが、カルティエの場合には独自のコンプリートサービスという形式をとっています。
カルティエのコンプリートサービスとはムーブメントを一式交換するサービスのことを指し、コンプリートサービスとはクォーツ式・機械式にかかわらずムーブメントを新品に交換するサービスになります。
丸ごとムーブメントを総取り替えする形になりますので性能は購入時の状態になりユーザーに取ってはありがたいサービスになります。
しかしその都度最新のムーブメントに変わってしまうのでヴィンテージモデルなどの場合にはオリジナルの価値が下がってしまったり、機械式腕時計ならではのメンテナンスをしながら長く使いこむ楽しみや、腕時計の趣を大切にする人には物足りないサービスになってしまいます。
メンテナンスの内容からみればムーブメントは常に新品になりますので信頼度は高く最も安心できるサービスになります。
しかし修理・部品交換を通して愛着を持って腕時計を愛用するといった腕時計本来の楽しみを阻害しているなど否定的な意見もあります。
特にヴィンテージモデルを所有している人にとっては常に最新の部品に交換されてしまうのでオリジナルの価値を落としてしまう事もあり、賛否両論があるのが事実です。
日本製の腕時計では起こらないことですが海外ブランドの高級腕時計に関しては輸入方法に違いがあり、正規代理店経由と並行輸入の2種類が存在します。品物は全く同じものであり何ら相違があるわけではないのですが、アフターサービスに関して大きな違いが生じてきます。一般的に並行差別と呼ばれる現象ですが、一例では正規販売店を通していない品物は修理を受け付けてくれない、あるいは受付してくれても法外な料金を請求されるといった例が報告されています。
ではカルティエの場合はどうかというと基本方針として保証書があり本物であることが証明できれば並行輸入品や海外購入品の場合でも修理は正規代理店の商品と同じ待遇で受付してくれます。この辺の対応はさすがカルティエといったところで、本物でありさえすれば分け隔てなくメンテナンスを受け付けてくれるところは老舗の貫録といえるでしょう。しかし最近のカルティエは並行輸入業者には新品を卸さない方針になっているので、こういった現象は今後減ってくるものと予想されます。
カルティエベニュワールをメンテナンスする場合に方法としては正規サービスに修理専門店でも行えます。
ベニュワールを腕時計修理専門店にメンテナンス依頼した場合、修理料金はどのくらいになるのでしょうか。
カルティエベニュワール 腕時計修理専門店オーバーホール料金平均相場
駆動方式 | オーバーホール料金 |
---|---|
クォーツ式 | 24,200円~ |
手巻き式 | 27,500円~ |
修理店によって差はありますが平均相場を見るとこのような料金になっており、非常にお得な料金になっています。
腕時計修理専門店に依頼するメリットとしてはなんといってもお得な料金が挙げられます。正規サービスの半額近くでメンテナンスが済むのは大きな魅力です。
また傷んでいる部品を中心に部分的に交換してくれるのでオリジナルに近い状態で仕上げることができる点、さらに店舗によってはオリジナル部品のストックを持っている場合があるのでオリジナルの状態を再現すことが可能なところ、そして納期が迅速で通常正規サービスだと1~3ヶ月かかるところを2~3週間で仕上げる専門店もあります。納期が早いのも大きなメリットです。
しかし作業を担当するのがカルティエ専門の技能士ではないため、オーバーホールの仕上がりには技術者によって開きが出てしまうのが難点ともいえます。
腕時計修理専門店に依頼する場合には店舗の選択がとても重要になってきます。
修理専門店の依頼を考えているのであれば、腕の良い技術者へ依頼する事をおすすめします。
幸い日本には多数の腕時計修理専門店が存在しており依頼をするには事欠きません。しかしあまりに修理店の数が多すぎていったいどこに依頼したら良い結果が得られるのか悩んでいる人も多いでしょう。
そういった際には所属している技術者の取得資格を調べてみるとよいです。特に1級腕時計修理技能士は上級資格として登録されているので安心度を測る良い目安になるでしょう。
特にカルティエベニュワールは素材価値が非常に高いのでそういった腕時計を正規サービス以外の腕時計修理専門店にオーバーホール依頼するには、本当に信頼のおける技術の高い腕時計修理専門店に依頼するのがおすすめです。
その際には店舗の選択がとても大切になってきますので、情報収集を怠らずにできるだけ集めて間違いの無いように店舗の選択を行ってください。
こちらに紹介する記事では私のおすすめの修理工房をまとめています。
その中で、記事の一番最後に紹介しているクラフトワーカーズは特におすすめです。
クラフトワーカーズでは直接時計を送らなくても複数の時計修理専門店から優秀な職人さんにまとめて見積りを取り、比較して選ぶことができます。
時計を送らずに見積もりが取れるので、他社の料金と比較しても良いかもしれません。この機会に今後のメンテナンスも、この職人に依頼したいと思える人と出会うことができる良い機会です。ぜひ試してみてください。
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