オメガ・コンステレーションは1952年から発売された、オメガの人気モデルです。
クォーツ、機械式時計、レザーストラップ、ブレスレットと選択肢が多く、男女問わず楽しめることでも人気となっています。今回はコンステレーションの正規メンテナンスと専門業者との間の料金差額は、どれくらいあるのかを紹介していきます。
「オメガ・コンステレーション」はオメガのフラッグシップモデル、と言える存在です。歴史もあり、古くから自動巻クロノメーターとして精度を追求し、現在も発売当初のコンセプトを継承し製品を世に送り出しています。
コレクションとしてはアニュアルカレンダーを登載した グローブマスターとコンストレーションに分かれ、前者はオメガが初めてコーアクシャル・エスケープメントを登載したモデルとして、2014年に発表されています。
「コンステレーション」はケース横9時と3時の位置にそれぞれ2本、計4本の爪を持っていることが特徴です。この4本の爪は歴代モデルに今も継承されています。
またケースとラグが一体化したラグスポ風の外観も爪同様に魅力です。前述の4本の爪とブレスレットは1950年代から細部を改良し、年を追う毎に熟成されています。さらに外観だけでは無く、ムーブメント精度の追求も怠っていません。
それだけに購入後の定期的メンテナンスは大切です。
メンテナンスは「メーカー」が作業するものと、「メンテナンス専門業者」による作業に大きく分かれます。まず正規メンテナンスから説明します。
オメガ社の正規メンテナンス料金は表の通りです。料金は「ケース素材」「ムーブメントの駆動方法」で異なります。そしていちばんの特徴は作業料金に「部品代」が含まれている事です。
クロノグラフ | キャリバー | スティールC | 貴金属C |
非搭載 | クォーツ | 51,700円 | 63,800円 |
非搭載 | 機械式 | 63,800円 | 74,800円 |
搭載 | クォーツ | 57,200円 | 80,300円 |
搭載 | 機械式 | 85,800円 | 108,900円 |
クロノグラフモデルは無いので、上段の2欄を参考にすると良いでしょう。金額は上限でメカニカル貴金属製ケースで74,800円、下限はクォーツのステンレス製ケースで、51,700円になります。
クォーツ時計もコンステレーションは過去に多く発売されていますが、現行品では146モデル中、クォーツは8モデルだけです。そのため現行品メカニカル最低料金の63,800円から上限の74,800円までと考えた方が良いでしょう。
この金額は正規価格の約10%相当です。これが2~3年に一度掛かることになります。
次にメンテナンス専門業者の作業料金はどうなっているのでしょう。こちらの方は一般的に部品代は別途料金です。以下検索上位にランクされる「メンテナンス専門業者」の料金表を掲載します。
クロノグラフ | キャリバー | 最低価格 |
非搭載 | クォーツ | 27,500円 |
非搭載 | 機械式 | 38,500円 |
搭載 | クォーツ | 38,500円 |
搭載 | 機械式 | 44,000円 |
まずメンテナンス専門業者でのメンテナンスの利点は料金が割安であることと、メーカーでの部品が「欠品」の場合(アンティークモデル)でも修理ができることです。この料金表からわかるように正規メンテナンス料金の約半分が、作業できます。
料金だけではありません。コンステレーションは前述したように1952年から続くモデルで、これまでも何度か、モデルチェンジを繰り返して来ていますが、部品も、当然モデルチェンジしてます。
ということは、モデル毎に部品が変わり、メーカーは部品を在庫管理しておく必要あるのです。
一般的にメーカーではアンティークの部品は一定期間保有しているブランド、永久保有のブランドとの2つに分かれます。部品が無い場合、正規メンテナンスでは修理受付不可とするブランドもゼロではありません。
それに対してメンテナンス専門業者は、部品をメーカーから仕入れる場合と、時計職人さんがこれまで修理した時計で不要になった部品を中古部品として使用する事もあります。
それでも入手不可の時は、「代用部品」で充当します。オメガは高級ブランドのように部品の永久保管はしないため、これら時計職人さんの創意工夫は嬉しいですね。
これには長年培ったノウハウや職人としての高度なスキルが必要です。メンテナンス専門業者では、元々多くのブランドのメンテナンスを扱う性質上、代用部品を使うノウハウは、正規メンテナンス以上に長けています。
これらがメンテナンス専門業者を依頼する場合の大きなメリットです。
さて、なぜこんなに正規メンテナンス料金は高いのか?
ほとんど業界では正規と言われる物は高いのが一般的です。しかしその中でも時計、特にメンテナンス作業料金は前述のようにかなり割高と言えます。
いちばん大きな理由は、複雑な流通経路によって中間マージンが発生することが原因です。オメガでも直営店以外はデパートなどでの販売が多く、メンテナンスの受託窓口も必然的にそこへ製品を持込みます。
当然百貨店では持ち込んだ際の受託手数料が発生します。このことがメンテナンス費用を押し上げる大きな要因のひとつです。もう一つはメーカーが受託した製品を外注しているからです。オメガに限らず多くのブランドは作業を外注しています。
これら受託手数料と外注費の2つで、正規メンテナンス料金は割高になるのです。またメーカーが外注していることは、正規も「メンテナンス専門業者」も作業品質は変わらない事の裏付けになります。
さて、「メンテナンス専門業者」の作業は、品質面も問題が無いことがわかりました。ただ、メンテナンス専門業者もいくつかの業態があるので、簡単に説明しておきます。
メンテナンス専門業者の業態は①「店舗専業型」、②「店舗ネット並行型」、③「ネット専業型」の3つです。
①の店舗専業型は、古くからある「街の時計店」。電話での受付と来店で直接対応しています。
②の店舗ネット並行型は店舗を構えて、同時にネットでEC運営している業者です。
③のネット専業型はネットでECサイト専業を運営している業者になります。
しかし「店舗専業型」は近年減少傾向で、一部は②の「店舗ネット型」へ転換中です。また都心部に立地している①と②は家賃負担が高額であるため、相対的に作業料金は高めになります。
そこで近年は③「ネット専業型」のメンテナンス専門業者が主流です。店舗を持たない事で、よりメンテナンス作業に専念できます。更にネットでの集客ができることで、家賃が安い地方都市や郊外に工房を構えても、都市部の業者と比べ不利になりません。
店舗専業型の業者は近所に店舗があれば利用できますが、ネットでの情報が無いため、見つけるのは困難です。そう考えると、ネット対応している業者②と③の業者を探すのが現実的でしょう。
ネット時代の現代社会では時計ファンも多くの情報をネットから集められます。そのため時計ファンの情報量は豊富で、彼らを満足させられるアイディアを時計業界は求められています。
最近僕はという、利用者とメンテナンス業者さんをつなぐ新たな時計メンテナンス・プラットフォームに注目しています。実際に依頼してみたのでこちらの記事も参考にしてみてください。
主役は業者では無く、時計職人さんです。
そこでは時計職人さんは写真入り実名で登録、利用者はサイトから時計職人さんを直接指名できます。
利用者の使い方は簡単、登録された時計職人を指名→時計を発送、概算見積もり→概算金額に納得すれば作業開始という流れになります。
誰に指名するか迷った時は複数の職人さんへ一括見積もりも可能です。
利用者は一般的なメンテナンス専門業者でよくある、「誰が修理するかわからない」「比較検討したいが、近くに業者がいない」という悩みから解放されます。
オメガ・コンステレーションはオメガを代表する薄型高精度時計です。1950年代より「自動巻クロノメーター時計」を世に送り出してきています。それゆえメンテナンスでは、腕の良い時計職人さんを見つけることが重要です。
しかし、自力でメンテナンス専門業者をいくつか探すのも大変です。そんな時は今回紹介したクラフトワーカーズで一括見積もりをする事をおすすめします。
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