IWCは、米国の時計職人フロレンタイン・アリオスト・ジョーンズが1868年に設立したウォッチブランドです。ドイツ国境にほど近いスイス・シャフハウゼンに工場を構えた彼は、南北戦争後のアメリカ市場に向けて海中時計を製作するためにスイスに渡ってきました。スイス時計のクラフトマンシップとアメリカ特有の開拓精神を融合させ、またライン川の水力発電を利用して生産性をアップし、最高品質のムーブメントを製造。質実剛健なデザインと精巧な機構をあわせもつ、独自のスタイルを脈々と受け継いでいます。
現在もIWCの機械式時計は自社工場でひとつひとつ手作業で製造されています。1930年代後半には人気の「パイロット・ウォッチ」や「ポルトギーゼ」の原型となるモデルが誕生。さらに1980年代半ばに永久カレンダーが「ダ・ヴィンチ」コレクションでデビューし、さらに7年の開発期間を経て初めての「グランド・コンプリケーション」が生まれました。その後もIWCは「常に作品を進化させる」をモットーに、モデルチェンジを継続的に行ってきています。
IWCはエグゼクティブからファッション界のオピニオンリーダーまで、老若男女問わず幅広い人気を誇ります。洗練されたデザインと堅牢性、精密な機構を兼ね備えている腕時計は、アンティークやヴィンテージも人気です。適切なメンテナンスをしていれば、現行品と同じようなコンディションを保つことも可能です。そのためにも非常に大切なのがオーバーホールです。
今回はIWCのアンティークやヴィンテージの腕時計を持っている方、これから入手したいと考えている方向けに、オーバーホールとは何か、そしてオーバーホールをどこに依頼すれば良いかなどの情報をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
PR
アンティークやヴィンテージの時計は、ハイスペックを謳っている時計でも、やはり現行品と比べると取り扱いの面で気をつけなければいけない点があります。例えば耐水性や耐磁性の問題です。
年代物の腕時計は、高い防水性のものであっても、時間の経過とともにプッシュボタンやリュウズのゆるみ、ガスケットの経年劣化などが自然と起こってきます。これらのわずかな隙間から水分や湿気が内部に入り込むと、針が動かなくなってしまったり、カレンダーやストップウォッチなど時計の実用的な機能が停止してしまったりします。
注意が必要なのは雨の日や梅雨シーズンです。雨の日にアンティークの時計を身に着けて出かけたらすぐに壊れてしまったということは珍しくありません。また、屋内であっても、湿気の多い日に机の上に出しっぱなしにしているとリスクが高まります。雨や湿気が気になる日は、アンティークやヴィンテージの時計は、適切な温度と湿度のもとに管理できる専用ケースにしまっておくことをおすすめします。
また、スマートフォン、タブレット、パソコンや、スピーカー、電子レンジ、テレビなどのそばに置いておくことも避けましょう。これら強い磁気を発する家電・機器は腕時計の耐磁性に影響を与えてしまいます。内部のゼンマイの渦巻きを磁化させてしまうため、腕時計に大きな負担がかかります。長時間のデスクワークや家電を使った料理を行う際は、アンティークやヴィンテージの腕時計は外しておきましょう。
腕時計は毎日、重力や気温、湿度、衝撃などさまざまな外部環境の影響を受けています。そのため、日々の使用方法や保管状態などの積み重ねが、時計の将来的な耐久性や実用性のあり方を決定づけるのです。適切な使用方法と保管・管理の環境を整えることができれば、長期にわたって普段使いをすることができる状態を維持することも不可能ではありません。
アンティークやヴィンテージの時計は定期的なオーバーホールが重要です。メンテナンスを怠ったりずさんに取り扱ったりすれば摩耗が進んでしまいます。不具合が出てから慌てて修理に出しても、もう直せないほど劣化が進んでしまっていることも。
長く愛用するためにも、適切な使用方法・保管方法と定期的なオーバーホールの3点セットは欠かせません。ただし、自分で腕時計を分解して点検・修理を行おうとしてはいけません。腕時計は繊細な機械なので、腕時計のプロフェッショナルに必ず依頼してくださいね。
機械式・クォーツ時計のいずれであっても、オーバーホールを定期的に行う必要があります。オーバーホールとは時計を分解してメンテナンスを行う一連の作業のことで、主に内部の点検・掃除・調整が行われます。また、時計の中になにか摩耗や劣化があった場合は、部品の交換・修理を行うことも含まれます。
時計は着用しているときもそうでないときも絶えず内部機構が動き続けているので、歯車やゼンマイが摩耗したり、部品の経年劣化が起こったりするものです。そのため「そろそろオーバーホールの時期だけど、いままで時計を落としたり衝撃を与えていないし、丁寧に保管しているから、しばらくメンテナンスは不要だろう」と自己判断してしまうと、あとで大変なことになるかもしれません。
オーバーホールを行う頻度は、一般的にはクォーツ腕時計で5~6年に一度、機械式腕時計で3~5年に一度のペースで行うといいと言われています。ただし、アンティークやヴィンテージの時計はもっと頻繁にオーバーホールを行うことが推奨されています。製造から長く時間が経っているほど、一度不具合が起こると元の状態に戻すまでが困難になることが多く、また一部の故障が他のパーツにも負荷をかけてしまいやすいからです。
また、早めの段階で不具合をケアできれば、故障につながるのを防ぐことができて、修理費用も安くできます。
IWCでは正規の修理サービスとして「コンプリートサービス」を提供しています。IWCの時計技術士の手によって、丁寧に点検、精密な品質検査や診断が行われます。また、分解したパーツをひとつひとつ清掃して汚れやオイルを除去。摩耗がある部分は純正のスペアパーツに交換していきます。最後に、すべての回転部と軸受の動きをスムーズに整えていきます。
IWCの特徴は、アンティークやヴィンテージの時計もコンプリートサービスの対象になることです。ただし、他のメーカー同様、これらの修理は高額費用がかかります。
納期は4週間ほどが目安になりますが、本国からパーツを取り寄せる、あるいは本国でのメンテナンス対応となる場合は数カ月かかることもあります。
前述の通り、年代物の時計はオーバーホールを高頻度で行う必要があります。毎回、高い費用と長い納期が必要になってくるのはつらいという方もいらっしゃるでしょう。
「IWCのアンティークやヴィンテージの時計をオーバーホールをしたいけど、より割安で対応してもらうことはできない?」
年代物のIWCの腕時計を比較的安く、安心してオーバーホールしてもらうには、どこに依頼すれば良いのでしょうか。
その答えのひとつは時計修理専門店です。時計修理専門店には、町で愛されているような個人店から全国展開のチェーン店まで幅広くありますが、IWCのような人気ブランドの場合、交換用の部品をこれらの時計店で確保されていることが多いのです。
さらに、時計修理専門店の中には、旋盤を所有しているため、部品を自社製造できるというお店もあります。こうしたお店なら、時計の状態や細部をよく見てもらったうえで、最もその時計に合った部品を一から作ってもらうことができます。ただし、すべての時計修理専門店が部品製造できるわけではなないので、注意が必要です。
時計修理専門店でのオーバーホールは、メーカーの純正サービスよりも低価格で対応してもらえることがほとんどです。また、本国に送られるといったこともないので、より短納期で対応してもらえます。実力のある優秀な時計修理専門店を「時計のかかりつけ医」のように知っていれば、IWCに限らずさまざまなブランドで対応してもらえることでしょう。
続いて、おすすめの時計修理専門店をご紹介します。
おすすめの時計修理専門店をこちらの記事で紹介しています。
この中でも特におすすめなのが「クラフトワーカーズ」」という総合サイトです。「クラフトワーカーズ」は全国の腕の立つ時計職人さんを紹介するサイトですが、技術力・サービス・価格・納期のいずれにおいても自信ありだという職人さんが集結しているので、腕時計のオーバーホールや修理を依頼したいときに頼りになります。さらに、先述のような、自社保有の旋盤で一から交換用の部品を作れるという時計職人さんも紹介しています。
クラフトワーカーズは、時計職人さん一人一人と直接交渉を行って、掲載OKだという方だけを紹介している点でも安心感がありますね。
クラフトワーカーズの利用方法は簡単です。まずは公式サイトの入力フォームに基本情報を入力。内容としては、時計のモデルの詳細、購入してからの年数、故障の内容、針の状態、オーバーホールを最近受けたのはいつかといったものです。
フォームを送信すると、「ご希望に沿ったオーバーホール・修理が提案できると思います」という時計職人さんたちからオファーが届きます。クラフトワーカーズでは金額や納期の見積、過去の利用者のレビューなどをまとめて比較することができるので、ご自分の希望や予算に合いそうな職人さんにオファーの返事を出せます。
腕時計を梱包・郵送するためのセットが自宅に郵送されてきます(送料無料)ので、指示の通りに送ってください。
手元に腕時計が到着すると、職人さんは時計の摩耗、劣化、故障、汚れの具合や程度などを詳細に調べてくれたのち、最終的な金額や見積りの連絡をくれます。ここまですべて無料です。
提案内容に納得ができたら正式依頼を出しましょう。あとはオーバーホールや修理が完了するのを待つだけ。簡単ですね。
処置が終わったら腕時計が返送されてきます。この段階で料金の支払いとなりますので、代金引換で払います。IWCのアンティークやヴィンテージの腕時計のオーバーホール・修理が、正規メーカーよりもお安く、短納期でできるのは嬉しいですよね。
なお、クラフトワーカーズでは、修理やオーバーホールを行ったあと、1年間の品質保証もついているので安心です。
この記事が役にたてばシェアして下さいpublic
Comment