創業以来その優美で美しいデザインと価値ある宝石の融合で世界でも稀有といわれる優秀な宝石商として一時代を築いたカルティエですが、腕時計の世界でもその才能はいかんなく発揮され、道具としての腕時計にとどまらない装飾品としての美しさを体現したその腕時計は高い評価を獲得し数々の名品を生み出してきました。
そんなカルティエと当時のパートナー、ジャンヌ・トゥーサンのニックネームであるパンサーにインスパイアされてデザインした腕時計が1983年に誕生したパンテールです。
現在でもカルティエのメインコレクションとしてラインアップされているパンテールですが、その名前からは想像できないほどスマートで洗練されたデザインが大きな特徴です。
しかし細部をよく見るとなぜこの時計がパンテールと呼ばれるようになったのか由来が偲ばれる緻密なデザインになっています。
一見既存のコレクション、サントスを彷彿とさせるスクエアデザインですが、側面のラインが曲線的な豹のデティールをかたどっていてこだわりを感じさせます。さらにブレスレットにもこだわりのデザインが施されており、丸みのある小さな駒がしなやかな豹の動きを表現し、全体のイメージをシャープなものにしています。
パンテールは2008年に一度ディスコンになり生産が終了しますが2017年に満を持して復活を遂げコレクションを拡充、大胆な宝飾をまとったグラマラスなモデルも登場し、よりドレスウォッチとしての存在感を強めています。
カルティエパンテールのように薄型で精密なムーブメントを搭載した腕時計を長きにわたって使い続けるためには定期的なメンテナンスが必要です。
一般的にはメンテナンスといえばオーバーホールを指し分解・清掃・注油・再組立て・防水検査などが作業の対象になりますが、カルティエの場合は独自に設けたコンプリートサービスというメンテナンスになります。
ではカルティエパンテールを正規サービスにコンプリートサービスをお願いした場合、料金はどの位になるのでしょうか。
カルティエパンテール正規サービスコンプリートサービス料金
駆動方式 | オーバーホール料金 |
---|---|
クォーツ式 | 44,000円~ |
手巻き式 | 66,000円~ |
カルティエの場合には総合的メンテナンスをイメージしたコンプリートサービスという形を取っており、一般的なメンテナンスとは異なる方式をとっていますが料金的には良心的なサービスかと思います。
コンプリートサービスとはムーブメント一式交換するサービスのことを指し、コンプリートサービスとはクォーツ式・機械式にかかわらずムーブメントを新品に交換するサービスになります。
丸ごとムーブメントを総取り替えする形になりますので性能は保証付きになりユーザーに取っては頼もしいサービスになります。しかしその都度最新のムーブメント部品に変わってしまうのでヴィンテージモデルなどの場合には価値が下がってしまったり、機械式腕時計ならではのメンテナンスをしながら長く使いこむ楽しみや、腕時計の趣を大切にする人には物足りないサービスになってしまいます。
内容的にみればムーブメントは常に新品になりますので信頼度は高く安心できる部分は大きいでが、メンテナンスを通して愛着を持って腕時計を愛用するといった腕時計本来の楽しみを阻害しているなど否定的な意見もあり、特にヴィンテージモデルを所有している人にとっては常に最新の部品に交換されてしまうのでオリジナルの価値を落としてしまう事もあり、賛否両論があります。
高級ブランド腕時計に共通する事柄ですが、高級輸入腕時計には販売ルートとして正規輸入ルートと並行輸入ルートの2つがあり、正規販売店での購入と並行輸入で購入された腕時計には商品は全く同じものですが、購入後のアフターサービスに違いが生じることは良く言われています。
一般的に並行差別といわれますが、正規販売店で購入されたもの以外は修理を受け付けしない、また受付されたとしても正規料金以上の高額な修理料金を要求されるなどの事例がメーカーによっては多く挙げられています。
ではカルティエパンテールの場合はどうかというと修理そのものに関しては、保証書があり本物であることが証明されれば正規品と同じ扱いで修理を受け付けてくれます。
並行輸入品に対する対応に関してははさすがカルティエといったところで世界中に販売ネットワークがしっかりしている点や販売代理店の対応がしっかりしている点が大きいです。
特にカルティエの場合には人気ブランドであるがために、精巧な模造品やコピー商品が市場に溢れている状態であっても、本物であることが証明されれば、並行輸入品でもメンテナンスに差をつけないというところに自社の製品に対する自信が表れています。
しかし保証書の添付がない並行輸入品に関しては受け付けてもらえない窓口もありますので修理持込の際には注意が必要になります。
カルティエパンテールをメンテナンスに挿す場合にはやはり正規サービスのコンプリートサービスがベストな方法になりますが、ヴィンテージモデルの場合やオリジナルの状態をなるべく維持したい、修理料金をなるべく安く上げたいなどの理由がある場合にはあえて正規サービスよりも腕の良い信頼できる腕時計修理専門店を利用するのも選択肢として良い方法です。
ではカルティエパンテールを腕時計修理専門店にオーバーホール依頼した場合には修理料金はどのくらいになるのでしょうか。
カルティエパンテールオーバーホール料金 腕時計修理専門店平均相場
駆動方式 | オーバーホール料金 |
---|---|
クォーツ式 | 24,200円~ |
手巻き式 | 35,500円~ |
店舗によって料金には差がありますが平均相場を取るとこのような料金になっておりかなりお得です。
腕時計修理専門店にオーバーホールを依頼するメリットはなんといっても格安な料金が挙げられるでしょう。
コンプリートサービスとはいえ正規サービスの半額近い料金でオーバーホールが受けられるのであればかなりお得な料金設定といえます。
さらに納期が早いのも魅力の一つで正規サービスだと通常1ヶ月~3ヶ月かかるところを2~3週間で仕上げてくれるのも大きなメリットです。
逆に作業を担当するのはカルティエ専門の技能士ではない為に修理店によって仕上がりに開きが生じてしまうので、腕時計修理専門店にオーバーホールを依頼する場合には店舗の選別が大きな問題になります。
カルティエパンテールをメンテナンスするには、正規サービスのコンプリートサービスを利用するのが賢明です。
何せムーブメント一式を新品に交換してくれるのですから安心度としては最強のサービスといえます。しかしそれでは腕時計に手を入れて愛用し続ける趣に欠けるとか、予算的に正規だと厳しい方などの悩みを持っている人には、腕の良い腕時計修理専門店を利用するのがおすすめといえます。
幸い日本には多数の腕時計修理専門店が存在しており依頼をするには事欠きません。しかしあまりに店舗が多すぎていったいどこに依頼したら良い結果が得られるのか悩んでいる人も多いです。
そういった際には所属している技能士の取得資格を調べてみるとよいでしょう。特に1級腕時計修理技能士は上級資格として登録されているので安心度を測る良い尺度になるでしょう。しかし現在は多くの腕時計修理専門店が1級腕時計修理技能士在籍と謳っているので、取得資格イコール本当の実力といいかねるところが悩ましいところです。
カルティエパンテールのような精巧なデザインに精度の高いムーブメントを搭載した腕時計を、正規サービス以外にメンテナンス依頼するには本当に信頼のできる技術の高い腕時計修理専門店にお願いするのがおすすめです。くれぐれも情報をたくさん集めて店舗の見極めには注意を払い、間違いの無い腕時計修理専門店を見つけてください。
こちらに紹介する記事では私のおすすめの修理工房をまとめています。
その中で、記事の一番最後に紹介しているクラフトワーカーズは特におすすめです。
クラフトワーカーズでは直接時計を送らなくても複数の時計修理専門店から優秀な職人さんにまとめて見積りを取り、比較して選ぶことができます。
時計を送らずに見積もりが取れるので、他社の料金と比較しても良いかもしれません。
この機会に今後のメンテナンスも、この職人に依頼したいと思える人と出会うことができる良い機会です。ぜひ試してみてください。
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