世界初のアナログ式光発電時計を開発した日本のブランド、シチズン。その独自のテクノロジー「エコ・ドライブ」は、太陽光や室内灯などのわずかな光も電気に変換し、さらに余った電気は2次電池に蓄えて時計を動かし続けることができます。
クォーツ時計は通常、電池交換が必要です。しかしシチズンの「エコ・ドライブ」は、一度完全に充電すれば、半年以上光を当てなくても動き続けるモデルもあります。また、時計を使用していないときでも、太陽光の当たる明るい場所に置いておけば充電され、電池交換の頻度を各段に減らすことができます。
シチズンの光発電技術は、ソーラーセルの発電効率を最大化するために様々な機構の最適化・デザインの改良・省電力技術の向上によって実現されました。クォーツ腕時計の進化の歴史に大きく寄与してきたブランドとして、世界的にも高く評価されています。
シチズンの創業は1918年で、100年以上の歴史があります。特に1950~1980年代は海外製の腕時計が手に入りづらく、国産腕時計の需要が非常に高い時代でした。シチズンは高品質で耐久性の高い腕時計を手掛けており、アンティークやヴィンテージの時計も現在までよく流通しています。
年代物の時計を長く愛用するには、適切なケアとメンテナンスが重要になります。しかし、アンティークやヴィンテージの時計のメンテナンスや修理は正規メーカーでは受け付けていないケースがあります。今回は、シチズンのアンティークやヴィンテージの時計を持っている方、またはこれから入手したいと考えている方向けに、オーバーホールや修理をどこに依頼すると良いのかを解説いたします。オーバーホールの注意点やポイントなどもご紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。
アンティークやヴィンテージの時計は、どれほどハイスペックを謳っているものであっても、現行品に比べるといくつかの機能や品質が衰えてしまっていることがほとんどです。そのため、取り扱いには取り扱いに気をつけなくてはいけません。その一方で、適切な使用方法と保管環境を整えて使っていれば、毎日の使用にも耐えられるほどの実用性をキープすることは不可能ではありません。
気をつけるべき点として、例えば耐水性があります。防水性能のすぐれたモデルであっても、年代物の時計はプッシュボタンやリュウズに緩みが出てきたり、ガスケットが経年劣化を起こしたりしていることがあります。こうした箇所に隙間が生じて、水や湿気が時計の内部に入り込んで針が動かなくなるということは珍しくありません。また、カレンダー機能やストップウォッチ機能などの実用面でも不便が生じるケースがあります。
雨や湿度の多い日も注意が必要です。雨の日にお気に入りのヴィンテージの時計を着けて出かける、または梅雨のシーズンに時計を机の上に出しっぱなししていたという些細なことでも、水気によって時計が動かなくなってしまうことも。こうしたことが起こらないよう、アンティークやヴィンテージの時計は、雨や湿度が気になる日は身に着けず、専用の保管ケースに収納しておくことを強くおすすめします。
また、耐磁性も挙げられます。スマートフォンやタブレット、パソコン、電子レンジ、スピーカー、テレビなどの家電・機械の近くにいる時に腕時計を装着していないほうが良いと聞いたことはありますでしょうか?これらは強い磁気を発するため、腕時計のヒゲゼンマイの渦巻きを磁化させてしまう恐れがあるのです。長時間のデスクワークや、家電を使って料理をするときは、アンティークやヴィンテージの時計は外しておくと安心です。
どれほどハイスペックな時計でも、取り扱いがずさんであったり定期的なメンテナンスを行わなければ、劣化・摩耗は進んでしまいます。また、腕時計は日々の気温、湿度、衝撃、重力など外部環境の影響を受け続けてしまうものです。普段の使い方や保管の仕方などが、長い目で見ればその時計を長く使い続けられるかどうかを決定していると言っても良いでしょう。もし不具合が目に見えて出てきてしまっても、その時に慌てて修理に出しても、内部を分解したら劣化がひどく、もう二度と使うことができなくなってしまったということもあり得ます。
アンティークやヴィンテージの時計を長く使い続けるために必要なのは、適切な使用方法、保管方法、そして定期的なオーバーホールの3つがセットであるということを覚えておきましょう。ただし、時計は精密機械ですので、オーバーホールの際は必ずプロの時計職人さんに依頼するようにしてください。自分で分解してメンテナンスを行おうとする行為は厳禁です。
機械式腕時計、クォーツ式腕時計に関わらず、定期的なオーバーホールを行うことが必要です。オーバーホールは、時計の分解・内部の点検・掃除・磨き・調整などがメインの作業となります。また、時計の内部に問題が見つかった場合はさらに修理・パーツの交換を行います。
時計は着用していない時でもずっと針や内部機構が動き続けているので、そっとしていても歯車やゼンマイは摩耗し続けていきます。また、部品の経年劣化も避けられません。そのため、そろそろオーバーホールの時期が近づいてきたけれど「いつも使い方や保管に気をつけて丁寧に扱っているから、まだオーバーホールは行わなくても大丈夫だろう」と油断していると、あとでひどい壊れ方をしてしまう恐れもあります。
オーバーホールの適切な頻度は、一般的には機械式時計で3~5年に一度、クォーツ式時計で5~6年に一度のぺースで行うことが推奨されています。アンティークやヴィンテージの時計の場合はより高い頻度で行うべきでしょう。年代物の時計は、一部の劣化が他の部品にまで大きな負担をかけてしまったり、不具合がひとつ発生すると修復が難しくなってしまうことが多いのです。不具合が発生する前にオーバーホールで見つけることができれば、後ほど故障を防いだり、修理費用も抑えたりすることができます。
シチズンの腕時計を修理またはオーバーホールしたい際、購入店舗に持ち込む方法があります。また、購入店まではなかなか足を運べないという方は、公式サイトでも受け付けてもらえます。
シチズンの会員制サービス「MY CITIZEN シチズンオーナーズクラブ」から申し込むと、オンラインで修理依頼を完了させることができます。サイトの「修理・定期点検」から、時計の機種番号とケース番号をはじめとする必要事項を記入して、発送方法や支払い方法を選択することができます。
このほか、「時計修理申込書」をプリントアウトして、梱包した時計と一緒に「シチズンカスタマーサービスお客様修理受付係」まで郵送する方法もあります。こちらは支払い方法が現金での代引きに決められています。
シチズンでは、時計の修理用部品を通常7年間を基準に保有しています。つまり、製造終了から7年が経過したモデルは、修理用の部品がシチズンでは確保できないということです。
また、ケース・ガラス・文字板・針・りゅうず・プッシュボタン・バンドなどの外装部品では、外観の異なる代替部品を使って修理することがあります。
もし、これらの保有期間を超えた腕時計を正規品で修理してもらいたいと思ったら、外部に依頼する他に方法がありません。
公式カスタマーサービス以外で、シチズンのアンティークやヴィンテージの時計をお安く、安心してオーバーホールを依頼できるところはどこかあるのでしょうか?
そのひとつが時計修理専門店です。時計修理専門店には、全国展開している大手のチェーン店や、町の人々に愛されている小さな個人店もあります。シチズンほどの有名ブランドであれば、こうした時計修理専門店で修理用部品を確保していることがよくあります。
また、時計修理専門店の中には、自社で旋盤を持ち、部品を一から製作できるお店もあります。腕時計の状態や具合を見て、最も適した部品を作ってくれるので、部品の在庫がなくても対応してもらえます。旋盤をつかって部品の自社製造を行えるお店ばかりではありませんが、こうした修理店に依頼すれば、希望通りにオーバーホールやメンテナンスを行ってもらえますよね。
時計修理専門店でのオーバーホール・修理は、公式メーカーが提供しているサービスよりも安価かつ短納期で対応してもらえることがよくあります。「時計のかかりつけ医」のように優良な時計修理専門店をひとつでも知っていれば、シチズン以外にもさまざまな腕時計のオーバーホールをやってもらえるはずです。
続いて、おすすめの時計修理専門店をご紹介します。
おすすめの時計修理専門店をこちらの記事で紹介しています。
この中でも、全国の腕の良い時計職人さんたちを紹介する総合サイト「クラフトワーカーズ」」が特におすすめです。「クラフトワーカーズ」は全国の腕の立つ時計職人さんを紹介するサイトですが、には、技術力・価格・サービス・納期などあらゆる面で「自信をもって提供できる」と言える職人さんが集まっています。その中には、前述したような、自社の旋盤で修理用部品を一から作れるという職人さんも含まれています。腕時計のオーバーホールや修理を依頼したいとき、「クラフトワーカーズ」を探せば必ず良い職人さんを見つけられるでしょう。
また、クラフトワーカーズは、時計職人さん一人一人と直接交渉を行って「掲載OK」をもらっている方だけを掲載しています。
クラフトワーカーズの利用方法はとても簡単です。最初に、公式サイトの入力フォームに時計のモデルの詳細、購入してからの年数、故障の内容、針の状態、オーバーホールを最後に受けたのはいつかといった基本情報を入力します。
フォームの送信後、ご自身のニーズに合わせたオーバーホール・修理が提案できそうだという時計職人さんたちからオファーが届きます。このとき、金額の見積や納期の予定、過去の利用者のレビューなどをまとめて比較することができるので、「この職人さんに依頼したい」と熟考してからオファーの返事を出すことができます。
時計職人さんとコンタクトが取れたら、腕時計を梱包・郵送するためのセットが自宅に郵送される(送料無料)ので、案内通りに梱包して送ってください。
職人さんの手元に腕時計が到着すると、時計の故障状態、汚れの具合や摩耗、劣化の様子などを詳細に調べてくれます。最終的な金額や納期はこの段階で決定します。ここまですべて無料でできます。金額や納期などに納得がいったら正式依頼を出して、あとはオーバーホールや修理が完了するのを待つだけです。
作業が終わると腕時計が返送されてくるので、ここで料金の支払いを代引きで行います。シチズンのアンティークやヴィンテージの腕時計のオーバーホール・修理が、公式メーカーよりも低価格・短納期で出来るのは嬉しいですよね!
なお、クラフトワーカーズでは、修理やオーバーホールを行ったあと、1年間の品質保証もついていますよ。
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