ロレックスシードゥエラーのアンティーク・ヴィンテージ時計のオーバーホール料金は?修理工房と正規の値段の価格差は?

カテゴリ:ROLEX/ロレックス

シードゥエラーは、サブマリーナ、ディープシーと並び、ロレックスの深海探検の歴史に君臨するダイバーズウォッチです。

「海の居住者」という名にふさわしく、1967年に誕生したファーストモデルRef.1665は610m、1990年代のセカンドモデルRef.16600は1,220mまでの潜水に耐える防水性を備えており、世界のウォッチメーカーの中でも名高い防水技術の王座を不動のものとしました。

外見はサブマリーナと似ていますが、よりケースが厚く、プロフェッショナル仕様の力強いスポーツウォッチを愛好する人々からは根強い人気を誇ってきました。後継モデルの誕生により一度生産終了となりますが、2014年にディテールをスペックアップしたRef.116600として復活すると、再び熱い注目が。その後もデザインチェンジなどを交えて表舞台に現れ、ロレックスを代表する高性能スポーツウォッチとして愛されています。

シードゥエラーは年代物の名機から最新作までいくつものモデルがありますが、古いものもヘリウムエスケープバルブ、逆回転防止ベゼルなどプロユースの仕様をそれぞれ備えています。また、近年のモデルにはすでに採用されていないレアなデザインのタイプもあります。アンティークやヴィンテージのシードゥエラーは年々人気が高まってきており、市場価値も右肩上がりになっています。

頑強とはいえど稀少性も高く、大切に手入れをすれば一生物あるいは何代にも渡って使用できるからこそ、オーバーホールが欠かせません。

シードゥエラーのアンティーク・ヴィンテージの時計をこれから手に入れたいと考えている方、すでに所有しているという方も、これから定期的にオーバーホールを受けるのならばどれほどの費用感になるのか、そして正規サポートでしかオーバーホールはできないのかといった点が気になるでしょう。

今回この記事では、日本ロレックスの正規カスタマーサポートでシードゥエラーのアンティーク・ヴィンテージのオーバーホールを受ける場合の値段や注意点、また、よりお手ごろな価格で受けることができる店などをまとめてご紹介します。

日本ロレックスの正規カスタマーサポートでシードゥエラーのアンティーク・ヴィンテージをオーバーホールした場合の料金はどのくらいか?

日本ロレックス東京

ロレックスシードゥエラーは初代モデルの誕生から50年以上が経過しています。アンティークやヴィンテージと呼ばれるのはどの時計になるのか、シードゥエラーの歴代モデルをざっと振り返ってみます。

【初代】Ref.1665

1967年~1980年頃に生産されていた少数生産の初代モデル。610m防水。サイクロップレンズがなく、ヘリウムエスケープバルブを搭載しており風防とケースに厚みがある。

初期に製造されていたものの中に、文字盤のモデル表記が赤文字で記されている「赤シード」と呼ばれるデザインがあり、非常に稀少性が高く200万円~700万円ほどの価格になる。

【2代目】Ref.16660

1980年~1991年頃に生産されているモデルで、「トリプルシックス」の愛称で有名。1,200m防水。逆回転防止ベゼルを搭載、サファイアクリスタルガラスを採用している。製造期間が10年と短く、とりわけフチ有りインデックスのデザインのものは100万円以上の価格がつくことも。

【3代目】Ref.16600

1990年頃~2008年に生産されていた三代目。今なおロレックスで現役として活用されているキャリバー3135を搭載しているため、ムーブメントが安定しておりメンテナンスを行いやすい。より実用性に適していることから今も需要の高いモデル。夜光はトリチウムからルミノバへ変更されている。

【4代目】シードゥエラー4000 Ref.116600

2014年~2017年に生産されていたモデル。ディープシーの登場から一旦製造終了になったシードゥエラーが復活したとして一躍有名に。1,220m防水。グライドロックとフリップロックのダブルエクステンションシステムを搭載。なお、2017年に「赤シード」デザインのRef.126600が発売され、生産期間わずか3年間となったため稀少性がある。

【5代目】Ref.126600

2017年~現行モデル。1,220m防水。シードゥエラー50周年を記念して、初代モデルのさらに初期のみに使われていた、文字盤ロゴが赤色の「赤シード」デザインで登場した。サイクロップレンズを新技術を用いて搭載。キャリバーには自社製ムーブメントのCal.3235を採用し、ケースサイズも43mmと一回り大きくなっている。

この中で厳密にアンティーク・ヴィンテージと呼べるのは初代といえますが、2代目も価格が上昇しています。

中古・アンティークロレックスは価値が下がらない(上がり続けている)ことで知られていますが、特にシードゥエラーは堅牢なつくりになっているため、今なら状態のよい個体を見つけることも難しすぎることはありません。早めに探してみることをおすすめします。

シードゥエラーのムーブメントを維持するためには、少なくとも3年に一度ほどのペースでメンテナンスを行うことが必要となります。中でも、オーバーホールは欠かさず行うべきでしょう。

日本ロレックスの正規サポートでオーバーホールを受ける場合、おおよそ53,460円(税込)~という価格感です。デイトナと比較しても、ロレックス時計の中では比較的高くないといえるのは、シードゥエラー自体の販売価格が抑え気味にされているからでしょう。

しかし、ヴィンテージの場合、現行品に比べれば劣化や摩耗がまぬがれず、価格は状態によりますがこれよりも高くなります。また、オーバーホール以外に修理作業や部品交換などが発生した場合は別途料金がかかります。

正規サポートでシードゥエラーのオーバーホールを行った場合にはパーツ交換が必要になる場合が多い

ロレックス純正部品

シードゥエラーパーツ交換日本ロレックス正規サポート料金(目安)

  • リューズ交換 ¥11,000
  • チューブ交換 ¥5,500
  • クラスプ用バネ棒交換 ¥500
  • バネ棒交換 ¥1,000
  • 内部部品交換 ¥5,400~

日本ロレックスの正規サポートでは、ブランド専属の時計職人が丁寧に分解・点検・掃除の作業を行ってくれます。パーツ交換が必要になったときも純正品を使ってくれるので安心できます。

なお、シードゥエラーのアンティークやヴィンテージの時計は、製造から長い年月が経っているため内部になんらかの摩耗や損傷が発生していることが想定されます。そのため、見た目や実用性において特に不自由を感じないという時計でも、日本ロレックスにオーバーホール依頼を行うと、ほとんどの場合は部品交換が行われると考えてよいでしょう。

日本ロレックスでオーバーホールを受けた時計は、2年間の修理保証が付きます。もともと堅牢なシードゥエラーは何十年もの使用にも耐えられる設計になっており、市場価値もあがってきているので、こうした技術保証は正規サポートの魅力のひとつと考えられます。

日本ロレックス正規サポートにシードゥエラーをオーバーホール依頼する場合に確認・注意するべきポイント

日本ロレックスにオーバーホールを依頼する際に気をつけなくてはいけないことは、販売終了から25年以上が経過したモデルについては受け付けてもらえないということです。日本ロレックスでは部品保管期間が定められているため、例えばシードゥエラーの初代モデルRef.1665などは、交換用の部品の在庫がなくなっています。

もし製造終了モデルが正規サポートでオーバーホールを受けてもらえることになったとしても、本国のジュネーブのロレックスに郵送する必要があります。納期は少なくとも1年以上はかかりますし、費用はなんと100万円以上。さらに、一度ジュネーブに送ったら依頼をキャンセルすることはできません。

アンティークやヴィンテージのロレックス時計のオーバーホールを正規サポートに依頼する場合、こうしたリスクがあるということを事前に知らないと大変なことになります。

日本ロレックス正規サポートにシードゥエラーのアンティークのオーバーホールを依頼しない方が良い場合がある

シードゥエラーのヴィンテージ時計のオーバーホールを正規サポートに依頼しない方が良いケースがあります。それは、パーツ交換を行う際に、部品保管期間を過ぎてるためにオリジナルパーツで修理してもらうことができないという点です。

オリジナルパーツがないものは代替品を使うことになりますが、結果として時計自体の価値を落とすことになります。また、ジュネーブ本国でメンテナンスを受けたところ、文字盤のインデックスが、ヴィンテージ特有のトリチウムから最新のルミノバに換えられてしまったということも。せっかくメンテナンスしたのに、結果として資産性がガタ落ちしてしまっているのです。

最新の部品に交換されるのは耐久面では申し分がないでしょう。しかし、シードゥエラーのヴィンテージのプレミア価値を重んじている方は、こうした落とし穴に気をつけると良いでしょう。

腕時計修理専門店でシードゥエラーをオーバーホールした場合はどのくらいの料金がかかるか

ここまでご紹介してきたように、日本ロレックスにオリジナル部品の保管がない、予算的に厳しい、資産価値を落としたくないといったさまざまな理由によって、正規サポートにオーバーホールを依頼できないというケースがあると思います。そんなとき、オーバーホールはどうやって行えばいいのでしょうか?

おすすめの方法が、腕時計修理専門店に依頼することです。

腕時計修理専門店は日本全国にあります。費用や納期はお店によって異なりますが、オーバーホールの平均相場としては38,000円~ほどが目安。正規サポートの半額ほどとお得な価格です(パーツ交換が発生した場合は別途料金がかかります)。

また、ジュネーブに送られてしまう正規サポートとは異なり、時計修理専門店はお店でオーバーホールや修理を行うことがほとんどですので、納期もぐっと短くなります。依頼に出したお気に入りの腕時計が早く手元に帰ってくるのはうれしいですよね。

もしロレックスの取り扱いに長けた時計修理専門店に依頼することができれば、ヴィンテージモデルのオリジナルパーツの在庫を保有していたり、あるいは自社で1から部品を製造できたりもします。シードゥエラーのヴィンテージモデルを持っている人にとっては頼れる存在となるでしょう。

腕時計修理専門店にオーバーホールを依頼する場合には店舗の見極めが必要になる

時計の分解オーバーホール。カレンダー

日本ロレックスの正規サポートよりも低価格・短納期でオーバーホールしてもらえる時計修理専門店。しかし、気をつけなくてはいけないのは、お店によって知識や技術の水準に差があることです。

時計職人の実力を測るひとつの目安として、国家資格である「1級時計修理技能士」の資格を保有していることが挙げられます。

「時計修理技能士」資格は3級からあり、1級は実務経験7年以上、または3級取得後の実務経験が4年、2級取得後の実務経験が2年あるという人が取得することができます。

1級の資格を持っている職人であれば、大事なヴィンテージ時計も安心して任せられるはずです。さらに、できればロレックス時計の修理した経験が豊富で、知識と技術を十分に有している時計職人が在籍しているお店に依頼することが理想でしょう。また、時計修理専門店の中には、名だたるウォッチブランドや百貨店から時計のメンテナンスを委託されているところもあります。選択肢は意外と広げられるものです。

そのため、お店の見極めと選定が非常に重要になってきます。

ロレックスシードゥエラーの修理またはオーバーホールを行なっている、おすすめの専門店

時計修理技師

「時計修理専門店にオーバーホールを依頼したいけれど、いいお店を見つけるにはどうしたらいいのだろう?」

このような疑問を抱えている方に、おすすめしたい時計修理専門店があります。こちらの記事でまとめてご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

時計のオーバーホール本当におすすめの2つの修理店

この中でも、記事の最後に掲載している「クラフトワーカーズ」は、日本各地の技術力の高い時計職人さんを選りすぐってご紹介している総合サイトです。クラフトワーカーズは、時計職人さん一人一人と直接交渉し、オーバーホール技術や費用、納期などに自信があって掲載OKと返事をしてくれた職人さんだけを紹介しています。

また、サイトの特徴として、複数の時計職人さんから見積もりをまとめて取り寄せることができるので、予算や納期の希望と照らし合わせて、納得いくまで比較してから依頼先を選ぶことができます。

ロレックスのシードゥエラーのヴィンテージは、これからますます稀少価値が上昇していくモデルと考えられています。オーバーホールを依頼する際は、本当に信頼できる依頼先にお願いするのがベスト。どこに依頼をするか、有能な時計技師にお願いしたい場合は、どのようにお店を選ぶかが重要になってくるので、ぜひ本記事をご参考になさってくださいね。

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