スイスに居を構える一人の優秀な時計職人、クリスチャン・リュフリ・フルーリーはある日、妻の誕生日に彼自身がデザインし作り出した懐中時計を送りました。
これに感動した妻の強い勧めで時計職人の集まる本場、ビールに工房を立ち上げ1884年、誇り高いマニュファクチュールブランド、エドックスが誕生しました。
エドックスとはギリシャ語で時間を意味する言葉で、その精神を象徴する意味で砂時計のロゴをブランドマークとして採用し、創業から一世紀を経た今でも象徴的なロゴマークとして受け継がれています。
エドックスは1950年代に入り事業拡大が進み、当時スイスで最も近代的といわれた大工場を構えます。
そしてエドックスの名を一躍世界中に広めたのが画期的なリューズ構造”ダブルOリング”を開発し、ねじ込み無しで初の200m防水を実現しました。この防水時計デルフィンは世界的なヒットを記録し、その後もハイドロサブ・ブルーバードと進化したヒットモデルを量産するエドックスは60年代にスイスのトップブランドの仲間入りを果たしました。
1970年に世界初のワールドタイムウォッチ、ジオスコープを発表、1998年には世界最薄ドレスウォッチ、レ・べモン ウルトラスリムを発表し、現在も世界最薄を誇っています。その後はモータースポーツやマリーンスポーツとのコラボレーションを積極的に進め、スポーツウォッチの分野で刺激的な腕時計を現在も発信しています。
現在のわれわれの過ごしている日常は、AIやスマートフォンなどの精密な機械たちによって物凄く便利になっていますが、その精密な機械たちも定期的な点検や手入れを怠りそのまま使い続けると大きな故障の原因となり、最悪の場合は動かなくなり使えなくなってしまいます。
これは機械というものに与えられた宿命というもので、それは精巧に作られた腕時計にも当てはまります。どんなに高級で優れた名腕時計でも定期的なメンテナンスをせずに、そのまま使用していると故障を起こす原因になり、最終的には動かなくなってしまい、折角生涯に渡って使い込める性能を持っていても時計の寿命を縮めてしまうことになります。
事実、高級海外ブランドや優れた腕時計を開発しているブランドでは3~5年の間に一度の周期でオーバーホールに出すように薦めていますし、正規販売代理店ではオーバーホールの際には、必ず正規サービスセンターへオーバーホールを依頼するようにアナウンスしています。ではエドックスの腕時計を正規サービスセンターへオーバーホールを依頼するとどのくらいの料金がかかるのでしょうか。
モデル名・駆動方式 | オーバーホール料金 |
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クロノオフショア1・グランドオーシャン・クロノラリー・レ ヴォヴェール(自動巻きクロノグラフ・GMT) | 88,000円~ |
クロノオフショア1・グランドオーシャン・クロノラリー・デルフィン・スカイダイバー・レ ヴォヴェール(クォーツ式クロノグラフ) | 79,200円~ |
グランドオーシャン・スカイダイバー・レ べモン(クォーツ式) | 44,000円~ |
クロノオフショア1・グランドオーシャン・ハイドロサブ・クロノラリー1・デルフィン・スカイダイバー・レ べモン・レ ヴォヴェール(自動巻き・手巻き式) | 61,600円~ |
クォーツ式電池交換 | 11,000円 |
こちらの料金はあくまでオーバーホールのみの料金で、万一部品交換や修理作業が生じた場合には別途料金がかかってきます。
正規サービスセンターにオーバーホールを依頼するメリットとしては、エドックス専門の熟練したスタッフがオーバーホールを担当するので安心感が高いこと、万が一部品交換が生じた場合は100%純正部品を使用してくれること、そして作業完了後のアフターサービスが行き届いていることです。修理窓口は基本、正規代理販売店、もしくはGMインターナショナル アフターサービスセンターに郵送で申し込む形になっています。
また正規代理販売店でエドックスの腕時計を購入した人に限り、特典があり、エドックスオーナーズクラブに登録すると、オーバーホール料金が通常料金の半額になり、ブレスレット・ケースの磨きとキズ取り仕上げをオーバーホールと同時注文のみ一律11,000円で受けられるサービスがあります。
ブレスレット・ケースの磨きとキズ取り仕上げに関しては通常価格が22,000円になりますので、非常に大きな特典になります。またクォーツ式の場合に購入後2年以内の電池切れに関しては無償で交換してもらえるので、こちらも充実したサービスになっています。さらに購入3ヶ月以内のものに関しては刻印入れを無料で行っています。このように特典が多数あることなどから、正規代理販売店で購入するメリットは非常に高いといえます。
エドックスの腕時計には正規代理店で購入した際の特典が多く、基本的なスタンスとして並行輸入品や海外で購入したものに関しては特典対象外となり、修理を受け付けるかどうかに関しては正規販売代理店では受付できない場合があるとしています。
さらに仮に受付した場合でも、料金が非常に高額になり納期も長期に渡るとしています。いわゆる並行差別が存在しますので、並行輸入品や海外での購入品には正規サービスは使えないといったほうが良いでしょう。
ではエドックスの並行輸入品や海外での購入品をオーバーホールしたい場合にはどうしたらよいのでしょうか。幸い日本には腕時計修理専門店が数多く存在し、そちらにオーバーホールを依頼する形になってきます。しかしあまりに数が多いためにどこに出したらよいのか、料金はどのくらいになるのか非常に分かりにくいです。ここでは修理店によって差はありますが、相場価格がどのくらいか調べてみました。
料金相場がクォーツ式で17,600円~、手巻き式・自動巻きで25,000円~、自動巻きクロノグラフで35,800円~となっており、かなり格安な料金になっています。さらにメリットとしては正規サービスセンターだと4週間ほどかかる納期が2週間から最長で4週間と早い納品になっています。
そしてなんといっても格安な料金が最大の魅力です。逆にデメリットとしては作業を担当するのがエドックス専門の技能士ではないため安心感に不安があること、修理や部品交換の場合、純正部品を使用する確率が非常に低いこと、そして一番重要な点ですが作業の仕上がりに関しては担当する技能士の実力しだいでバラつきがあることが挙げられます。
大抵の腕時計修理専門店では1級腕時計修理技能士取得者在籍と謳っていますが、資格取得=優秀な技能士では決してありません。
本当の技能士の実力は技能士の修理担当暦や、実際の現場でどれだけの種類の時計を数扱ってきたかなどの豊富な経験値が求められます。
では優秀な腕時計修理技能士をどうやって見つけたら良いのでしょうか。一番賢明な方法は修理専門店に実際に足を運んで見積りを取ってもらい、要望を直接担当する技能士に伝えることが良い方法です。
見積りを取ることでどのような作業をするのか知ることができますし、直接面談することで実際の技能士の実力も推し量ることができます。しかし個人が実際に腕時計修理店を訪れて直接担当者と話すことはなかなか難しいといえます。インターネットで情報を探ってみても不確かな情報が多く、かえって混乱してしまうでしょう。
そんなときに役に立つ便利なサイトがあり、名前をクラフトワーカーズといい、このサイトではサイトスタッフが厳選した技能士を複数ピックアップしてその技能士の修理担当暦や取得資格、所属会社まで公開しており、依頼する側は複数の技能士に一括見積りを依頼できるので、本当に納得した技能士にオーバーホールを任せることが可能で、困っている人や興味のある方は一度覗いてみるとよいでしょう。
こちらの記事の一番最後で紹介しています。
エドックスのような精巧でレベルの高い腕時計を正規サービスセンター以外にオーバーホールを依頼するには本当に信頼の置ける腕時計修理技能士に依頼することがおすすめです。是非この機会に優秀な技能士との出会いを実現して下さい。
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