アンティークのラドーは何処でオーバーホールや修理をするの?壊れたらどうするの?

カテゴリ:お役立ち・サポートケア

スイスウォッチブランドのラドーは、ハイテクなマテリアルと斬新なデザインを備えた力強く美しい時計を生み出してきました。

現在ブランドロゴになっている錨のマークは、1957年に初めてラドーの名前で販売されたコレクション「ゴールデン ホース」に冠されていたもので、時計が自動巻きムーブメントで作動することを表しています。

1962年に誕生してからブランドでもっとも長く愛され続けてきたスポーツモデル「キャプテン クック」をはじめ、工作器具に使われる硬質合金ハードメタルをケースに採用した「ダイヤスター」、航空宇宙分野や医療分野で使われているセラミックを腕時計の素材として初めて使用した「インテグラル」など、大胆な素材使いで腕時計産業に革新を起こしてきました。

また、実用的で頑丈なラドーは、「一生ものとして使える腕時計」としてアンティークやヴィンテージも人気です。

何十年も使い続けられるタフな作りの時計は、それだけ普段の手入れや調整、修理が大切な作業となってきます。ラドーの修理やオーバーホールはどこへ依頼に出すと良いのでしょうか?

今回は、ラドーのアンティークやヴィンテージを愛用している方、あるいはラドーの時計をこれから入手して長く使い続けたいと思っている方に、オーバーホールに関する有用な情報をお届けします。

アンティークやヴィンテージ時計との付き合い方

ロレックスのアンティーク時計18k

最初に、アンティークやヴィンテージの時計が現行品とどのような違いがあるかを確認しましょう。

アンティークやヴィンテージは製造から年月が経っているため、丁寧に取り扱っていても使用中の振動やゼンマイの摩耗など、さまざまな要因によって経年劣化していきます。ガスケットがくたびれたり、リュウズやプッシュボタンの部品にもなんらかの衝撃が加わってゆるみが出てきたりするため、水や湿気が内部に入ってしまい、防水性・防滴性はだんだん下がっていきます。

スポーツウォッチや高級時計は防水性能の高さをうたっているモデルが多くありますが、古い時計であれば水には注意するべきでしょう。また、梅雨の時期に時計を出しっぱなしで置いていた、雨の日に身に着けて出かけた、といった普段の何気ない振る舞いでも、これらアンティークやヴィンテージの時計にとっては故障の原因になり得ます。雨が気になるシーズンは、時計保管専用のケースに収納して最適な湿度管理下においておくのが最も安心できます。

また、耐磁性の低減も問題です。磁気によってヒゲゼンマイの渦巻きが磁化されると、時計の針の動きが不正確になるといった現象が起こります。磁気を発しやすい家電や機器のそばではアンティークやヴィンテージの時計は使用しないことがおすすめです。とはいえ、磁気を発するものといえばスマートフォン、タブレット、パソコン、スピーカー、電子レンジ、テレビ、ラジオなど身近な存在ばかり。例えば長時間のデスクワークの際は腕時計を外して、電子機器から離して置いておくといった工夫が必要です。

使用環境や保管状態による影響が長年積み重なって、その時計が長持ちするかどうかは決まってきます。文字通り、時計にはそれまで過ごした年季と状態が記録されていくのです。適切に管理され、適切に使用されている時計は、それだけ長く愛用し続けることが可能になります。そこで大切なのが定期点検(オーバーホール)です。こまめに時計の内部をチェックして、不具合があれば早期発見・早期処理をおこなうことで、何十年と良い状態をキープすることができます。

反対に、ぞんざいな扱い方をしていると、小さな不具合がだんだんと大きくなり、使用に差し支える故障が出てから慌てて修理に出しても、二度と直せないということにもなりかねません。

機械式時計、クォーツ式時計のどちらでも、定期的なオーバーホールを欠かさず行いましょう。

アンティークやヴィンテージの時計は現行品よりオーバーホールの回数を多く行う

機会式と時計のピンクの石 分解

定期的というのはどれくらいの頻度が適切だと思いますか?一般的に、機械式時計は3~5年に一度(自動巻き・手巻きいずれにおいても)、クォーツ時計は4年に一度のペースでオーバーホールを行うとよいと考えられています。このほか、例えば高温や炎天下、冷気といった過酷な条件で使用されることの多い時計や、製造年の古い時計は、それより高い頻度でオーバーホールを行うことが推奨されます。

オーバーホールという作業では、時計を分解して内部を点検・調整することが主になります。精密機械である時計は、内部を掃除したり、部品の摩耗や劣化の交換をしたりするのにも、かならずプロの手が必要になります。たまに、時計技師の資格を持っていない人が自分で時計を分解して内部を触っているという話を聞くことがありますが、パーツを正しい強さで固定できなかったり、傷をつけて新しい不具合が発生したりするほか、後になって正規の修理センターに持ち込んでも修理してもらえないということが起こりますので、絶対にやめましょう。

定期的なオーバーホールを受ければ、摩耗した部分を取り替えて汚れをとり、磨きやクリーニングが行われて、また新品同様のうつくしい姿で使用できるようにもできます。

ラドーの公式アフターサービスでアンティーク時計の修理やオーバーホールをしてもらう方法

ラドーのロゴ

ラドーはスウォッチ・グループの傘下にあり、腕時計の点検・オーバーホール・修理などすべてを含む正規の時計修理サービスを提供しています。

時計の保守点検の際にかなめとなる設備・道具などが完全に揃っており、各種専門知識と高い技術力を兼ね備えた時計技師たちが手掛けてくれるため、いつでも安心して依頼に出すことができます。また、有償でサービスを実施した場合はサービス完了日から2年間の保証がつきます。

ラドーの時計修理には、オーバーホールを中心とした総合メンテナンスサービスである「コンプリートメンテナンスサービス」と、オーバーホールを必要としない部分的なメンテナンスサービスのパッケージ「ベーシックパーシャルサービス」、修理や部品交換を特定している「パーシャルサービス」があります。目安となる料金は次の通りです(※実際の料金は、時計がサービスセンターに届き、技術者が診断を行ったあとに決定します)。

コンプリートメンテナンスサービスでは、現行品は35,200円~49,500円ほど。ベーシックパーシャルサービスでは7,150円~9,350円ほどです。旧モデルや限定モデルの場合は、本国メーカーでの見積もり・サービス実施が基本となります。

また、すでに廃盤のモデルなど、部品の製造・供給がストップしてしまっている場合は、公式アフターサービスでの修理を断られることがあります。

ラドーの部品保有期間は公表されていませんが、一般的な時計では、製品が廃盤になってから7~15年ほどで部品の製造もストップすることが多いため注意が必要です。

正規サービスセンターに依頼したい場合は、カスタマーサービスに連絡を取るか、正規販売店に直接持ち込みましょう。

交換部品の保有期間が切れてしまい、公式サービスで修理ができなくなった場合の対応は?

ラドーのアンティークやヴィンテージで、部品の保有期間が切れてしまっている場合は、公式アフターサービスでのサポートは受けられません。とくに旧モデルは本国センターに送られるのですが、せっかく依頼に出しても「直せません」とそのまま返送されてしまうこともあり、時間が余分にかかってしまいます。

しかし一方で、不具合があると感じても、きっと大きな故障ではないだろうと思って自己判断で放置してしまうと、劣化や摩耗のある部品をそのまま時計内部に放置してしまうことになります。

時計の針の進み具合が早すぎる・遅れが出るという実用面の不便さのほか、カレンダー機能やストップウォッチなどの機能が使えなくなったり、時計内部がだんだんさび付いてきたりといったことが起き、結果的に取返しのつかないほど大きな故障につながってしまうことがあります。

それでは、公式アフターサービスに修理が依頼できないとなると、どこに依頼するとよいのでしょうか?
その場合は、外部の時計修理専門店に依頼することが唯一の選択肢になります。

アンティークやヴィンテージのラドーの時計はどこで修理やオーバーホールをするの?

時計職人指サックをしてBERGEONベルジョンの機械代で油の注油

メーカーでのモデル製造終了および部品の供給が停止した場合でも、市場にはまだその部品が流通しているケースがあります。

例えば歴史のある時計修理専門店では、有名ブランドの時計のパーツをある程度在庫として持っているということがあります。また、自社で部品を製造できるという修理店があります。

市場ではもう確保できないという部品でも、その時計の機構に合わせて1から製作できるという時計修理専門店なら、そのモデルにもっともフィットした形での修理が可能になるわけです。

信頼できる老舗の時計専門店、あるいは自社で部品の製造ができるという修理店は、まさに「時計のかかりつけ医」と言える頼れる存在。そうした実力派のお店を見つけておきたいですよね。

部品を制作できない修理専門店も数多くある

腕時計のパーツ

一点気をつけなくてはいけないのは、時計修理専門店であっても、部品の自社製造は行っていないというお店があることです。

通常のオーバーホールで行われる作業は、時計の分解・調整・掃除・点検・部品の交換などであり、部品はすでに確保できていることが前提となります。つまり、部品をつくれるという修理専門店はむしろ珍しいケースだとも言えます。

「自社で部品を製造できる時計修理専門店はどうやって見つけたらいい?」

そんな読者の方のために、おすすめの時計修理専門店をご紹介いたします。

ラドーのアンティーク・ヴィンテージ時計の修理またはオーバーホールを行なっている、おすすめの専門店

こちらの記事に、おすすめの時計修理専門店をまとめています。

時計のオーバーホール本当におすすめの3つの修理店

中でもおすすめなのは、記事の最後で紹介している「クラフトワーカーズ」です。こちらは全国から厳選された時計職人さんを紹介する総合サイトで、時計修理技能士1級の資格保有者も多く在籍しています。クラフトワーカーズは、職人さん一人一人と直接交渉して掲載を進めているので、信頼感があり、また時計修理のレベルも折り紙つきです。

前述のように「自社で旋盤を使って部品を製造できるので、もし廃盤になった腕時計でもパーツを用意して修理できます」という時計店もきっと見つかるでしょう。

纏めて見積もりをとり、比較できる

クラフトワーカーズは誰でも簡単に利用できます。まず公式サイトで、時計のモデルの詳細、購入してからの年数、故障の内容、針の状態、オーバーホールを最近受けたのはいつ頃かといったベースの情報を記入します。

この内容での修理を受けられそうだという職人さんたちから直接オファーが届くので、金額や納期の見積り、また過去の利用者のレビューなどを見比べて、希望に沿ったサービスを受けられると思う職人さんを選びましょう。条件を一度にまとめて比較できるのがクラフトワーカーズの特徴です。

クラフトワーカーズ職人

オファーに返事をした職人さんの元から、時計を郵送するための梱包キットが自宅に届きます。送料無料のこのキットを使って時計を送ると、次に職人さんが実際に手に取って不具合の度合いや故障の詳細を調べてくれます。正式な金額や納期が決まるのはこの時点です。

金額や納期などを提示してもらって納得がいったら、正式な依頼を出します。その後、職人さんがオーバーホールと修理・仕上げを行い、処置が終わった旨の連絡が来ます。時計が返送されてくるので、代金引換でお金を支払えば完了です。

また、クラフトワーカーズでは、修理やオーバーホール後に1年間の品質保証がついているので安心です。

sendクラフトワーカーズ公式ページ

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