アンティークのゼニスは何処でオーバーホールや修理をするの?壊れたらどうするの?

カテゴリ:お役立ち・サポートケア

1865年創業のスイスのラグジュアリーウォッチ、ゼニス。社名は「天頂」を意味する天文用語に由来するもので、もともとは1900年のパリ万博に出品した際に金賞を受賞したムーブメントにつけられていた名前でした。

ゼニスは、世界初の自動巻クロノグラフムーブメントの1つと言われている「エル・プリメロ」を生み出すなど、時計の歴史に大きく貢献している王道ブランドです。毎時3万6000回の高速振動と長時間パワーリザーブの両立に成功した傑作ムーブメント「エル・プリメロ」は、誕生したのは1969年ですが、その後も基本設計を変えることなく現在も使用されています。最新のものに劣らない非常に完成度の高いムーブメントで、ロレックスやパネライ、ウブロ、タグ・ホイヤーなど数多くのブランドに採用されてきました。

また、機械式時計の基礎機構のひとつに、テンプと脱進機を使って正確な時刻を示すものがありますが、ゼニスはその機構を大きく進化させる発明を行いました。シリコン製のプレートにテンプや脱進機を集約させる「ゼニスオシレーター」コントロールシステムは、パーツ数を大幅に減らして故障を減らし、高い精度を生み出します。

このようにムーブメントに絶大な信頼を集めるゼニスでは、オープンワークと呼ばれるデザインが好評です。文字盤の一部をスケルトンにし、ムーブメントの心臓部を覗かせるタイプのことで、内部機構の複雑な構造やメカニックな動きを楽しむことができます。ゼニスの時計は時を経ても色あせない魅力があり、アンティークやヴィンテージの時計も人気です。

アンティークやヴィンテージの時計を持っていると、オーバーホール(定期点検・修理)を行うことがとても重要になってきます。この記事では、ゼニスのアンティーク時計を持っている方や、これから入手したいと思っている方のために、ゼニスのオーバーホールのポイントや注意点、おすすめの依頼先をご説明します。

アンティークやヴィンテージ時計との付き合い方

ロレックスのアンティーク時計18k

アンティークやヴィンテージの時計を長く使い続けるために、日頃のケアや使用方法、保管方法で気をつけるべきポイントを理解しておきましょう。

アンティークやヴィンテージのように製造から時間の経った時計は、現行品と比べると、より取り扱いに注意が必要な点があります。そのひとつが耐水性・耐湿性です。防水性能が備わっているモデルであっても、時計が古くなればガスケットの経年劣化や、リューズ、プッシュボタンのゆるみなど、時間とともに何かしらの問題が出てきます。そうしたとき、隙間などから時計の内部に水分が入り込みやすくなります。

雨の日にアンティークやヴィンテージの時計をつけて出かけたら、時計の針の進み方が何だかおかしくなったといったケースもめずらしくありません。また、梅雨のシーズンなどに時計を出しっぱなしにして置いたときも悪影響が出ることがあります。雨の降る日や湿度が高い日は、時計保管専用のケースに収納して、時計にとって適切な環境で管理するといいでしょう。

もうひとつは、耐磁性です。磁気によってヒゲゼンマイの渦巻きが磁化されることで、時計の表示する時間などが不正確になるということがよくあります。磁気を発生するものの代表にスマートフォン、パソコン、電子レンジ、テレビ、スピーカーなどがありますが、これらの近くで長時間時計を着用していると時計が壊れやすくなる傾向にあります。

長時間デスクワークをするときや、電子レンジなどの調理家電を使って料理をする際は、時計は外して保管しておくことをおすすめします。

時計は使用期間が長くなればなるほど、使われ方や保管の状況が積み重なって影響が大きくなり、耐久性や使用感も異なっていきます。適切な方法で使用・管理され、オーバーホールを定期的に行っていれば、アンティークやヴィンテージの時計でも新品同様の機能・美しさをキープして使い続けることができます。

反対に、ケアを怠ったり乱暴な扱い方をすれば、どんな高級時計でも不具合が出てきてしまいます。慌てて修理に出しても後の祭りで、二度と使えなくなってしまったら困りますよね。普通の人が見てもわからないような小さな不具合でも見逃さず、適切なケア・修理を施すことのできる時計のプロフェッショナルにオーバーホールの依頼をしましょう。

アンティークやヴィンテージの時計は現行品よりオーバーホールの回数を多く行う

機会式と時計のピンクの石 分解

オーバーホールは、時計の分解、内部の点検、掃除、調整といった作業を行うことがメインとなります。このとき、部品の劣化や摩耗が見つかれば、部品の交換や修理といった作業も行います。精密機器のため、メーカーや時計専門の業者に作業を依頼するのが最善です。自分で時計を分解して内部機構を触るということはやめましょう。

オーバーホールはどれくらいの頻度で行うのが適切なのでしょうか?

一般的には、クォーツ式時計は4年に一度、機械式腕時計は3~5年に一度の頻度でオーバーホールを行うのが適切だとされています。ただし、製造年代の古い時計や、過酷な状況で使用されることの多い時計は、より高い頻度で行う必要があります。

定期的にオーバーホールを受ければ、早めに不具合を発見して調整・修理ができるので、時計をいつまでも新品のように使い続けることも可能になります。

ゼニスのカスタマーサービスでアンティーク時計の修理やオーバーホールをしてもらう方法

ゼニスのロゴ

ゼニスは時計の点検・オーバーホール・修理の依頼を、LVMHジャパンのカスタマーサービスで受けています。ゼニスはよくある汎用的なムーブメントは使わず、自社製造ムーブメントを採用しているマニュファクチュールなので、オーバーホールには高度な専門知識や技術が必要になります。公式サービスセンターで包括的なサービスを受けられるのは安心ですよね。

また、ゼニスのサービスセンターで行われた修理や作業に限って、ゼニスの保証が1年間(※メンテナンス終了日から)適用されます。

アンティークやヴィンテージのゼニスの時計はどこで修理やオーバーホールをするの?

時計職人指サックをしてBERGEONベルジョンの機械代で油の注油

部品がメーカーで製造終了となった場合でも、市場にはまだ出回っているということがあります。例えば老舗の時計修理専門店では、ゼニスのアンティークの部品を確保していることがあります。有名ブランドの時計のパーツはある程度在庫として保管しているということです。こうした専門店であれば、ゼニスのアンティークやヴィンテージでも元のように直せるでしょう。

また、時計修理専門店の中には、旋盤を使って部品を自社製造できるというところもあります。市場に出回っていない部品であっても、その時計にもっともフィットした形で作り出せるということです。こうした実力派のお店を「時計のかかりつけ医」として見つけることができれば、ゼニスに限らず、どんなブランドの時計でも安心して修理の相談ができますよね。

部品を制作できない修理専門店も数多くある

腕時計のパーツ

ひとつ気をつけなくてはいけないのは、時計修理店でも、部品の自社製造を行っていないお店もあるということです。

一般的なオーバーホールや修理では、点検や掃除、部品の交換までの作業が行われます。1から部品を作るサービスを提供しているのは限られたお店になります。旋盤を持っていないお店に「部品がないから作って欲しい」と要望を出しても、当然断られてしまいますよね。それでは、自社で部品を製造できる時計修理専門店はどのように探せばいいのでしょうか?また、その中でも優良なお店を見つける方法はあるのでしょうか?

次の章では、おすすめの時計修理専門店をご紹介します。

ゼニスのアンティーク・ヴィンテージ時計の修理またはオーバーホールを行なっている、おすすめの専門店

こちらの記事に、おすすめの時計修理専門店をまとめています。

時計のオーバーホール本当におすすめの3つの修理店

この中でも、最後に記載している総合サイト「クラフトワーカーズ」がおすすめです。腕利きの時計職人さんを紹介しており、中には時計修理技能士1級の資格を保有している方も在籍しています。クラフトワーカーズでは、職人さん一人一人と交渉し、サービスのレベルの高い職人さんを選りすぐっているところも特徴的です。

オーバーホールの依頼を出した際に、「もう廃盤になったというパーツがあっても、うちでは自社製造できるのでパーツを1から作っての修理が可能です」と言ってもらえる可能性が非常に高いです。

纏めて見積もりをとり、比較できる

クラフトワーカーズの利用方法は簡単です。まずは公式サイトに時計のモデルなどの詳細、針の状態、購入してからの年数、故障の内容、直近でオーバーホールを行ったのはいつか、といった基本情報を入力します。この内容の修理ができるというクラフトワーカーズの職人さんたちからオファーが届きます。

希望や値段の見積、過去のお客さんたちによるレビューが届くので、ご自分のニーズに合いそうな職人さんをまとめて比較できます。この職人さんに依頼してみたいと思ったら、さっそくオファーに返事をしてみましょう。

クラフトワーカーズ職人

次に、時計を職人さんのもとへ送りましょう。梱包キットは自宅に送ってもらえるので、指示通りに梱包して郵送するだけでOKです。送料は無料です。正式な値段・納期が決まるのは、職人さんが実際にあなたの腕時計を手に取り、故障の状態を詳細に調べてからです。

値段や納期などに納得がいったら、正式に依頼をすることになります。時計は職人さんにオーバーホール・修理されたあと、処置完了の連絡が届きます。時計が返送されてきたら、代金引換でお金を支払います。

また、クラフトワーカーズでは、修理やオーバーホール後に1年間の品質保証がついているので安心です

sendクラフトワーカーズ公式ページ

Share

この記事が役にたてばシェアして下さいpublic

Tag

Comment

コメントを残す

* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。
メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。

CAPTCHA


前の記事
次の記事

カテゴリー

Tag

同じカテゴリの記事