腕時計とモータースポーツの結びつきにはとても深いものがあり、ロレックスをはじめ数々のブランドがその世界に魅せられていきました。その中でも誰もが知るレーシングウォッチブランドがタグホイヤーです。
1860年の創業以来、優れた腕時計を量産していたタグホイヤーは1930年代に開発したクロノグラフ腕時計によってレーシング需要の獲得に成功し、腕に身に付けるダッシュボードの異名をとり数々のレーシングウォッチを発表、レーシングドライバーに無くてはならない存在となります。特に1950年代~1960年代はクロノグラフウォッチの黄金期といえ、タグホイヤーのクロノグラフの名作はこの時代に発表されたものが多く存在し、現在も現役で活躍するモデルが生まれたのもこの時代です。
そんな1960年代に過酷・危険なことで有名だったカレラ・パンアメリカーナ自動車レースに挑むプロドライバーに敬意を表して開発されたレーシングウォッチがあります。その名をタグホイヤーカレラといい、1963年に発表されて以来瞬く間にプロドライバーの信頼を集め、現在も現行モデルとして活躍しています。開発コンセプトはオンでもオフでもプロドライバーが安心して身につけられるスタイリッシュでありながらハードな使用に耐えうるレーシングウォッチを目標にし、薄型なケースにスマートなデザインが特徴になっています。高度な技術に支えられたクロノグラフを始めとするムーブメントの精度の高さや洗練されていながらハードな使用に負けないケース構造などタグホイヤーのフラッグシップが持つ先進の技術がカレラには常に注がれています。
そんなタグホイヤーカレラですが、薄型ムーブメントにクロノグラフやタキメーターなどの機能が搭載されており、さらに防水性能も高いものを持っている精密極まりない構造をしているため、その機能や精度を維持するには定期的なメンテナンスが不可欠となり特にオーバーホールは必須事項となっています。
最低でも4~5年以上使用期間の経過したタグホイヤーカレラの場合はオーバーホールは必ず実施しなくてはいけません。では正規メーカーへタグホイヤーカレラのオーバーホールを依頼した場合料金はどのくらいになるのでしょうか。
モデル/駆動方式 | オーバーホール料金 |
---|---|
カレラ・クォーツ式 | 41,250円~ |
カレラ・クォーツ式クロノグラフ | 57,750円~ |
カレラ・機械式3針 | 57,750円~ |
カレラ・機械式クロノグラフ | 74,250円~ |
グランドカレラ・自動巻き3針 | 72,600円~ |
グランドカレラ・自動巻きクロノグラフ | 94,050円~ |
ヴィンテージモデル | 要見積り |
これらの料金に関しては全てオーバーホールのみの料金になっており、作業工程の中で修理作業や部品交換がかかってきた場合には別途料金がかかってきます。
手巻き式や自動巻きの機械式ムーブメントの場合最低でも3~5年使用期間が経過しているもの、クォーツ式でも7~8年使用期間が経過しているものに関してはオーバーホールは必須となっており、さらに修理作業や部品交換が発生する可能性がほとんどの場合ありますので、部品交換や防水検査、パッキンや細かい部分の部品交換を含めると最低でも三針で60,000円前後、クロノグラフでは110,000円程度まではオーバーホール料金を見ておいたほうが良いでしょう。
最近良く言われているのが正規販売店と並行輸入で購入した腕時計にはアフターサービスで大きな差がつくといわれています。いわゆる並行差別というものです。
一例では正規販売店で購入したもの以外の並行輸入品に関しては修理を受け付けないことや、受付した場合でも大幅に高価な料金を請求されるなどが挙げられます。ではタグホイヤーカレラの場合はどうかというと修理そのものは本物であることが証明されれば受け付けてくれますがあくまで正規料金のままになります。
タグホイヤーの場合、正規代理店購入品に関しては特典が設けられておりタグホイヤー独自のエドワードクラブへの入会でメンテナンス料金が30%割引になる特典があります。並行輸入品にはこの特典は与えられないので、並行輸入品を購入した場合には正規サポートへ出すよりも技術の高い腕時計修理専門店に依頼するほうが、良い結果になる場合が多いのでおすすめです。
料金の面やオリジナルの状態を維持したいために正規サポート以外にオーバーホールを依頼したい場合どういった方法があるのでしょうか。
この場合技術のしっかりした腕時計修理専門店が日本には多数存在するので、こちらを利用するのが得策といえます。では腕時計修理専門店にタグホイヤーカレラのオーバーホールを依頼した場合、料金はどのくらいになるのでしょうか。店舗によって差はありますが、平均相場で見るとクォーツ式で25,600円~、クォーツ式クロノグラフで38,500円~、手巻き式・自動巻きで35,000円~、自動巻きクロノグラフで45,700円~と格安な料金になっています。
腕時計修理専門店にオーバーホールを依頼する大きなメリットは何といっても格安な料金が上げられます。正規サポートの半額近くになっているのでこの料金は魅力的です。
さらに正規サポートよりも納期が早く、4週間程度で仕上がるのもポイントになります。また、ヴィンテージモデルになり正規サポートにオリジナルパーツがない場合でも、オリジナルパーツを持っている修理店がありえるためヴィンテージモデルを所有している人にとっては頼りになる面が大きいです。
逆にデメリットとしてはタグホイヤーカレラ専門の技能士が作業を担当するわけではないので安心感の面で不安が残ること、またオリジナルパーツの所有率が低いので部品交換の際にはジェネリックパーツを使用することがほとんどであること、そして作業の仕上がりに関しては担当する技能士の技術によって大きく差が出てしまうことなどが挙げられます。
ですのでタグホイヤーカレラを腕時計修理専門店にオーバーホールを依頼する場合には、オーバーホールに出す店舗の見極めが大切で、信頼の置ける技術の高い腕時計修理専門店に依頼することが重要になってきます。
タグホイヤーカレラにはクォーツ式を始めとして様々なバリエーションモデルが存在し、搭載されているムーブメントによってコレクションが分かれています。
スタイリッシュに徹したクォーツ式、クロノグラフをメイン機能に据えた自動巻きモデル・やキャリバーホイヤー02、キャリバーホイヤー02Tやキャリバー16など名ムーブメントを搭載したモデルが多いのもカレラの大きな特徴です。
1963年のデビュー後、実に10回以上のモデルチェンジを行い、現在も革新的なフラッグシップモデルとして進化を遂げています。
タグホイヤーカレラを正規サポート以外の腕時計修理専門店にオーバーホールを依頼する場合、わが国の場合は腕時計修理専門店の数が多すぎてどこに出したら良好な結果が得られるのか不安に感じる人の多いことでしょう。
腕時計修理専門店にオーバーホールを依頼する際に参考にすると良いのが、有資格者の在籍する腕時計修理専門店を探すのも有効な手段といえます。特に1級腕時計修理技能士になると上級資格として登録されていますので安心度を計る目安になるでしょう。しかし、現在の腕時計修理専門店はほとんどの店舗が1級腕時計修理技能士在籍と謳っていますので、取得資格だけでは本当の技能士の技量が分かりにくくなっています。
この場合、一番確実に店舗の選択ができるのは実際に複数の腕時計修理専門店に出向いていって実際に見積りを取ってもらい、作業を担当する技能士に直接要望を伝えることが賢明です。見積りを取ってもらうことで実際にどんな作業内容で部品交換はどうなるのかなどが明確になりますし、担当技能士と直接会話することで本当の技量も伺い知ることができます。
しかし、現実的に見て一般の個人が複数の腕時計修理専門店に出向いて見積りを取ったり、担当技能士と直接話をすることは難しいです。インターネットなど現在は情報も溢れていますが不確かなものも多く、かえって混乱してしまう人も多いはずです。
そんなときに役に立つサイトも探せばあるのもので、サイト名をクラフトワーカーズといい、このサイトでは複数の時計修理店から厳選した優秀な技能士を複数ピックアップして掲載しており、依頼する側は複数の技能士に一括見積りを取り本当に納得の行く技能士にオーバーホールをお願いできるようになっています。
さらにこのサイトでは紹介している技能士の修理担当暦や取得資格、そして所属会社まで公開しているので安心度が高く、興味のある人は一度覗いて似ると良いでしょう。
こちらの記事の一番最後で紹介しておりますので、合わせて参考にしてみてください。
タグホイヤーカレラのように薄型の精密な部品で構成されておりムーブメントの精度が非常に高いドライバーズウォッチを正規メーカー以外にオーバーホールを依頼するには、技術の高い本当に信頼の置ける腕時計修理店にオーバーホールを依頼するのがおすすめです。くれぐれも腕時計修理専門店を選択する場合には十分注意して腕時計修理専門店選びを行ってください。
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