アンティークのチューダーは何処でオーバーホールや修理をするの?壊れたらどうするの?

カテゴリ:お役立ち・サポートケア

チューダー(チュードル)は、ロレックスのディフュージョンブランドとして1930年代に誕生したウォッチブランドです。デュフュージョンブランドとは、本家ブランドの認知度アップと販路拡大のためにつくられる、比較的リーズナブルな価格のブランドのこと。チューダーは低価格でありながらロレックスと同じ部品が使われており、その専売特許である世界初の腕時計用防水ケース「オイスターケース」も使用していることで注目を集めてきました。

ロレックスと同じ部品を使っていながらなぜ廉価に抑えることができるのかの秘密は、ムーブメントに見ることができます。マニュファクチュールのロレックスは自社ムーブメントを使っていますが、チューダーは他社製の汎用ムーブメントを採用。細部でコストダウンをしつつ、外見はロレックス然とした高級感がそなわるよう工夫が凝らされています。なお、2015年には完全自社開発ムーブメントを発表するなど独自路線へと舵を切り、支持を集めています。

このように、チューダーは「ロレックスには手の届かない層でも購入できる」こと、またそれに加えてイギリス王家の「チューダー家」にちなんだ名前を冠していることから、英国市民を中心に親しまれるようになり、市場に瞬く間に広まったという歴史があります。

チューダーには長らくバラの花のロゴ「チューダー・ローズ」が配されていました。1970年代になると盾をモチーフにしたロゴが使われるようになります。中には、バラと盾の両方を交えためずらしいものも。

アンティーク時計も人気です。すでに製造終了しているモデルをはじめチューダーのアンティーク時計を所有している場合、長く愛用を続けるためには定期的な点検とメンテナンス(オーバーホール)を行うことが必要になってきます。

ここからは、チューダーのアンティーク・ヴィンテージウォッチのオーバーホールや修理はどのようにすればいいのかをご説明します。記事最後にはおすすめの時計修理店をご紹介していますので、ぜひご参考にしてください。

アンティークやヴィンテージ時計との付き合い方

ロレックスのアンティーク時計18k

アンティークやヴィンテージの時計を使う際、どのような点に注意するといいかご存知でしょうか。まず、昔に製造された時計は、時期や湿気に対する保護能力が現行品に比べると低い傾向にあります。スマートフォンやパソコンを使用するときにこうした時計を身に着けていると、磁気の影響を受けて時計の針の進み具合がおかしくなるなどの症状が現れることがあります。長時間デスクワークなどを行う際は、アンティークの時計は外しておくといいでしょう。

また、梅雨の時期をはじめ雨の日は、リューズやガラスの隙間から水分や湿気が時計の中に入り込んで、内部機構を痛ませることがあります。防水や耐水をうたっている製品でも油断は禁物です。

アンティークやヴィンテージの時計は、持ち主によってこれまでどのように使用されてきたか、また保管されてきたか、直近でオーバーホールを受けたのはいつかなどさまざまな条件の影響を受けます。その結果、新品に近いコンディションで使い続けることができる人もいれば、何度も故障してしまうという人もいます。年季の入った腕時計ほど、現行品よりも細やかなケアが必要になると思っておくと良いですね。

アンティークやヴィンテージの時計は現行品よりオーバーホールの回数を多く行う

機会式と時計のピンクの石 分解

機械式腕時計は、手巻きや自動巻きに関わらず定期的にオーバーホールを行う必要があります。オーバーホールの作業は専門業者に依頼することになりますが、時計を分解し、内部の点検と掃除、調整などを行ってもらいます。また、パーツに摩耗や劣化した部分があれば交換してもらえます。これによって時計内部の状態を良好を保ち続けます。

一般的にオーバーホールの頻度は、現行品は4~5年に一度、アンティークやヴィンテージの腕時計は3年に一度のペースで行うことが推奨されています。古い腕時計ほどオーバーホールを行う頻度を多くする理由は、使用期間が長いためにさまざまな部分が摩耗している可能性が高いからです。

腕時計は精密機械です。大事に使用していても、使用期間が長くなれば耐久性は自然と落ちていきます。定期的なオーバーホールを行うことで、そうした摩耗や劣化をいち早く発見して、本来の機能と輝きを取り戻すことができます。

チューダーの公式サービスでアンティーク時計の修理やオーバーホールをしてもらう方法

チューダーのロゴ

チューダーにはアフターセールスサービスがあり、正規品販売店およびサービスセンターから受けることができます。オーバーホールを受ける際はロレックスのサービスセンターに腕時計を郵送することになります。確かな専門知識と技術力を持つ時計技術者に作業してもらえるので安心ですね。

オーバーホールを受けた時計には2年間の国際サービス保証証が発行されます。ただし誤った取り扱いに起因する不具合や事故の場合は保証の対象とならないので注意が必要です。さらに、チューダーまたはロレックスの公式サービス以外で何らかの手が加えられた場合、純正品以外のパーツが使われた経歴がある場合は、やはり保証外になります。

チューダーの公式アフターセールスサービスを受ける際は、全国にある正規販売代理店に持ち込むか、修理代行を行ている日本ロレックスに依頼するかになります。オーバーホールにかかる料金は時計のタイプ・仕様によって異なりますが、一般的なクォーツ式ムーブメントと機械式ムーブメントの場合は38,500円ほど、クロノグラフの場合は55,000円ほどが相場になります。さらに部品の交換や修理が必要になると、別途料金がかかります。

また、サービスセンターはスイスにあるため、本国に送られるような作業となると、納期は平均3~4カ月ほどかかることもあります。料金と納期の目安は、あらかじめサービスセンターに確認しておくと良いでしょう。

また、もうひとつ気をつけておきたいのは、チューダー(チュードル)の公式サービスでは、腕時計の部品保有期間は(製造中止から)25年間と定められている点です。すでに製造中止になっているパーツが修理に必要となった場合は、それが使用できないという事態も起こり得ます。

交換部品の保有期限が切れてしまい、メーカーで修理ができなくなった場合の対応は?

アンティークセイコーとオメガクォーツ

「すでに製造中止になった部品が修理に必要になってしまった。それほど大きな故障じゃないし、仕方ないからこのまま使い続けてみよう」ということにすると、時計にはどんな影響が出てくるのでしょうか?

摩耗したり劣化したりしている部品を腕時計の中にそのまま放置しておくと、時計の針が止まったり遅れたり、逆に進みすぎたりといった実用的に困った影響が出てきやすくなります。また、カレンダー機能やストップウォッチ機能が使用不可になるなど、故障の具合はどんどん悪くなる一方です。やはり早めにオーバーホールを受けることが大事でしょう。

なお、アンティークやヴィンテージのチューダーでは、すでに製造中止になってしまったパーツには代替品を使用されるようになります。

アンティークやヴィンテージのチューダーの時計はどこで修理やオーバーホールをするの?

時計職人指サックをしてBERGEONベルジョンの機械代で油の注油

製造終了のパーツが必要となり、正規サービスでは代替品をあてがってもらえるとしても、実は市場にはもともとのパーツが出回っているということがあります。例えば時計修理専門店や老舗の時計店などでは、チューダーのようなオーソドックスなブランドの部品をある程度在庫として持っているということがあるのです。

こうした専門店であれば、チューダーのアンティークやヴィンテージの時計が壊れてしまっても、新品同様に修理できる可能性があるわけです。

さらに、時計修理専門店の中には、自社で旋盤を用いて部品を製作できるというお店もあります。つまり、現存していないパーツを、その時計に最も合う形で新たに作り出すことができるという意味です。チューダーブランド以外の腕時計ブランドでも、パーツを1から作ってもらえる優良店と出会えたら嬉しいですよね。

部品を制作できない修理専門店も数多くある

腕時計のパーツ

気をつける必要があるのは、時計修理専門店であってもパーツを自社製造できないお店もあるということです。

通常、オーバーホールで行われるのは分解と点検、掃除、調整がほとんどです。パーツの交換も、調達可能なものがあれば行えるというのが大半で、「パーツの在庫がないから作って欲しい」という要望を出しても叶わないこともあるのです。製造終了したモデルであればなおさらパーツの入手が困難になるので、せっかく依頼しても対応してもらえないことも。

そんなとき、「自社でパーツ製造できる」というお店をあらかじめ見つけられれば、万が一の時でも心配が少ないですよね。しかし、時計修理専門店は全国にたくさんあるので、どこへ依頼すれば良いのか迷ってしまいます。次の章では、優良な時計修理専門店を見つける方法をご紹介します。

チューダーのアンティーク・ヴィンテージ時計の修理またはオーバーホールを行なっている、おすすめの専門店

こちらの記事に、おすすめの時計修理専門店をまとめています。

時計のオーバーホール本当におすすめの3つの修理店

この中でも特におすすめしたいのは「クラフトワーカーズ」です。

クラフトワーカーズは、全国の腕利きの時計職人さんを紹介する総合サイトです。一人一人と直接交渉し、技能とサービスのレベルの高い職人さんを選りすぐっているところが特徴です。

オーバーホールの依頼を出した際に「製造終了のパーツがあっても、旋盤で自社製造できるため、部品の交換といった大幅な修理も可能です」という職人さんも何人も登録している優良サイトです。

纏めて見積もりをとり、比較できる

「クラフトワーカーズ」を利用する際は、まずサイトに基本情報(時計のモデルなどの詳細、針の状態や購入年数、オーバーホールを最後に行ったのはいつか、そして故障の内容は何かなど)を入力するところからスタートします。

すると、希望する修理内容を提供できるという職人さんたちからオファーがあります。納期や値段の見積り、さらに過去のお客さんたちからのレビューが届くので、ご自分のニーズに合いそうな職人さんを比較して選ぶことができます。

「この人に依頼してみたい」という職人さんがいたら連絡をとってみましょう。

クラフトワーカーズ職人

正式な値段や納期は、実際に職人さんが腕時計を手に取り、故障状況などを詳細に調べてから決められます。そのためまずは時計を職人さんのもとへ郵送することが必要になります。梱包キットは自宅に送ってもらえるので、指示通りに時計を詰めて郵送しましょう。送料は無料です。

値段や納期に納得がいったら正式に依頼をかけましょう。修理が終わったらその連絡が届くので、代金引換で時計を受け取ることができます。利用はとても簡単ですね。

なお、クラフトワーカーズでは、修理やオーバーホール後に1年間の品質保証がついています

sendクラフトワーカーズ公式ページ

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