古くは1894年にスイスのル・ロックルに産声を上げたユニバーサルジュネーブは、当初は懐中時計を中心に製作を手がけており、1919年に本社をジュネーブに移転し、1936年に満を持して初の機械式腕時計コンパックスを発表、このモデルはその後のユニバーサルジュネーブの理念のベースになるモデルとして生かされることになります。
そしてユニバーサルジュネーブの名前を世界中にとどろかせたのが1944年に初登場する傑作モデル、トリーコンパックスで当時としては画期的なトリプルカレンダー、ムーンフェイス、クロノグラフ機能を一つの腕時計にまとめたユニバーサルジュネーブの技術の粋を集めた複雑時計としてブランドの頂点を極める大ヒットを記録しました。
そしてユニバーサルジュネーブは機械式ムーブメントの更なる薄型化に挑戦し、1955年に特許を取得したマイクロメーター機構によってケース厚わずか8mmという超薄型ムーブメントCal.215を開発、その後も薄型ムーブメントへの挑戦は続きます。
1994年にはコンパックスの復刻版ユニバーサルコンプレックスを限定で発売するなど、派手な活動こそ無いものの、現在もユニバーサルジュネーブは機械式腕時計のパイオニアとして挑戦が続けられています。
ユニバーサルジュネーブの特徴と魅力は複雑機構機械式ムーブメントと薄型ケースへのあくなき挑戦にあり、クラシカルで伝統的なデザインと薄型ケースの融合で他には無い魅力的なデザインを実現し、創業から100年以上が経過してなお、スイスのマニュファクチュールの中でも特別の輝きを放っています。
例えばもしわれわれの安全を支える自動車や飛行機、電車などの交通機関がメンテナンスを全くしないで長期間稼動し続ければ、ほぼ確実に故障やトラブルが発生し事故の原因となる事でしょう。
それが精密で高度な機械に与えられた宿命といえるものです。腕時計にも同様なことが言え、定期的にオーバーホールを行い、細部にわたって点検をしないといかに優秀な名腕時計でも故障して最悪の場合動かなくなってしまいます。
特に高級腕時計であればあるほど、その精密で複雑な構造のため定期的な検査が必要になるのです。
ですのでオーバーホールに腕時計を出すことは、長く使い続ける上で必須といえる作業といえます。
優秀な高級腕時計の代理店では3~5年に一度はオーバーホールを正規サービスセンターに依頼することを推奨しており、事実オーバーホールを適正に行った腕時計は生涯使い込める精密さを保って動き続けます。
これはユニバーサルジュネーブの腕時計にも当てはまり、高性能を維持するためには必ず行わなくてはいけない作業になります。
ではユニバーサルジュネーブの腕時計を正規サービスセンターに依頼した場合、どのくらいの料金がかかるのでしょうか。
駆動方式 | オーバーホール料金 |
---|---|
手巻き式 | 35,000円~ |
自動巻きノーマル | 45,000円~ |
自動巻きクロノグラフ | 50,000円~ |
これはあくまでオーバーホールのみの料金になりますので、もし部品交換や修理作業が必要になった場合には別途料金がかかってきます。
現状ユニバーサルジュネーブの場合は日本にある正規販売店では残念ですが販売のみになっており、修理・オーバーホールの受付はしてくれません。
しかし現在唯一、修理・アフターサービスに関しては共栄産業株式会社がユニバーサルジュネーブの正規サービスセンターとして窓口になっていますので、そちらへ依頼する形になります。
共栄産業で正規サービスとして受け付けた場合のメリットはユニバーサルジュネーブ専門の熟練した職人が修理を担当することになりますので、安心感が非常に高いです。
さらに修理・部品交換が必要な場合には100%純正部品を使用してくれるのでこれも安心な点になります。さらにオ-バーホール後のアフターサービスが充実していますのでそちらも大きなメリットになります。
しかもよく職人気質の固いブランドに多く見られる並行差別はユニバーサルジュネーブの場合存在しませんので、並行輸入品や海外で購入した時計でも快く引き受けてくれ、親切なサービス体制になっています。
ただ、複雑な修理でスイス送りになったものや部品をスイスから取り寄せになる場合には、納期が長期間になります。
正規サービスセンターのオーバーホールが一番賢明な方法なのは確かですが、やはりオーバーホール料金としては少々高額な印象があります。
ではコストを下げるために正規サ-ビスセンター以外の腕時計修理専門店にオーバーホールを依頼した場合、一体どのくらいの料金がかかるのでしょうか。
修理専門店によって料金に開きはありますが、平均相場としてはユニバーサルジュネーブの場合だと手巻式29,000円~、自動巻き・自動巻きクロノグラフ39,000円~といった状態で、正規サービスセンターと比較するとかなり割安な料金になっています。
しかしデメリットとしては部品交換や修理は必要になった際、純正部品を使用する確率がかなり下がってしまう事、作業完了後のアフターサービスに不安材料がある事、そして肝心な仕上がりに関してはその専門店で担当する技術士の技量しだいで大きな差が出てしまうことが挙げられます。
特に一番肝心な部分は担当する修理技能士の技量の差の問題で、修理専門店では1級腕時計修理技能士の資格保有と謳っているところが多いですが、資格はあくまで資格であって、本当の技能士の技量とは一致しないというのが現実です。
それよりも重要視されなくてはいけない重要な点があり、最も技能士として大切なことはその技能士の修理担当暦や、実際に現場でどれだけの種類の腕時計を手がけてきたのかという、積み重ねた経験値の方が真実の技能士の実力を決定付ける点になってきます。
では本当に技術の高い信頼できる技能士が所属している腕時計修理専門店とは、どのようにして出会ったらよいのでしょうか。
一番確実な方法は腕時計修理専門店を実際にいくつか訪問して見積もりを取ってもらい、担当する技能士と直接面談することが確実な方法です。実際に面談すると本当の技能士の技量もうかがい知ることができますので、信頼を持って依頼することができます。
しかし、個人で実際に腕時計修理専門店を回って、話を聞くことは現実的にはとても難しいです。そういったときに頼りになるインターネットサイトがあり、サイト名をクラフトワーカーズといい、このサイトでは優れた技能士をピックアップしてその方の修理担当暦や取得資格、所属会社まで公開されているので、依頼する側が本当に納得した技能士にオーバーホールをお願いすることができ、とても安心ですので、機会があったら覗いてみると良いでしょう。
こちらの記事の最後で紹介しておりますので、合わせて読んでみてください。
時計を送らず在籍している職人全員へ簡単見積もりもできるのでおすすめです。
ユニバーサルジュネーブのように複雑な構造で品質の高い機械式腕時計を、正規サービスセンター以外の腕時計修理専門店にオーバーホールを依頼する場合、本当に信頼の置ける高い技術を持った技能士にお願いするのがおすすめです。是非この機会に本物の優秀な職人との出会いを見つけてください。
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