機械式時計は長年使い続けると油切れをおこしますが、油切れって何?なぜ油が切れるの?っと疑問を持つ方も多いと思います。
この記事では、油が切れる理由や切れたら時計はどうなるのかなど、まとめましたので参考にしてもらえたらと思います。
時計は内部では歯車やテンプなど様々な部品が動いています。
この「動きをなめらかにするために、部品の軸には油(潤滑油)が注油されています。
しかし「潤滑油は長い駆動のなかで劣化したり、気発してしまい油切れをおこしてしまいます。
油が劣化していくと内部の部品は、だんだんと滑らかな動きができなくなり、最終的には止まってしまいます。
動きが重くなったり止まったら油を注油する必要があるのですが、最悪の場合部品を痛めてしまってる事があります。
潤滑油はその名のとおり歯車やテンプが潤滑に動くよう注油されていますが。油が切れてしまうと歯車は滑らかに動く事ができません。
潤滑油は時計以外にも使われいるので、想像してみると分かるかと思います。
例えば、扉の開け閉めを支えている蝶番(ちょうつがい)にも油は注油されています。
扉を開け閉めすると滑らかに動くのは蝶番の軸に油が注油されているからです。
しかし古く油が切れてる扉はどうでしょう?開け閉めするたびに「ギィーギィー」と金属が強く擦れ合う音がしますよね。
時計は小さいのでギィーギィーといった音は聞こえませんが、古い扉と同じ事がいえます。こういった状態で時計を使い続けると、部品どうしが擦れあって摩耗や減少を引き起こしてしまいます。
また、摩耗によって出た鉄粉は油の潤滑性能を著しく低下させますし、その鉄粉がヤスリ代わりになり更に部品を削ってしまいます。
機械式時計は止まるまでに起こる症状を事前に見極め対処する必要があります。
冒頭で説明したように、「油が劣化するとだんだんと歯車やテンプが滑らかな動きができなくなります。そのせいで時計の遅れの症状がおきます。
前回のオーバーホール(分解掃除)3~4年程度経っていれば、遅れてきても不思議ではありません。
油切れで止まる前に起こるもう一つの現象として駆動時間が短くなる事があります。
機械式の時計の駆動時間は機種によって異なりますが、ゼンマイをいっぱいまで巻いた状態で、おおよそ42〜46時間が一般的です。つまり2日程度です。しかし油が劣化し滑らかに動けなくなると30時間、20時間と駆動時間が短くなります。
機械式時計の注油作業は、オーバーホールの作業工程のなかで行われます。
潤滑油にはサラサラなものや、重くドロドロなものなど様々なものがありあます。
一般的には下の写真このように、オイルカップに油を入れ分け、どのカップにどの油が入っているか分かるようにしておきます。
注油はとても大切な作業になります。軸にかかる摩擦を考慮し、適切な場所に、適切な油の量をささないと意味を持ちません。
ただ注油するのではなく、修理師の知識と経験がとても大事になります。>
また、汚れ、チリ、ゴミなどがないようにしなければ、注油しても時計の精度は出ません。
注油は職人的な経験が生かされ、時計技師としての腕が最も発揮される作業です。
どこに、どのように、どれくらい注油するか、とても大事なことです。
油切れを起こさない=パーツを摩耗させない。その結果、時計は長持ちします。
部品が摩耗し劣化するとオーバーホールだけでは済まなくなり部品交換が必要になります。部品の交換をすると、そのつどパーツ代金もかかります。
時刻の遅れだした時計、駆動時間が短くなった時計、最後のメンテナンスが4〜5年前の時計などは、オーバーホール時期の可能性があります。末長く使う為にも検討してみてはどうでしょう?
下のリンク先の記事では私のおすすめの修理工房が纏めてあります。
特に記事の一番下で紹介しているクラフトワーカーズはおすすめです。
オーバーホールは注油はもちろん、ヒゲ棒の間隔の調整など行う人間によって出来ばえが異なります。
クラフトワーカーズでは、時計業界に在籍して何年間勤めているのか、国家試験に合格しているのか、など職人のプロフィールを確認してうえで本人にオーバーホールの依頼ができます。
動作保証も1年間あり、メーカーよりも価格がやすいのでおすすめです。
これからオーバーホールを考えてるかたはコチラ記事もの参考にしてみてください。
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