世界各国を飛び回るプロフェッショナルパイロット向けの腕時計として誕生したロレックスGMTマスターⅡ。
異なるエリアの時間を一目で確認できるというハイスペックさから世界各地にわたって活躍するビジネスマンにとって非常に使い勝手の良いモデルとして知られています。
GMTマスターⅡという名前の通り、GMT機能(国際的な基準時刻のひとつ)を搭載しているのが特徴です。
赤青のツートンカラーを使用したユニークで個性豊かなデザインから愛好家やファンの間では大きな人気と知名度を博し続けています。
今回ご紹介するGMTマスターⅡは前身モデルとなるGMTマスターの後継であることもロレックスの歴史の中ではぜひとも知っておきたい話。
これら2種は一時併売されていたという過去もあるのですが、わざわざ別モデルとしてGMTマスターⅡという後継モデルを出したロレックスにはどんな意図があったのでしょうか。
本記事ではGMTマスターⅡの歴史や前身モデル(GMTマスター)との違い、リファレンスや素材の特徴など気になるところを詳しく解説していきます。
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「陸」の王者エクスプローラー、「海」の王者サブマリーナと並んで「空」の王者として誕生したのがGMTマスターです。
ロレックスはかねてより過酷な環境下での使用を想定した腕時計を数多く世に輩出してきました。
GMTマスターはその中でも「空」という激しい温度変化や強い磁力に晒される環境下での使用を想定して製造されています。
24時間で1周するGMT機能を搭載した針と両方向回転ベゼルによって遥か遠くの地を目指すパイロットや旅行者が2か国の時間の把握を1つの時計で完結させることに成功しました。
そんなGMTマスターの誕生は1955年にまで遡ることになります。
当初はGMTマスターとして誕生したわけですが、誕生秘話やGMTマスターⅡへと変遷するまでにはどのような歴史を辿ってきたのでしょうか。
GMTマスターは当時世界一の航空会社であった「パンアメリカン航空(PAN AM/パンナム)」とロレックスの共同開発によって誕生しました。
当時ロレックスはエクスプローラーやサブマリーナなど大ヒット作を次々と世に打ち出し、大きな注目を受けていたのですが、新作の開発には苦戦を強いられていたのです。
そんなときにパンアメリカン航空から腕時計を共同開発しないかとのオファーがあり、2か国の時間を把握しておく必要があるパイロットにとっての強い相棒となるスペックを備えた時計の開発に身を乗り出しました。
そうして誕生したGMTマスターはパンアメリカン航空からの反響だけでなく、愛好家やファンの間でも話題沸騰となり、瞬く間に人気モデルの1つとして数えられるようになったわけです。
GMTマスターの誕生から約30年近い月日を経て新たに誕生したモデルがGMTマスターⅡとなります。
GMTマスターⅡの初代モデルは1982年に誕生し、1990年から1999年までの9年間には同時販売されていたという珍しい歴史が特徴的です。
外観を見る限り大差ないものの、GMTマスターⅡはGMTマスターの上位モデルとなっています。
GMTマスターが30年近くも愛され続けたことからも性能面やデザイン面で優れていることはわかりますが、GMTマスターⅡはさらなるスペックアップを果たしました。
なんとロレックスはGMTマスターⅡの誕生によって3か国での同時時刻把握を可能としてしまったのです。
これには自動巻きムーブメントを改良されたことで単独での短針の可動が可能となったことが影響しています。
もう1つの違いとして文字盤6時位置のモデル名(GMT MASTER)の表記が異なる点も確認されていますが、パッと見ただけではなかなか分かりにくい違いとなっているようです。
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ここからはロレックスGMTマスターⅡの歴代モデルをリファレンス毎に時系列で振り返っていきましょう。
GMTマスターの歴史としては1955年からになりますが、GMTマスターⅡの歴史が始まったのは1982年からです。
3カ国の時間を把握できるということで腕時計業界に大きな革命を巻き起こしたGMTマスターⅡは誕生から現在まで不動の地位を確立し続けています。
そんなGMTマスターⅡのリファレンスによる素材の特徴やムーブメント、機能の違いなど詳しく解説しておりますので、購入を検討されている方はぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
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GMTマスターⅡの初代モデルとして誕生したRef.16760は1982年の登場から約5年弱に渡って製造されました。前身のGMTマスターRef.16700と同時発売されたモデルでもあります。
GMTマスターと外観やデザインは遜色ないものの、3つのタイムゾーンが同時確認できる世界初の腕時計ということで大きな話題となりました。
ムーブメントには短針が単独で稼働可能なCal.3085が搭載されています。GMTマスターRef.16700と見た目上での判別を可能とするために、配色には赤/黒が採用され、ケース径は若干分厚い仕上がりとなっているのが特徴です。
ケース径が分厚いことから「ファットレディ」という異名もついています。誕生から30年以上が経過しており、製造期間も短かったことから希少性としては非常に高いです。
経年ごとに状態の良いモデルが減少傾向にあるため愛好家の間でも人気は高く、中古市場でも200万円と高値で取引されることが多い状況となっています。
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GMTマスターⅡの第2世代を飾ったモデルがRef.16710です。ベゼルカラーは「赤/黒」、「黒」、「赤/青」の3種類がラインナップされています。
前モデルのRef.16760と比較するとケースが薄い設計となり、よりスタイリッシュな印象に仕上がりました。
薄い設計になったことでムーブメントのテンプ周りがシングル形状からダブル形状へと進化したCal.3185を搭載しています。
その後、製造終了直後にはマイナーチェンジが行われ、ブルーパラクロムヒゲゼンマイを採用したCal.3186を搭載した個体も登場しました。
1989年から2007年までの約20年弱に渡って製造されたロングセラーモデルではありますが、製造中のマイナーチェンジも多く、ベゼルカラーのラインナップが豊富であることから市場では高い人気があるモデルの1つです。
そのため平均でも180万円台、状態の良い個体であれば300万円近くで取引されることが多くなっています。
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ロレックスGMTマスターⅡのサードモデルとして誕生したのがRef.116710です。デザイン面は一新し、GMTマスターⅡの新たな時代の幕開けを思わせるような外観が特徴となっています。
2007年といえばロレックスの歴史の中でも節目となった年で、ロレックスミルガウスの復活やヨットマスターⅡが登場したことでも有名です。
それらモデルの話題の影に埋もれることもなく、新たなモデルチェンジを果たしたGMTマスターⅡ初の6桁型番モデルということで大きな話題となりました。
具体的にはオイスターケースラグの巨大化やベゼル素材がセラミックに変更されたことなどが大きな変更点となっています。
ムーブメントは前モデルに引き続きCal.3186が採用され、ケースサイズは変わらないもののケース自体の存在感が増し、かっこよさに磨きがかかりました。
全体的の高級感も増し、クラスプには微調整ができるイージーリンクが採用されたことで実用性の面でも大きく向上しています。
中古市場では200万円前後で取引されることが多く、相場はじわじわと上昇傾向にある状況です。
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GMTマスターⅡの第4世代として名を連ねたモデルがRef.126710です。バーゼルワールド2018でのロレックスの発表で登場前からファンの間でも大きな話題となり、2018年に待望の登場を果たしました。
GMTマスターⅡのシンボルカラーともいえる「赤/青」ベゼルにジュビリーブレスレットが採用されたロレックスの至極のモデルともいえます。
2019年には黒/青ベゼルのモデルも登場し、さらなる人気拡大も果たしました。
前モデルで採用されていたCal.3186から新たにCal.3285へとスペックアップが図られ、正確性、耐衝撃性など全体的な機能が底上げされています。
パワーリザーブが70時間に延長したことでより実用的なモデルへと変遷したことも注目ポイントですね。
相場は250万円前後といったところで、2023年時点ではまだ製造されているモデルであります。
今後の動向次第で相場が変動しそうではありますが、現在の人気ぶりを見るに廃盤となれば一気に価格が高騰する可能性は高いでしょう。
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GMTマスターⅡは3か国のタイムゾーンが同時把握できるという便利なスペックからビジネスパーソンや旅行者などを中心に幅広く愛されているモデルです。
高級時計でありながらこれほど多くの人々を魅了する理由には、GMTの機能だけでなくGMTマスターⅡにしかない特徴があるからこそではないでしょうか。
ここでは長きに渡って多くの人から支持を集め続けるGMTマスターⅡの特徴や魅力についてお伝えします。
GMTマスターⅡにしかない特徴として1番に挙げられるのが個性的でユニークなツートンカラーです。
前身のGMTマスターの外観を引き継いだ赤/青ベゼルや青/黒、赤/黒などベゼルに2種類のカラーリングが採用されることで他にはない魅力ができあがっています。
特に人気のある赤/青ベゼルは通称「ペプシ」という異名がつくほど多くのファンの心を掴んだデザインでGMTマスターの誕生から半世紀以上経過した今でも世界各地で愛され続けている状況です。
GMTマスターといえば、ペプシといわれる程世間でも認知されたこともあり、長年愛され続ける理由にはこのユニークなツートンカラーが大きな影響を与えているといえるでしょう。
複数タイムゾーンが同時確認可能なGMTを搭載したGMTマスターには両方向回転ベゼルの存在が欠かせません。
両方向回転ベゼルは第2時間帯を示すGMTマスターの24時間計としての働きを示しているからです。
24までの数字が刻まれているだけでも他モデルにはない特別感から差別化ができていますが、上品かつインパクトのある質感がさらなるファンの興味を掻き立てているように思います。
サードモデルであるRef.116710からはセラミックベゼルが採用されるようになったことで見た目の高級感もさらに磨きがかかり、美しい顔立ちに仕上がっていますね。
Cal.3186やCal.3285などハイスペックなムーブメントが搭載されていることもGMTマスターが人気な理由の1つでしょう。
どちらもスイス公認クロノメーター検査協会(COSC)のテストに合格したムーブメントです。
そのため品質や性能においてはまさに天下一品級のものであることが証明されています。
ブルーパラクロムヒゲゼンマイが採用されており、温度変化や衝撃に対する耐性が非常に強いのが特徴です。
「空」での使用に特化した腕時計ということで、防水性は低いのかと思いきや防水面にも抜かりありません。
防水100mという空での使用には十分すぎるスペックで手洗い時はもちろん、水仕事の多いような方でも安心して使用することができます。
業界トップの技術力を誇るロレックスはさすがといったところですね。
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個性的でユニークなカラー展開で知られるGMTマスターには一部の個体にだけ存在する特徴を兼ね備えたレアモデルの存在もファンの間では激熱な話題です。
デイトナやエクスプローラーなどロレックスの一部モデルにだけ存在するレア個体は残存数も少なく市場でも非常に高い価値があります。
ここでは他モデルに比べ比較的レア個体の種類が豊富といわれるGMTマスターの中で代表的なものを3つご紹介します。
1つ目はスティック文字盤といわれる個体で第2世代であるRef.16710の一部個体で確認されました。。GMTマスターⅡの文字盤中央下部には「GMT-MASTERⅡ」という表記があります。通常個体との違いは「Ⅱ」の表記です。
スティック文字盤と呼ばれる個体は「Ⅱ」の上下の横棒が省かれています。パッと見た感じではわかりにくい違いとなりますが、文字盤表記を凝視すると「Ⅱ」の表記の微妙な違いが確認できるでしょう。
たったこれだけの差と思われるかもしれませんが、市場では通常よりも数十万円程高値で取引されているので驚きです。
2つ目はミラーダイヤルとよばれる個体で、前身のGMTマスターRef.1675で確認されています。GMTマスター誕生初期の一部個体のみに存在し、ベゼルが鏡のように透き通って輝いています。GMTマスターⅡでは現時点で確認されておらず、かなりアンティークな個体だけに存在している状況です。
生産年が古い個体にしか存在せず、状態の良い個体数も年々減っているため、400万円以上の価値がつくことが多くなっています。
3つ目はロングEと呼ばれる個体で、こちらもGMTマスターRef.1675のみで存在しています。GMTマスターは文字盤中央上部に「ROLEX」という表記がありますが、注目すべきは「E」の表記です。
「E」という文字の真ん中の線の表記が微妙に長い個体が「ロングE」と呼ばれています。
専門家やコレクターでなければなかなか分かりにくい特徴にはなりますが、コアなファンはこうした小さな違いも見逃さなないので需要は年々上昇傾向です。
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3つのタイムゾーンが把握可能なGMTマスターⅡは、ロケで海外に行くことも多い芸能人の間でも非常に重宝されているモデルです。
たびたび海外ロケのオフショットやプライベートでの姿がメディア等で報じられた際には腕元の時計がちらりと見えることがありますよね。
そんなシーンでGMTマスターⅡを身に着けている芸能人はこれまでにも数多く見受けられました。
ここではGMTマスターⅡを愛用している芸能人とその着用モデルについてご紹介していきます。
芸能人名 | 職業 | 着用モデル |
---|---|---|
葉加瀬太郎 | ヴァイオニリスト | Ref. 16710 |
坂本昌行 | 歌手・俳優・タレント | Ref. 16710 |
武田真治 | 俳優 | Ref. 16710 |
向井理 | 俳優 | Ref. 16700 |
浜田岳 | 俳優 | Ref.126710BLRO |
間宮祥太朗 | 俳優 | Ref. 16760 |
陣内孝則 | 俳優 | Ref. 116710LN |
登坂広臣 | 3代目J soul brothers | Ref. 16718 |
矢作兼(おぎはやぎ) | お笑い芸人 | Ref. 116710BLNR |
戸塚祥太 | A.B.C-Z | Ref. 126710BLNR |
日本の芸能人では上記10人の方がGMTマスターⅡを着用されていることが確認されています。
俳優やアーティストとして活動する方が多い印象ですね。
仕事の関係上海外に遠征することも多いでしょうから、GMT機能が搭載したGMTマスターⅡは非常に重宝するのではないかと思われます。
この10人の中でもGMTマスターⅡを着用されていることで有名な2人の芸能人をご紹介します。
日本を代表する偉大なヴァイオニリストの葉加瀬太郎さんはGMTマスターⅡRef.16710を着用されています。
ドキュメンタリー番組『情熱大陸』のテーマ曲「情熱大陸」の作曲やNHK連続テレビ小説『てっぱん』を手掛けた方としても有名ですね。
葉加瀬さんはメジャーな時計メーカーの定番モデルが好きだと公言されていて、職人さんが情熱を込めて作ったストーリーに心惹かれるのだと話しています。
GMTマスターⅡRef.16710は20年弱に渡って製造されたロングセラーモデルで、GMTマスターⅡの中では最も歴史の深いモデルになりますし、選ぶのは必然といえるでしょう。
音楽の才能を武器に世界を渡り歩く葉加瀬さんにはぴったりですね。
俳優やタレントとして活動する武田真治さんもGMTマスターⅡのRef. 16710を着用されています。
武田真治さんは中世的な顔立ちが特徴でドラマや映画などにも引っ張りだこな俳優さんです。
筋肉質でどこか色気漂う体型の武田さんの腕にしっかり馴染んでいて大人の男感がより一層引き立っていますね。
やはりロレックスの時計はインパクトが強いのでダンディーで年齢を重ねてきた方の腕にはよく映えるなと感じました。
ロレックスは世界的なレベルで腕時計業界における圧倒的なシェアを獲得しているので、海外の有名人でも着用している方は多いです。
ここではロレックスGMTマスターⅡを着用されている海外の有名人についてまとめています。
芸能人名 | 職業 | 着用モデル |
---|---|---|
クリスティアーノ・ロナウド | プロサッカー選手 | Ref.116769TBR |
ロナウジーニョ | 元プロサッカー選手 | Ref. 126715CHNR |
アダム・レヴィ―ン | ミュージシャン | Ref. 116758SARU |
ジョン・ラーム | プロゴルファー | Ref. 126719BLRO |
アダム・スコット | プロゴルファー | Ref. 126711CHNR |
海外ではスポーツ選手を中心にセレブとしても有名な方々の間で着用されていることが多い印象ですね。
着用モデルを見てもGMTマスターⅡの歴史の中では比較的新しい6桁型番かつ見た目が華やかでゴージャスなラグジュアリーモデルを選択されている方が目立ちます。
このレベルの方々ともなると、1本だけを保有されているというよりは、複数の高級腕時計をシーンに合わせて使い回しているのではないかとも思われます。
そんな方々からも目をつけられるということはやはり、GMTマスターⅡの魅力の高さ故だといえるでしょう。
https://piazo.jp/article/20210928-ROLEX-GMT-MASTER-II-126710BLNR/
陸や海だけでなく空の世界でも制すことに成功したロレックスGMTマスター。
そんなGMTマスターシリーズのさらなる上位モデルとして誕生したのが今回ご紹介したGMTマスターⅡというモデルです。
他のモデルではお目にかかることのできないユニークなカラーリングや高性能なスペックなどGMTマスターⅡならではの魅力が多数ありますので、周りの友人とはちょっと違った雰囲気で差をつけたいという方はぜひお手とってみてはいかがでしょうか。
ここ最近で誕生したラグジュアリー感の強いモデルも魅力ですが、生産年の古いモデルもレア個体の存在などありますので、資産性としても申し分ないアイテムだと自信を持って言えます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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