ロレックスの「チェリーニ」というコレクションをご存知でしょうか。
サブマリーナ―やエクスプローラー、定番モデルとは一風変わったデザインと顔立ちを持つモデルで、ロレックスの中ではドレスウォッチの1つとして知られています。
ロレックスのドレスウォッチといえば、デイトジャストが一般的ですが、チェリーニはデイトジャストとも一線を画すコレクション。
市場に流通した数は少なくコレクターや愛好家から密かに注目を集め続けているアイテムです。
定番モデルとは一味違うニッチで珍しいモデルをお探しの方には非常におすすめできます。
本記事ではそんなロレックスチェリーニの特徴や人気、価格の変動状況などまとめています。
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引用：https://store.shopping.yahoo.co.jp/closer0510/690547.html
チェリーニというと聞き馴染みがなく、比較的新しいモデルだと思いますよね。
実はチェリーニの歴史は非常に長く、1928年にまで遡ります。
イタリア・ルネッサンス期の彫金・彫刻家として名を馳せていた「ベンヴェヌート・チェッリーニ氏」にちなんでチェリーニという名前が付いた由来です。
チェリー二を知る上でまず知っておきたい点が、非防水かつ自動巻き機構を搭載していないことでしょう。
通常ロレックスといえば、高い防水性を誇る「オイスターケース」とハイスペックな「自動巻き機構」など三大発明を評価されていますが、チェリーニはそのどちらも持ち合わせていないモデルです。
にも関らず長い歴史を築き続けてきた背景には、ドレッシーな雰囲気を極限まで高めたデザイン性の高さが関係しています。
シンプルですっきりした印象のスムースベゼルとギザギザの刻みが特徴的なフルーテッドベゼルを組み合わせたベゼルが特徴的で、ラグジュアリー感をより一層引き立てています。
また、チェリーニはブレスに革ベルトを採用した個体の多いモデルです。
通常ロレックスは、金属ベルトを採用した重厚感のあるブレスのイメージが強いですよね。
しかしチェリーニの場合、非防水でオイスターケースを必要としない分、ステンレス自体の厚みを抑えられるので、革ベルトでも違和感なく馴染む1本となっているのです。
逆にオイスターケース搭載モデルの場合、性質上どうしてもステンレスの厚みが目立つため、革ブレスではどこか違和感が生じます。
そのため、ロレックスの定番モデルでは革ベルトではなく金属ブレスが採用されるのです。
その意味でいえば、チェリーニはロレックスの最も大きな強みである防水性と自動巻き機構を捨てて全く別の雰囲気を手に入れた異端児的なモデルともいえます。
引用：https://item.rakuten.co.jp/auc-rasin/u-4170/
ここではロレックスチェリーニの魅力について3つご紹介します。
チェリーニは発売された時期によって形状やデザインが異なります。
特に誕生初期のモデルではレディスモデルを彷彿とするようなスクエア型でレトロチックな形状のデザインのモデルも製造されており、人気があったといわれています。
幅広い種類から選べるアイテムだからこそ独自の雰囲気を楽しめるのもアンティークチェリーニの魅力の1つです。
防水性・自動巻き機構と引き換えに究極のドレスウォッチとして誕生したチェリーニは非常にシンプルでエレガントな雰囲気を放出しています。
そのデザインは、特別な式典やセレモニー、格式ばったパーティーシーンで活躍してくれること間違いなしです。
ニッチなモデル故、周囲と被らず身に付けられるのも時計好きとしては嬉しいポイントではないでしょうか。
エレガントな雰囲気を演出する要因となっているのが素材です。
チェリーニでは、素材としてゴールド・プラチナなど貴金属のみを採用しています。
それ故、定価は他モデルよりも高めですが、より一層高級感ある仕上がりとなっています。
革製ベルトによって金属ブレスよりも温かい雰囲気が出るのも嬉しいですね。
チェリーニの初代モデルは、「チェリーニ プリンス」というモデル。
チェリーニには、「医師に対する贈り物」という意味が込められています。
その他、チェリーニからは7つのモデルが誕生しました。
それぞれ見ていきましょう。
引用：https://www.daikokuya78.com/product/men-s-watches-rolex-cellini-1254932
チェリーニ プリンスはチェリーニの中でも初代を飾るモデル。
アンティークチェリーニの中では一際人気の高いモデルとなっています。
1928年の誕生から様々なバリーエーションが製造されていますが、文字盤が上下に分かれている点はどの個体も共通です。
文字盤上部は2つの針から成る時計、下部には秒針の位置を示すスモールセコンドが搭載されています。
スモールセコンドは当時、脈を取るのに最適だったことから通称・ドクターズウォッチとも呼ばれ親しまれていました。
「医師に対する贈り物」という意味が込められている理由の1つが、このスモールセコンドでしょう。
元々の製造個体数も少ない上、2016年で廃盤となり入手難度は年々高まっています。
引用：https://item.rakuten.co.jp/
ダナオスはクッション型でふっくらと柔らかな雰囲気を持つモデルです。
ホワイトゴールド×ブラック、ピンクゴールド×ブラックなどツートンカラーの文字盤やアラビアインデックスとバーインデックスを交互に配列した文字盤などバリエーションは様々存在します。
プリンスよりもちょっと遊び心のある個性的なデザインを求めるならダナオスがおすすめです。
比較的珍しいコレクションといわれるチェリーニの中でもさらに一線を画すデザインの1本といえます。
引用：https://store.shopping.yahoo.co.jp/
チェリーニのハイエンドモデルとして1982年に誕生したチェリニウム。
プラチナ素材を贅沢に使用したよりドレッシーさの光る1本となっています。
アイスブルーやマザーオブパールなどチェリニウムならではの美しいカラーも存在し、コレクターのアイテムでは高い人気があります。
引用：https://store.shopping.yahoo.co.jp/
チェリーニデイトは、チェリーニにデイト機能を搭載して2014年新たなラインナップに加わりました。
文字盤の右側に時計の針のような日付表示が追加されています。
2014年製造モデルのためかデザインは現代のロレックスと近しい雰囲気で、全体的な機能面もスペックアップしています。
デイト表示が付いてもエレガントさは決して衰えず、美しく惹きたてられているのが特徴的です。
引用：https://www.daikokuya78.com/product/men-s-watches-rolex-cellini-98303
チェリーニタイムは、チェリーニの歴史上、最もシンプルで落ち着きのある雰囲気が魅力の1本です。
円周よりも一回り内側に秒を示すローマ数字が印字され、視認性の向上に寄与しています。
ムーブメントにはスポーツモデルで採用されることの多いCal.3132が搭載されました。
チェリーニでスポーツモデル共有のムーブメントが採用されたのはタイムが初となります。
ドレスウォッチながらスポーツモデルのような視認性の高さも併せ持った日常使いしやすいモデルです。
引用：https://store.shopping.yahoo.co.jp/
デュアルタイムはその名の通り、2つの時刻を同時把握可能なGMT機能を搭載したモデルです。
第二時間はダイアルの6時位置に表示されています。
インダイアルの小窓には太陽と月のシンボルマークが切り替わる仕様となっており、昼か夜か大別できます。
フルーテッドベゼルの緻密な装飾も美しく非常に煌びやかな印象のある1本です。
引用：https://www.kyoto-komaki.jp/SHOP/50401293.html
ムーンフェイズはその名の通り、「ムーンフェイズ機能」を搭載したモデルです。
文字盤に付きの満ち欠けを表示する機能が搭載しており、月の満ち欠けや潮の満ち欠けを知ることができます。
シンプルでエレガントなデザインにブルーエナメルの煌びやかなディスクが入り、より特別感のある1本に仕上がっています。
華やかなパーティーシーンにより一層彩りを与えてくれるのはもちろん、天文学や幻想的な空間が好きな方にもおすすめできる1本です。
良い意味ロレックスらしさがなく定番外しには持ってこいのチェリーニ。
ただ周りで身に付けている方を目にしたことがある方は少ないでしょう。
販売店でも目にする機会がなかった方がほとんどかと思います。
そのぐらい市場に出回った数の少ないコレクションなのです。
それ故に、チェリーニは人気がないモデルなのではないかと感じる方も少なくありません。
ただ実際どうなのかといえば、決して人気がないわけではないのです。
腕時計の人気を確かめる手段として最も分かりやすいのが中古市場での買取相場です。
中古市場での買取相場が高いということは、一定の需要があり安定した価値を持つアイテムであることの証明になります。
その実態を確かめるために、チェリーニの買取相場詳細を一覧でまとめてみました。
| モデル名 | 定価（税込） | 平均買取相場 |
|---|---|---|
| チェリーニ デイト Ref.50515 | 1,886,500円 | 1,300,000～1,500,000円 |
| チェリーニ タイム | 1,609,300円 | 1,000,000円～1,100,000円 |
| チェリーニ デュアルタイム | 2,053,700円 | 1,200,000円～1,500,000円 |
| チェリーニ ムーンフェイズ | 2,830,300円 | 2,220,000円～2,800,000円 |
状態によって多少前後しますが、比較的高い価格帯で取引されていることが分かります。
リセールバリューで見ても各モデル70％程の数値を維持している状況です。
一般的なブランド腕時計のリセールバリューは30％から40％あれば良いとされますので、チェリーニのリセールバリューはかなり高いといえます。
つまり、チェリー二を身に付けている人がいない＝人気がないのではなく、単にチェリーニを知らない人が多いだけで知っている人の間では一定の人気を集めているということです。
実際、チェリーニはロレックス特有の重そうな感じがなく、主張が強すぎて悪目立ちすることもありません。
このような良い意味でロレックスらしさがない所に魅力を感じる方も多いのでしょう。
一部の層からは高い人気を集めているのが分かった所で、もう1つ知っておきたいことがあります。
実は2023年時点で全てのモデルがもう製造されていない、廃盤になってしまったのです。
2021年頃にムーンフェイズ以外のモデルが公式サイトから姿を消して以降、2023年には最後の砦となったムーンフェイズの取り扱いも終了しました。
廃盤理由に関しては様々な声が飛び交っていますが、1番大きな要因は定番モデルと比較すると売れ行きが伸び悩んでいたからではないかといわれています。
チェリーニというモデルだけで見れば、一定数の需要があったとはいえど、ロレックスというブランドの括りで見れば、いま一つだったのでしょう。
ただ、この廃盤を機に中古市場では相場の高騰が起こるのではないかとも考えられています。
廃盤によってチェリーニの相場が高騰する可能性は高いといえます。
一般的にロレックスの過去モデルで廃盤となったモデルは相場が高騰する傾向にあるからです。
売れ行きがイマイチだったとはいえど、それはロレックスの定番モデルと比較した話。
廃盤になる以前も中古市場では比較的高い価格で取引されていたことからも、決して売れていなかったわけではないことが分かります。
しかし、ロレックスが理想とする売れ行きには今一つ届かない状況だったが故の廃盤だったと考えると、廃盤需要も相まって新品の在庫が販売店に残ったままの状況が続くとは考えにくいです。
そもそもロレックスのブランドイメージ的に在庫が売れ残ることは1番避けたい所。
そう考えると一定の需要がある間に廃盤にして希少性を高めた方がロレックスのブランドイメージ的には都合が良いですし、相場高騰はむしろ必然ともいえます。
今後チェリーニの価格相場がどうなるかについても注目して見ていきたいですね。
ここではロレックスチェリーニを身に付けている有名人についてご紹介します。
| 有名人名 | 着用モデル | 型番 |
|---|---|---|
| ニコラス・ケイジ | チェリーニ ムーンフェイズ | Ref.50535 |
| バラク・オバマ | チェリーニ タイム | Ref.50509 |
アメリカの映画俳優であるニコラス・ケイジ氏、アメリカ大統領のバラク・オバマ氏が着用されていたことが確認されています。
お二人とも世界的に有名な方ですし、ハンサムでクールな顔立ちですから非常にお似合いですね。
一方、日本人で着用されている方は確認されていない状況です。
ドレッシーでエレガントなイメージのある1本ですので、海外セレブを中心として密かに人気を集めているのではないでしょうか。
本記事では、ロレックスチェリーニの特徴や人気、身に付けている有名人など詳しく解説しました。
記事内でお話した内容をまとめると以下の通りです。
現時点で、チェリーニは全モデルが廃盤となっており、購入するなら中古市場で探すことになります。
ニッチモデルかつ市場に出回った数も少ない希少アイテムだからこそ周りと被ることなく楽しめる個性豊かなコレクション。
ドレスウォッチ好きの方はぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
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