ビーチリゾートを楽しむ富裕層向けモデルとして誕生したロレックスのヨットマスター。
ラグジュアリー感漂う外見からロレックスの中でも一際上品度の高いアイテムです。
2007年には上位機種となるヨットマスターⅡも登場しました。
ヨットマスターⅠがセレブ向けのドレスモデルとするなら、ヨットマスターⅡはプロフェッショナル向けのスポーツモデル。
当時のロレックスにはなかったデザインや機能性を兼ね備えた異質モデルとして目覚ましい進化を果たしています。
本記事ではそんなヨットマスターⅡの歴史や価格推移、前モデルとの違いなど詳しくまとめています。
ヨットマスターⅡに興味をお持ちの方は参考にしてみてください。
引用:https://www.thewatchcompany.co.jp/
ヨットマスターⅡは本格的な競技としてヨットを使うプロフェッショナル向けの時計として2007年よりバージョンアップして誕生しました。
発売当初はイエローゴールドとホワイトゴールドを素材とした金無垢の2種類展開だったため、セレブ向けというコンセプトは残ったままかと思われていました。
しかし、2011年にピンクゴールド×ステンレススチールのコンビモデルが登場し、良い意味でファンの期待を裏切ってくれています。
その後、2013年にはオールステンレスモデルも登場し、これまで派手過ぎる外見から敬遠していたような人からの注目も集めるようになったのです。
ヨットマスターⅠはセレブ向けウォッチというコンセプトが故、避ける方も少なくありませんでしたが、ヨットマスターⅡではスポーティな雰囲気を併せ持つことで上手く抑制できています。
ヨットマスターⅡは2017年に文字盤のデザインや形状などを大幅に変えるマイナーチェンジを実施しています。
そのマイナーチェンジにより、ヨットマスターⅡは大きく2種類に分けられるようになりました。
同じ型番のモデルでも、製造年によって下記2つ点で違いが見られます。
1つ目が針の形状と色です。
ヨットマスターⅡで新たに採用されたベンツ針が、見た目の印象を大きく変えています。
ベンツ針といえば、ダイバーズウォッチやスポーツモデルに見られる特徴で、針の形状の変化からもロレックスのコンセプトが変わったことが伺えます。
2つ目が文字盤上部(12時の位置)にあるインデックスの形状が変わっていることです。
微細な変化ではありますが、視認性の向上に大きく寄与しています。
パッと見た感じでもヨットマスターⅡの方が見やすいですよね。
インデックス縁の色も内面のカラーに合わせてブルーからシルバーへと変化しています。
引用:https://www.thewatchcompany.co.jp/
ヨットマスターで最も特筆すべき特徴の1つが、レガッタクロノグラフです。
レガッタクロノグラフはヨットレースでの使用を想定してプロフェッショナルな機能を搭載したクロノグラフのことです。
クロノグラフ自体は通常のモデルと変わらないのですが、他のモデルでは決して見ることのできない特徴が2つ存在します。
それぞれ詳しく解説します。
ヨットレースではヨットを風に乗せておく必要がある
1つ目がカウントダウン機能です。
あまり知られていませんが、ヨットレースではレース開始6分前にカウントダウンが始まります。
カウントダウンが必要な理由は、実際のヨットをイメージしてみると分かりやすいでしょう。
ヨットは風に乗らないと進まないですよね。
開始6分前からヨットを風に乗せて、スタートと同時にレースがスムーズに開始できるようにカウントダウンが実施されているのです。
カウントダウン機能を搭載した時計なら、レース開始までのカウントダウン時間と実際の時刻を一目で把握することができます。
引用:https://www.thewatchcompany.co.jp/
先端が赤枠の針がカウントダウンの時間を示す針です。
この針をカウントダウンの時間に合わせてセットすると、時間が1分進むごとにカウントダウン針が0に近づいていきます。
ヨットレースではスタート時刻に合わせてスムーズなスタートを切れるかどうかも勝負を分けるポイントになるので、プロのレーサーにはまさに必須な機能なのです。
カウントダウン機能と合わせてもう1つ注目すべきがシンクロナイゼーション機能。
シンクロナイゼーションとは簡単に言うと、カウントダウンを修正するための機能のことです。
カウントダウン中誤差があることに気付いた際、4時位置にあるプッシュボタンを押すとクロノグラフ秒針が瞬時に12時位置に戻るのです。
プッシュボタンを離すと再びカウントダウンが再開します。
この時カウントタイマーも連動しており、秒針の位置によってカウントダウンの時間が変わります。
この仕組みにより、カウントダウン中、万が一誤差があることに気付いても冷静に対処することができます。
こうした複雑な機能を実現させた要となっているのがCal.4161というムーブメントです。
Cal.4161といえば当時デイトナRef.116520にも搭載されていた、非常にスペックが高いと名高いムーブメントです。
ロレックスはこのムーブメントを改良してリングコマンドベゼルと組み合わせました。
この組み合わせこそがヨットマスターⅡの特殊な機能を実現させており、後に特許も取得しています。
ヨットレーサーが身に着けるならこれ以上ない程素晴らしいスペックですが、日常生活でこれら機能を使う機会はほとんどなさそうですね。
引用:https://parents.inetccu.shop/
ここからはヨットマスターⅡの歴代モデルを時系列で見ていきましょう。
ヨットマスターⅡは素材のバリエーションで見ると以下4つが存在します。
誕生当初は前モデルのヨットマスターⅠと同様、かなり派手な印象ですが、ステンレススチールが使われるようになってからはスポーティさが増し、爽やかな雰囲気に仕上がっています。
引用:https://grluxury.sg/product/r
2007年にヨットマスターに初代モデルとして誕生したのが以下2モデル
初代モデルはヨットマスターⅠの面影を強く残した仕上がりでのデビューとなりました。
ベゼルにブルーを採用したモデルはこれまでのヨットマスターでは存在しなかったため、当時ファンから大きな注目を集めています。
スペック面は下記の通りです。
ヨットマスターⅠのサイズは、37mm、40mm、42mmの3種類でしたので、ヨットマスターⅡはそのどれよりも大きいモデルということになります。
使用シーンは船上ですが、防水性能は100mと抜かりありません。
引用:https://www.uhren2000.de/uhren/
ヨットマスターⅡが世に出てから4年後の2011年。
ステンレススチールと18Kピンクゴールドのコンビモデルがラインナップに加わります。
当時スポーツモデルで18Kピンクゴールドを採用したモデルはRef.116681が初めてでした。
ヨットマスターⅡで採用された18Kピンクゴールドは別名「エバーローズゴールド」とも呼ばれるロレックス独自の素材です。
ピンクゴールドといえば、通常経年劣化による色褪せが目立ちやすいのが特徴です。
しかし、ロレックスが独自に開発したエバーローズゴールドは、プラチナを少量混ぜることで経年劣化による変色の抑制を実現させています。
スペック面は2007年に登場した初代モデルと同様です。
引用:https://drouot.com/en/l/19579078-rolex-yachtmaster-ii-ref-11668
2013年にはファンが待ち望んだオールステンレスモデルとなるRef.116680が登場。
ステンレスもただのステンレスではなく、腕時計業界ではロレックスだけが採用する「904Lスチール」が使われており、実用性の面でも非常に使い勝手の良い1本になりました。
この時期より、新型ムーブメントとなるCal.4161が採用されるようになっています。
Cal.4161の採用により、メンテナンス性・カウントダウン機能の精度アップに成功しました。
外見の印象もかなりスポーツモデルらしい顔立ちへと変わり、爽やかな雰囲気が出ています。
引用:https://drouot.com/en/l/19579078-rolex-yachtmaster-ii-ref-11668
ヨットマスターⅡの歴史上、大きな変革期となったのが、2017年。
この時期、ヨットマスターⅡはマイナーチェンジが実施され、文字盤の色や形状が変わり、見た目の印象がガラリと変わりました。
スポーツモデル特有のベンツ針も採用され、よりスポーツモデルらしいインパクトのある顔立ちに仕上がっています。
定番外しのニッチな1本というイメージが強いヨットマスターでしたが、スポーツモデルの道を歩み出したヨットマスターⅡは良い意味で派手過ぎず、かっこいいです。
これまでドレスウォッチということで抵抗を持っていた方の中にも興味を持つ方が増えてくるのではないでしょうか。
引用:https://www.kingsroad.jp/SHOP/used-10936.html
ここではロレックスヨットマスターⅡの定価や価格推移についてまとめています。
まずは参考定価から見ていきましょう。
ヨットマスターⅡは製造年が古いモデル程定価が高い傾向にあります。
誕生当初のモデルといえば、イエローゴールドやホワイトゴールドなど金無垢を素材としたモデルになりますので、当然高価になってしまうわけです。
ステンレスとのコンビやオールステンレスだと下がりますが、それでも200万円近い価格となっています。
ヨットマスターⅡは正規店で新品を購入するよりも中古品の方が高くなりやすいです。
これは、ヨットマスターⅡに限らずロレックス全てのモデルで共通の特徴となっています。
近年ロレックスはスポーツモデルを中心に需要が高まり、それに乗じて中古市場での価格も高騰しているのです。
直近では金無垢モデルが400~500万円程度、ステンレスモデルが200~300万円程度で推移しています。
2021年頃より急速に高騰して以降、上記価格帯のまま2年程安定している状況ですので、資産性もかなり高いといえるでしょう。
現在、ロレックスは全てのモデルが購入困難な状態ですので、購入を検討している方は中古市場の相場がこれ以上インフレする前の購入がいいかもしれませんね。
https://gc-yukizaki.jp/i/W228279
ここではヨットマスターⅡを使用する際に注意すべきことを3つご紹介します。
ヨットマスターⅡは繊細で珍しい機能性故、誤った使い方により故障を招くリスクも大きいです。
故障した場合、修理が必要になりますし、アイテムとしての価値も落ちてしまいます。
そうならないよう日頃から細心の注意を払って使用することが大切です。
着脱時の落下には注意しましょう。
ロレックスは耐久性の優れた腕時計だといわれますが、落下によって傷が付かないわけではありません。
時計の硬度以上の衝撃が加われば当然傷が入ります。
特に誕生当初の金無垢モデルは、金の純度が高いが故、非常に傷つきやすいです。
着脱時の落下には細心の注意を払う他、
などシーンやタイミングを選び、丁寧に扱いましょう。
カウントダウンの停止忘れには注意しましょう。
カウントダウンが終了しても秒針は自動で止まるわけではありません。
自分で止めない限り、カウントダウンの秒針は動き続けるのです。
止めないまま放置していれば当然ですが故障を招く原因となります。
カウントダウンを開始した後は止め忘れに注意して使用するようにしましょう。
最低でも5年に1回は定期的なメンテナンスを行いましょう。
ヨットマスターⅡのような機械式腕時計は、定期的に「オーバーホール」というメンテナンスが必要になります。
オーバーホールとは、時計の内部を分解して、部品に不備がないか点検する作業のことです。
基本的にはロレックス正規店か専門の修理業者に依頼することになります。
料金は正規店で6~10万円程度、専門の修理業者で3~6万円程度かかることが多いです。
オーバーホールしないまま故障させてしまうことを考えるとかなり安い出費だと思いますので、忘れないようにしておきましょう。
ヨットマスターⅡは時計を愛する芸能人や著名人からも広く知られています。
芸能人名 | 職業 |
---|---|
ノブ(千鳥) | お笑い芸人 |
たかし(トレンディエンジェル) | お笑い芸人 |
デビッド・ベッカム | 元サッカー選手 |
コナー・マクレガー | 格闘家 |
皆さん腕元でヨットマスターⅡが美しく映え渡ってそうですね。
購入したいけど似合うかどうかで迷っている方は芸能人の着用例も参考にしてみてください。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/marukou78
本記事では、ヨットマスターⅡの歴史とともに特徴や価格推移など解説しました。
ヨットマスタ―Ⅱはサブマリーナやデイトナなどに比べると定番外しのニッチモデルです。
とはいえ最近はロレックスの急速な需要拡大に伴い、定番以外でも入手するのは非常に困難な状況となっています。
ロレックスを探している中で見かけることがあればぜひとも手に取っておきたいアイテムの1つです。
何としてもロレックスのスポーツモデルを購入したい方は、定番程狙う方の少ないヨットマスターⅡに目を向けてみてはいかがでしょうか。
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