「愛用の時計を綺麗にしたくて、超音波洗浄機を使ってみようかな…」
超音波洗浄機は、細かい部分まで綺麗にすることができるので魅力的ですよね。
しかし、「時計を傷つけてしまうかも…」と心配な方もいるでしょう。
この記事では、時計の超音波洗浄について、メリット・デメリットを詳しく解説します。
また、時計を傷つけずに綺麗に保つための正しいお手入れ方法もご紹介します。
愛用の時計を長く大切に使いたい方は、ぜひ参考にしてください。
結論から申し上げますと確実に壊れるわけではありませんが、大切な時計であれば使わない方が無難です。
特に腕時計の本体部分は防水機能付きであっても使ってはいけません。
防水機能付きの腕時計であっても超音波洗浄機が生み出す小さな振動により時計本体に浸水してしまう可能性があるからです。
ネット上では実際に高級機械式腕時計を超音波洗浄機で洗った結果壊れてしまった体験談も投稿されています。
そのため超音波洗浄機の説明書で腕時計も洗浄OKと書いてあったとしても本体部分は洗わないのが無難です。
金属ベルトのベルト部分だけであれば、超音波洗浄機を使用しても問題ありません。
超音波洗浄機を使えば通常の手洗いやブラッシングでは落とす事のできない小さな汚れや細かい隙間部分の汚れも落として綺麗にできます。
腕時計の金属ベルトは細かい凹凸が多いため皮脂や汚れが溜まりやすく、お手入れをしないまま使い続けていると黒ずみやくすみの原因になってしまいます。
そうならないための対策として定期的に超音波洗浄機を使用するのは非常に効果的です。
超音波洗浄は、水や洗浄液を超音波振動させることで、物体に付着した汚れを強力に落とす技術です。
超音波洗浄機の中に置かれた液体が、超音波振動によって微細な泡(キャビテーション)を無数に発生させます。
この泡が破裂する際に発生する衝撃波が、物体の表面に付着した汚れを剥がし、細かい隙間に入り込んだ汚れも取り除きます。
微細な汚れや隙間に入り込んだ汚れまで、短時間で効率よく落とせる上に物体を傷つけにくくて優しく洗浄できるのが魅力です。
超音波洗浄機は、その強力な洗浄力で、様々な汚れを落とすことができますが、全ての汚れに効果があるわけではありません。
超音波洗浄機は、その強力な洗浄力で、様々な汚れを落とすことができます。
ここでは、超音波洗浄機で効果的に落とせる代表的な汚れについて詳しく解説します。
人間の肌から分泌される皮脂は、メガネやアクセサリーなどに付着し、黄ばみやベタつきを引き起こします。
超音波洗浄機のキャビテーション(空洞化現象)が、皮脂汚れを細かく分解し、洗浄液に溶け出しやすくします。
パソコンのキーボードや、細かい隙間が多い製品に溜まりがちなホコリも、超音波洗浄機の得意とするところです。
超音波振動によって、ホコリが浮き上がり、洗浄液と一緒に洗い流されます。
金属製品に発生する酸化皮膜は、見た目を悪くするだけでなく、製品の寿命を縮める原因にもなります。
超音波洗浄機は、この酸化皮膜を効果的に除去し、金属本来の輝きを取り戻します。
目に見えないほどの微細な汚れも、超音波洗浄機を使えばスッキリ落とすことができます。
例えば、メガネレンズに付着した指紋や、アクセサリーの細かい溝に溜まった汚れなども、超音波の力で綺麗になります。
超音波洗浄機は、多くの汚れを効率的に落とせる便利なツールですが、全ての汚れに万能というわけではありません。
以下に、超音波洗浄機で落としにくい代表的な汚れとその理由について解説します。
染料汚れは、繊維の奥深くまで染み込んでしまっていることが多く、超音波洗浄だけでは完全に落とすことが難しい場合があります。
特に、色落ちしやすい染料や、時間が経って定着してしまった染料は、除去が困難です。
接着剤や塗料は、乾燥すると硬化し、非常に強い接着力を持ちます。
超音波洗浄では、この硬化した接着剤や塗料を剥がすことは困難です。
油性ペンやマニキュアなど、有機溶剤を使用した汚れは、超音波洗浄だけでは完全に落とすことが難しい場合があります。
有機溶剤は、多くのプラスチックやゴムを溶かしてしまうため、洗浄液の選択にも注意が必要です。
金属が腐食してできた汚れは、超音波洗浄だけでは完全に除去できない場合があります。
腐食によってできた凹凸や、金属内部への浸透は、超音波のキャビテーションでは対処しきれないことがあります。
時計の超音波洗浄は、短時間で効率よく汚れを落とせる便利な方法ですが、注意すべき点もいくつかあります。
超音波の振動は、金属製の時計ケースやブレスレットに細かい傷をつける可能性があります。
特に、メッキ加工された部分や、傷つきやすい素材の時計は、注意が必要です。
また、超音波洗浄機によっては、時計の部品が外れてしまう場合もあります。
たとえ防水機能のある時計であっても、超音波洗浄によってパッキン部分にダメージが加わり、防水性が損なわれる可能性があります。
特に、古い時計や、頻繁に超音波洗浄を行う場合は、注意が必要です。
超音波の振動が、時計の内部にまで伝わり、ムーブメントに悪影響を与える可能性があります。
特に、アンティーク時計や、複雑な構造の時計は、超音波洗浄によって故障するリスクが高まります。
ここでは時計を長持ちさせるためのケア方法について解説していきます。
愛着を持って長く愛用したい時計は、日々のちょっとしたケアが大切です。
汗や皮脂は、時計の金属部分や革ベルトを腐食させる原因となります。
特に夏場や運動後などは、柔らかい布で時計全体を優しく拭き取り、汚れを落としましょう。
防水機能のある時計であっても、長時間水に浸したり、高温のお湯にさらしたりすることは避けましょう。
不意に水に濡れてしまった場合は、すぐに柔らかい布で水分を拭き取ってください。
時計は精密機器です。強い衝撃は、内部の部品を損傷させる可能性があります。
腕につけたまま激しい運動をしたり、時計を落としたりしないように注意しましょう。
時計は磁気に弱く、誤動作の原因となることがあります。
携帯電話や磁石のそばに置いたり、強い磁場のある場所へ近づけないようにしましょう。
高温多湿な環境は、時計の内部に結露を引き起こし、故障の原因となります。
お風呂場やサウナなど、高温多湿な場所への持ち込みは避けましょう。
時計は、精密な機械が集まってできています。長年使用していると、内部の潤滑油が劣化したり、部品が摩耗したりします。
そのため、定期的なオーバーホールが大切です。
オーバーホールの頻度は、時計の種類や使用頻度によって異なりますが、一般的には3~5年に一度が目安です。
機械式時計の場合は、クォーツ式時計よりも頻繁なオーバーホールが必要となる場合があります。
万が一時計を超音波洗浄機にかけた後で壊れてしまった時でもオーバーホールを実施することで改善する可能性があります。
大切な時計が不具合を起してしまった場合は自己判断で修理せず信頼できる業者に相談してみてください。
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