機械式腕時計を愛用していると必ず必要になってくるのが定期的なメンテナンスですが、どのくらいの期間で行うのかはメーカー、ブランドによって意見の分かれるところです。
また、機械製品はなんでもそうですが品質保証というものが付いています。
通常、一般腕時計には1年間、海外高級ブランドでは2年間が平均で、ロレックス・オメガ・ブライトリング・チューダー・リシャールミルなど超高級有名ブランドになると5年間、カルティエ・パネライ・ジャガールクルトなどはメンバー登録をすると8年間まで保証を行うブランドもあり対応はメーカーによりさまざまです。
一般的に機械式腕時計のオーバーホールに必要な期間が3~5年といわれているため、それまでの期間の動作を保証するという意味合いで保証に関しては2年というのが一般的になっているようです。
そのため、3年から5年間ほど使い込んだ機械式腕時計であれば長く使用するために有償でオーバーホールなどのメンテナンスを行うことが必要になります。
これを行うか行わないかでは、後々の腕時計自体の性能に大きな影響を及ぼすことになるのできちんと認識することが大切になります。
このオーバーホールや長期間の使用による磨耗した部品の交換などですが、どの程度の年数までメーカーは保証してくれるものでしょうか。
国内メーカーに関してはメーカー同士の取り決めで製造終了後7年間となっているので、それ以降に関してはパーツ部品がなくなった時点で修理ができなくなります。
それでもグランドセイコーやガランテなどは10年間部品保有があり腕時計としては長い方です。
ロレックスになると製造終了後25年保有期間を設けていますので、現行の腕時計では最長の部品保障期間があるということになります。
しかし、疑問になるのは部品保有期間を過ぎた腕時計はすべて修理ができなくなるのでしょうか。メンテナンスの永久保証というのはないものでしょうか。
ロレックスやブライトリング、タグホイヤー、セイコーなど、基本的には部品保有期間がすぎたら修理やオーバーホールはできません。(メーカーでは)
しかし実のところを言うと、永久保証しているブランドは実際にあり、ブランドそのものが無くならない限りは永久にメンテナンスを受けてくれる機械式腕時計が存在します。
永久保証になると自分から子供に受け継いだ時計もメンテナンスしてくれる訳で、世代を超えて使い続けることができるようになります。
これを可能にしたブランドが、
上記の5社で、これらのブランドは腕時計の生産を継続していて会社が存続する限りは永久にメンテナンス、部品交換を保証しますというものです。
つまり気に入って購入し愛着のある大切な腕時計を一生ものとして使い続けることができるわけです。
いつの時代になっても修理・メンテナンスを必ず受け付けてくれるというのは、機械式腕時計を使う上で何よりも安心できる大きなポイントになります。
そして永久保証が付いている腕時計は価格も大変高価なものに多いです。
腕時計のメンテナンス永久保証はメンテナンスする際は有償になりますが、腕時計を使う上で寿命の長さが大幅に違い一生の間使い込めるものになります。
機械式腕時計は非常に精密な部品が数多く組み合わされて作られているものなので、部品が一つでも欠けるということは使用不能になることを意味し、時計そのものとして使えなくなってしまいます。
部品を永久に保管or製作していることがどれだけ重要なことかといういうことを永久保証を設けているブランドは理解しています。
そして永久保証を設けているブランドの腕時計を所有していれば、自分の子供、さらに孫の代までその腕時計を受け継いで使っていくことができ、家宝として大きな財産になります。
時計所有の世代交換になってもブランドが存続していれば、他のブランドでは受けられない修理・メンテナンスを受け続けることができ、価値あるものとして一生使っていくことができます。
現在、機械式腕時計の世界は何度目かの復興期を迎えており、その価値が再認識され再びコレクターなどが積極的に腕時計を購入、身に着ける人が増加しています。
さらに技術面からも大きな進歩が見られ、ロングパワーリザーブやクロノタイム、フライングトゥールビヨンや3Dフラインングトゥールビヨンなど今までになかった新しい技術の発明があり、より芸術的で美しく、機構が複雑な腕時計が多数発表されています。
この風潮からして今後、超高価な機械式腕時計、すなわちマニュファクチュールを実践しているブランドに関しては古参ブランドや新規参入ブランドも含めて長期間の保証延長やあるいは永久保証制度を打ち出すブランドが増加するのではないかとも言われています。
いままでロレックスではアンティークの時計のメンテナンスは行なっていませんでしたが、2019年から販売終了して25年以上経過した時計でもメンテナンスを始めました。
アンティークの時計は日本ロレックスではメンテナンスができない為、本国スイス送りになり、料金100万円からと高額で、納期も1年とかなり長いのでまだまだ一般的ではないですが、家電製品のように使い捨てを当たり前にするのではなく、一生ものの工芸品として腕時計に取り組むブランドが増加していることは非常に喜ばしい事であり、身に着ける人への価値観が下がらないような製品を作り続けることがマニュファクチュールブランドの使命と言えます。
又現在永久保証を明言していないマニュファクチュールブランド、例えばブレゲやランゲ アンド ゾーネなどは地味ながらも長期間にわたり修理受付を古いモデルから行っているので、ブランドとしてのプライドがこだわりの修理に生きている例も有ります。
永久保証でないブランドでも修理専門店ではデットストック部品が残ってる事もあります。
また、腕の良い時計修理技士は製造終了となった部品でも、旋盤という機会をつくり、自作で部品を作り上げてどんなに古い腕時計でも修理してしまう技士も実在します。ある程度高品質で後々まで使い込むに値する腕時計の場合にはメンテナンスをする側も誠意を持って応えてくれるので、腕時計を選ぶときの基準にしてもよいのではないかと考えることができます。
実際、ロレックスのように部品保有期間が25年のブランドでも、長期にわたってメンテナンスやオーバーホールをし続け、親から受け継ぎ子供が身につけている場合や、祖父がしていた腕時計を現在も孫が使用しているといった話は枚挙にいとまが無いので、信頼できる技術に裏打ちされた機械式腕時計というのは一生ものといえる品質と価値を持っているといえます。
永久保証でないブランドなので、メーカーではメンテナンスができない方も多いと思います。
こちらの記事ではおすすめの修理工房をまとめています
時計のオーバーホール本当におすすめの2つの修理店も参考にしてください。
IT機器や家電製品などがすっかり使っては買い替え、壊れると買ったとき以上の料金を修理に取られる時代の現在、永久に修理を保証してくれる機械式腕時計の世界はなんとも魅力的な世界と認めている人々が増えています。
永久保証ブランドの品質にこだわりぬいたクラフトマンシップとそれに応えるブランドのアフターサービスにかける思いが一生使い込める道具としての満足感を確かなものにします。これから一生に一本の腕時計を購入しようと考えている人はそのブランドがどこまで修理し続けることができるかをポイントにして選んで見ても良いのではないでしょうか。
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