機械式時計のピンクの石はルビーです!宝石が使われる本当の理由は?

カテゴリ:知識・雑学

機械式時計にはピンク色の石が使われてますよね。綺麗だなーあれはいったいなんだろう?って思った人は多いと思います。

私は初めてシースルーバックの機械式時計を見た時に歯車で構成されたメカニックの中に、あのピンクの石がポイントで入っていてカッコいいなって思ったのを今でも覚えています。

なんであのピンクの石が機械式時計に使われているのか数が多い方が良いのか。など以前練習用の機械式時計を分解した事があるので、その時の写真を使って詳しく説明したいと思います。

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ピンクの石の正体はルビー

機械式時計のアンクル

このピンク色の石はルビーです。

一見、宝飾として付いてるだけなのかと思ってしまいますが、宝飾にしては見えづらいムーブメント(時計の中)に付いていますよね。

あのルビーは飾りではなく機械式時計の制度や強度を守る大事なパーツになります。

ちなみにほとんどが人工ルビーです。

機械式時計に使われているルビーは何の役目をしているの?

機械式時計のムーブメント(時計の中身)は1秒を作るために、歯車が回転したり、テンプが往復運をしたりと、あらゆるパーツが動き続けています

例えば、ガンギ車は1時間に600回、1日11440回転ほどで動いてます、テンプは1秒に5振動から10振動ほど動いているので1日では40万〜80万前後動いている事になります。

機械式時計の針だけみていると分かりませんが、中の歯車は物凄く忙しく動いています。

こういった激しい動きをするパーツは自ら動くことにより接触部分との摩擦が生まれ金属がすり減ってしまいます。この現象を摩耗といいいます。

パーツが摩耗してしまうと動きが正確ではなくなってしまう精度を狂わせてしまいます。そのまま使い続けるとゼンマイの軸が折れて、やがて故障してしまいます。

摩耗を減らすためには硬く滑らかな素材が適しています。そこで使われたのがルビーです。

ルビーは摩耗を抑える。

機会式と時計のピンクの石 分解

ルビーは石の中でも硬い素材です。硬度が高いので耐摩耗性に優れています。

動きが激しいパーツを受ける部分にルビーを使う事で摩擦が減り回転の効率が良くなります。

肉眼では見えづらいですが、あのピンクの石には小さな穴が空いていてそこに、パーツのホゾ(軸)が刺さってクルクルと動いています。

綺麗に磨がかれた軸と、綺麗に磨がかれたルビーの接触面に石専用の油を落としす事で動いた時の摩擦をできるだけ防ぎます。

今は人工ルビーが支流ですがサファイアを使っていた時期もありました。その他にも高級機械式時計にはテンプの受け石にダイヤモンドを使っているものもあります。

ダイヤモンドやサファイアもルビー同様に硬度の高い石のため耐摩耗性に適した宝石です。

機械式時計の石数とは?

機械式時計を購入する前に性能を確認しますよね。

重さは何gなのか、ガラスはミネラルガラスなのかサファイアガラスなのか、持続時間は何時間くらいなのか、などなど。

この性能確認項目に石数またはJEWELSと記載された部分があります。

この石数やJEWELSが、この記事で説明しているピンクの石ルビーの数になります。

石数:25と記載されていたら、その時計では25個の受石がつかわれている事になります。

ルビーの数が多い方が良いってわけではない。

機械式時計の石数JEWELS

説明したとおりムーブメントにはパーツの耐久性を高めるためにルビーが使われています。

ルビーの数が多ければ多いほど耐久性の高い時計って事!?っと思ってしまいますがルビーは動きが激しく力がかかる軸を受けるの部分に使われていて手巻きで17箇所、自動巻きで21〜25箇所の石があれば十分とされております。

写真ではJEWELS17と彫られています。

つまりそれ以上の石数を増やしても意味がない部分に使かわらた石という事になります。

昔は高級感を出すために50個以上の宝石を使用した時計もあったようでしすが飾り石ということになります。

またよっぽど特殊な時計でない限り使われているムーブメントは、ある程度決まっているので石数も大幅に増える事はないといわれています。

ロレックスは歯車に人工ルビーの素材を使っている。

説明してきたとおり機械式時計では摩耗しやすい場所にルビーが使われています。

一般的には動きが激しく力がかかるパーツを支える部分にルビーは使われますが、ロレックスでは歯車の中でも特に摩耗しやすい切替車に人工ルビーを蒸着させ強度を強めています。

ルビーを使っていても摩耗はしてしまう。

綺麗に磨かれたルビーに磨かれた軸を刺してもパーツは、いつかは摩耗をしてしまいます。

色々な理由はありますが、油が劣化したり乾いたい状態で時計を動かす事が最も摩耗を続伸させてしまいます。

パーツが摩耗し削られると鉄粉がでます。動き続けるムーブメントのなかで、その鉄粉はヤスリのような役目をしてしまい更に摩耗を進めてしまいます。

定期的にオーバーホールは必要

機械式時計のムーブメント分解

どセイコーでもロレックスでもオメガでも3〜5年の間に一度、オーバーホール(分解掃除)を推奨していますよね。

機械式時計は使っていると油が汚れたり乾いたり固着したりと徐々に劣化します。

油の状態が悪いなか機械式時計を動かし続けるとパーツに負荷がかかってしまいます。

想像すると分かると思いますが、油の状態が悪い自電車はひどい音がしますよね。時計は小さいので音は聞こえませんが同じような状態です。

摩耗防止のためにも定期的なメンテナンスを行い良いコンディションを保つ事をおすすめします。

私のおすすめのオーバーホール先はこちら

こちらの記事

時計のオーバーホール本当におすすめの2つの修理店

に纏めてありますので、参考にして下さい。

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