時計職人になるには未経験の場合、専門学校入学するか時計修理工房に就職し弟子入りするかのどちらになります。
電池交換やベルトの調整くらいであれば、独学で行えますがオーバーホールや日差調整など分解に関わるメンテナンスは高い専門知識が必要となるので熟練した技術者から学ぶ必要があります。
時計修理の求人をみると、輸入代理店から時計買取店、時計工房まで様々な求人が掲載されていますが、どんなところに弟子入りや見習いにいくのが良いのか私なりに纏めてみました。
ちなみに時計修理職人の年収は技術によって異なりますが初任給は20万円くらいが一般的です。
私自身は時計科では無いですが、ヒコみずのに3年間在籍し、研修員を行なった経験があり職人という意味では多くの知り合いがいます。
そういった視点を含め纏めましたので、参考にしてもらえたらと思います。
自身の時計を趣味で分解しオーバーホール・修理を行う方もいますが、時計ムーブメントはブランドや機構によって変わるため、様々なキャリバーの知識が必要になり、独学で仕事にするのは困難だと思います。
時計の修理技術者と一口にいっても部品交換でしか修理が行えない技術者と、部品製作まで行える技術者がいます。
これから時計修理工房に見習いや弟子入りを考えている方はどういったメンテナンスを行なっている工房なのかで、身につける技術が大きく変わるので自分が目指すところを良く考えて見極める必要はあります。
修理専門店に弟子入りすれば様々な時計に触れ合う事ができますが確かな安定はありません。逆にメーカーに在籍するれば、そのブランドの時計しか触る事ができませんが給料は安定しています。
技術者としてどういった位置に向かっていきたいか具体的に考えて弟子入りする事が大切になります。
今の時計修理業界では部品の供給が比較的良いため部品交換対応での修理が一般的です。
そのため部品交換でしか修理が行えない技術者が多いです。
しかし交換部品を手に入れることが出来ないような、ヴィンテージやアンティークのロレックスやオメガの時計が近年注目をされていています。
天真や巻芯など手配不可ならば部品でも製作し修理可能な技術者は今後は必要とされると思います。
これから時計修理工房に弟子入りをされる方は、部品交換のメンテナンス技術だけではなく、時計旋盤を用いて部品製作まで行なっている工房への弟子入りした方が幅広い知識や技術を身につける事ができるのでおすすめです。
いずれは独立を考えてる方にとっても、部品製作が行える修理工房に弟子入りし技術を磨く事をおすすめします。
時計の修理やオーバーホールはすぐに出来るような仕事ではないので、技術や勘、コツなどを地道に磨いていくほか無いですが、それら努力に加え師匠の存在が大きいと技術者さんの話を聞いていて感じます。
時計のメンテナンスは、どこまでのサビを取るのか、精度はどのくらいまで追い込むのかなど、手を施し具合は技術者によってそれぞれ違います。
弟子入りした場合、その判断は工房の師匠によって決められるため、弟子の技量も師匠によって変わるということが一般的に言われています。
弟子入りするのなら若い歳の方が良いですが30代40代からでも時計職人という新たな世界へ舵を切る方はいます。時計職人は年齢ではなく腕前が肝心です。
私が通っていたヒコみずのでは、ジュエリーコースとウォッチコースがメインでしたが、ウォッチコースへ入学される方のなかには30代の方もいましたし、仕事をしながら夜間の部へ通う社会人も多かったです。
30代40代になると新たな環境でやっていけるか不安になると思いますが、やってみなければわかりません。どの業界でも弟子入りすれば技術を磨くために苦労を必要とするものです。
時計のメンテナンスを行う仕事は毎日が細かい仕事で腕を上げるには、自分との戦いになります。
それでも、時計が好きだから見習いや弟子入をしたいのであれば挑戦することをお薦めいたします。
思い出の詰まった品を預かり修理を行う事は、他の仕事では味わえない、やりがいと充実感を感じると思います。
これから弟子入りを考えている人は、尊敬できる師匠を探して一人前の技術者を目指してください。
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