機械式腕時計のデメリット?

カテゴリ:知識・雑学

腕時計には機械式時計とクォーツ時計の2種類がありますが、よくいわれてる機械式時計のデメリットについてまとめてみました。

機械式腕時計のデメリットとは

機械式時計はオーバーホール(分解掃除)の費用が高いことがデメリットという意見があります。

もともと機械式時計がクオーツ製腕時計より価格が高いこともあり、そのことと合わせてデメリットだらけと感じる人が居ても不思議ではありません。

確かに機械式時計を使う人はオーバーホールを欠かすことはできません。

そしてオーバーホール費用は数万円かかり、高級な腕時計ほど高価になります。

しかしこれは機械式時計のデメリットなのでしょうか?

機械式時計はリセールバリューが高い

機械式時計は購入費用が高く、メンテナンス費用も別途かかります。

一見するとデメリットだらけと感じるかもしれません。しかし中級機種以上の機械式時計は手入れを欠かさずしていれば、中古市場でリセールできます。

人気ブランドの腕時計でコンディションも良ければより高い価格で、売ることが可能です。

つまりリセールバリューが高いことが機械式時計のメリットになります。

機械式時計のオーバーホールは時計を蘇らせる

時計の分解オーバーホール。カレンダー

クオーツ時計であれば不要なオーバーホールは機械式時計を選ぶ際の大きなデメリットです。

そもそもオーバーホールはどんな物なのでしょう。一般的的に機械機構で駆動する工業製品は基本点検が必要です。

エンジンなど機械部分に故障が無いか、または将来的その箇所を放置することで起こるかも知れない故障要因を防止するために実施します。

機械式時計も同じで点検によって故障を未然に防止することが、目的のひとつです。

しかしそれ以外に機械式時計のオーバーホールは別の理由があります。

機械式時計のムーブメントは小さな構造のため、オーバーホールでは点検以外の目的として機械ひとつひとつを組み直し、機械機構をリフレッシュさせることが可能です。

分解掃除とも呼ばれて部品同士の摩耗を潤滑油を挿し直すことによって改善します。

また極端に擦り減った箇所は新品と交換することでリフレッシュすることが可能です。

時計のムーブメント

そのことで当然ムーブメント自体の精度も復活させ、工場から出荷したばかりの状態へ復元させます。

オーバーホールはムーブメントを収納する外装ケースもこれまでの使用で擦り減った傷をポリッシュで磨き直し、内部から外観全てをリニュアールさせる作業なのです。

オーバーホールでリセールバリューが上る

オーバーホールによってキレイに蘇った機械式時計の売却価格は上昇します。

そのためオーバーホールはデメリットばかりではありません。

オーバーホールによって時計の外観がキレイになり、リセールバリューが上るため、メリットといえます。

機械式時計はオーバーホールは一般的に3年から5年に一度行うことがおすすめです。

しかし最近はオメガに搭載しているコーアークシャル・ムーブメントは5年以上開けてのオーバーホールでも問題無いとしています。

自分が持っているブランドの特性を把握してオーバーホールに出してください。

オーバーホールはどこに出すべき?

オーバーホールは大きくメーカーで行うものと、修理専門店で依頼するものに分かれます。メーカーでのオーバーホールには国際保証が付きます。

メーカーでの国際保証は保証期間内の修理は作業に対して、品質保証をしてもらえます。

日本国内に留まらないで、世界中を飛び回るビジネスパーソンにはありがたいサービスです。

しかし、一般的に海外出張はどんなに長くても1ヶ月程度ですよね。

数年間も帰国できないような人であれば話は別ですが、そのようなケースは稀です。そう考えると、メーカーでのオーバーホールに付帯する国際保証はそんなに必要なサービスでは無いと私は思います。

もうひとつ修理店でのオーバーホールでは国際保証はありません。

付帯する保証は通常の保証期間内の故障やパーツに対するもので、不具合が生じた時に再度修理や調整をしてもらえます。

保証期間は業者によって異なりますが、通常1年という所が多いです。

メーカーの保証はオーバーホール後2年が多く長い保証を求めるならメーカーでの作業が安心です。

しかしある修理店で、ロレックスの自動巻きをオーバーホールした場合¥23,000程度ですみますが、メーカーでのオーバーホールだと¥44,000と¥19,000高くなります。

これらの点から考えると、国内に在住していて長期間海外に滞在する人以外は修理専門店でオーバーホールを出すことがおすすめです。

では実際にたくさんの修理専門店からどのようにして修理店を選んだら良いのでしょう。

失敗しない修理専門店の選び方

オメガのアンティークのオーバーホール台座にムーブメントを載せてる。

オーバーホールに出す修理店はどのように選ぶかはさまざまな方法があります。

実際にオーバーホールに出した人から直接評判を聞き選ぶ方法がいちばん安心です。

しかしもし周囲にそのような人が居ないなら、店のHP情報から在籍する時計師の資格やこれまでの実績で判断しましょう。

実際に修理する時計師が直接作業を最後まで担当してくれる工房であれば、さらに安心です。

また修理前に概算の見積もりや作業内容を説明してくれることも重要です。

メーカーの正規料金も事前に比較しておくことも忘れないでください。

機械式時計のオーバーホールはデメリットか否か?

オメガのシーマスターのバックル

さてメーカーでのオーバーホールで無くても、オーバーホールは3年から5年に一度必要で、費用も決して安くはありません。

しかしオーバーホールを実施することで故障を未然に防ぎます。

しかし定期的に手入れをしていると、機械式腕時計は半永久的に動き続けることが可能です。そのことで機械式腕時計の価値も上昇します。

一般的に機械式時計は年数の経過と共に価値が上昇するモデルが多いです。

そのためオーバーホールを定期的に行い、ムーブメントを常に良いコンディションを維持することで、腕時計の価値をあげることができます。

またオーバーホールを定期的に行えば重大な故障も防止できます。

重大な故障は時として膨大な修理代を要することがあるのです。多くある重大な故障はパッキンの劣化で防水機能が損なわれ、そのことでムーブメント内部に錆をもたらします。

パッキンとはゴム製でできたパーツで湿気や水から時計内部を守っています。パッキンが劣化していると内部に水分が入りパーツが錆びてしまいます。

また、最悪の場合、錆によってムーブメントの蓋の開閉に支障をきたすことがあります。

蓋のネジ部の錆により開閉ができなくなれば当然修理ができません。

仮に開けることができても多くの部品が交換となり蓋も含めて交換となることもあるのです。そうならないためにも定期的なオーバーホールによって腕時計を良い状態に保ち続ける必要があります。

まとめ

オメガシーマスターアクアテラ

機械式時計は永遠に動き続けることが魅力です。

しかしそのために定期的なメンテナンスが必要になります。

腕時計のコンディションを保つためには3年から5年を目処として、オーバーホールに出してください。

機械式時計はオーバーホールで費用も掛かりデメリットだ、という人もいます。

しかしオーバーホールによって、機械式時計の価値を上昇させることが可能です。

また長く機械式時計を愛用することで、愛着も湧き、オーナーだけが味わえる喜びが見つかるはずです。

そのためにもかかりつけのお医者さんのような、信頼できる時計修理専門業者を見つけて、機械式時計を長く付け続けて腕時計生活を楽しんでください。

Share

この記事が役にたてばシェアして下さいpublic

Tag

Comment

コメントを残す

* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。
メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。

CAPTCHA


前の記事
次の記事

カテゴリー

Tag

同じカテゴリの記事