自分の時計の誤差はどのくらいなのか?どのくらいのレベルだと許容範囲なのか。オーバーホールに出すべきなのか?などなど
機械式時計はクォーツほど精度が高くないので誤差が気にる所です。また使っていると潤滑油の劣化などから、どうしても精度が落ちてきてしまうので正しい計測の仕方を知っておくと便利かと思います。
24時間後にピッタリだったらそれで良いんじゃないの?って思う方も多いと思いますが一概にそうとは言えないですし、計測の仕方は日差、復元日差、指示日差など色々と測る方法がありますのでまとめました。
機械式時計は誤差があると神経質になってしまいますが、まず知っておきたいのは金属は一般的に温度の変化で伸び縮みをします。
夏など温度が高くなると時計の精度を決めるテン輪という部分が、ほんのわずかですが大きくなり誤差が生まれます。
そのほかにも精度に影響があるヒゲゼンマイも温度によってバネの開き縮まりに微妙な変化が起きます。
高温の時は、回転速度を調節するテン輪やヒゲゼンマイ部分の動きが若干、不精でたるむので一般的に遅れがちになります。逆に低温の寒い時は進みがちになります。
現在のヒゲゼンマイは精度が良い特殊合金の素材やロレックスやブレゲのように高温でも影響が少ないシリコン製の物を使って改善をしているので、ほとんどの時計は差し支えはないですが、ヴィンテージやアンティークの時計は影響をうけてしまう可能性があります。
普段過ごしている中での影響は、ごくわずかのですが気圧でも精度が変わります。
気圧が上がれば空気抵抗が大きくなるので細かい視点でいえば調速機具の部分に影響があり遅れの原因につながります。逆に気圧が下がれば進みがちになります。富士山の上だと日に4、5秒進むこともあるといわれています、。
ゼンマイを巻ききって24時間後に時刻を確認し、標準時間と比べどれだけ進み遅れの誤差が生まれたかが日差です。
一般的には日差は毎日変わっていて一定している分けでは無い事を覚えておきましょう。
今日は10秒しかずれていなかったが、明日は20秒なんて事もああります。
ゼンマイをいっぱいまで巻いて24時間計測した結果、日差が無くピッタリだった!嬉しいですよね。
よく合う時計のように思いますが、時計には指示日差と言う物があり純粋に喜べない理由があります。
24時間でぴったりだった時計を2時間おきに計測した場合、初めの2時間は5秒進み、次の2時間では3秒進み、8秒遅れるといった具合に、その時計には途中で進み遅れがに変動があって、計測終了時の24時間目に、たまたまピッタリあっていたなんて事もあります。
24時間後には、ぴったりあっているので進み遅れが無いように見える時計でも24時間を細かく区切って調べると進み遅れがあり変動している事になります。
こういった時計の事を指示日差がある時計と言います。
指示日差が小さい時計ほど精度の高い時計と言えます。
機械式時計は一日一日、日差は異なるので平均日差という計り方があります。
例えば、1日目は10秒、2日目は20秒、3日目は15秒針が進んだとします。
これらの数字の平均を出したものが、平均日差です。
10+20+15÷3=15 つまり平均日差は15秒の進みという事になります。
平均日差の計り方は3日でも6日でも良いとされています。
日較差とは2日間ではかります。1日目に10秒、2日目に20秒進んだとすれば、その差は2日に10秒となります。
この2日続けて測った最高値と最低との差の事を日較差といます。
復元差はある程度時間が経った時に前と比べ精度はどうか?といった事がわかります。
3日間の平均日差を測った結果20秒だったとします。その後2ヶ月なり3ヶ月なりと、あるいわ1年後と、ある程度時間をおいて再度、3日間の平均日差を計測します。
2度目に測った時の平均日差が40秒だったとしたら、最初に測った時のとのその差は20秒となりますよね。この差が復元差です。
時計の精度が期間が経った時どのくらい変化したのかを測る事ができます。オーバーホールが終わり手元に帰ってきた時や、時計購入時に平均日差を測っておいて、その後半年くらい経った時に復元差を計測してみると良いと思います。
時計の精度はそのモデルによって異なってきますが、現行モデルで±20秒程度、旧モデルで1日20秒~30秒の誤差は許容範囲だといえます。
なんか遅れがち進みがちだなっとおもったら1日だけで判断せず3、4日の平均日差を測ってみて許容を超えているようでしたらオーバーホールをしてもらう事をおすすめします。
許容範囲を超える平均日差の時計はムーブメント(時計内部)で何らかの不具合が起きている可能性があります。
パーツの劣化、潤滑油の蒸発など原因は色々原因は考えられますが、そのまま使い続けるとストレスがかかり時計内部の部品が摩耗してしまう事が考えられますのでカスタマーサービスや修理専門店でメンテンスしてもらいましょう。
オーバーホールは時計を一度バラバラに分解し、分解されたパーツの汚れを洗浄し、油をさしながら再び組み立て、調整していく作業です。
熟練した技術や知識が必要になりますが、その技量は職人によってさまざまです。
未熟な人間が分解調整を行うと、オーバーホールから帰ってきて間もないのに調整が悪く日差のプラスマイナスの開きがあるなんて事があります。
おすすめの修理専門店は交換パーツが必要な場合もメーカー純正のパーツを使い修理をおこない。
国家試験の取得者である時計修理技師1級の職人が、メーカーの料金より2、3万円安くオーバーホールを行っています。
品質保証も1年間なのでおすすめです。参考にしてみてください。
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