機械式時計の維持費はどのくらい掛かるの?ブランド別まとめ

カテゴリ:知識・雑学

機械式時計は、分解掃除(オーバーホール)が必要なため電池式のクォーツ時計に比べ維持費がかかります。つまりランニングコストが掛かります。

厳密にいうとクォーツ時計もオイルの劣化や歯車の摩耗(すり減り)は少しずつ起こるのでオーバーホールが必要ですが、機械式時計はクォーツ時計には無い精度を出すための部品(てんぷ)が1年間で数億回も往復運動を繰り返していてオーバーホールは必須です。

ロレックスやオメガなど高級機を購入したは良いが維持費がどのくらいかかるか不安、今後機械式時計を購入を考えているがどのくらいのメンテンス料金がかかるのか知りたい方などの参考になれば良いと思います。

どのくらいの維持費がかかるの

スウォッチグループ銀座

維持費は、どのブランドで、どんな性能を持った時計を、何処にメンテンス以来していくのかによって大きく代わります。

同じクロノグラフ(ストップウォッチ付き)の時計でもメーカーによって維持費は異なりますし、正規でメンテンスをするか、外部の時計修理工房でメンテンスするかによっても費用が異なります。

どんなブランド?

スウォッチグループ 銀座の店舗

オーバーホールに掛かる料金はブランドによって設定金額が異なります。

一概には言えませんが時計本体が高いブランドほどメンテンス料金も比例して高額になります。結果維持費がかかります。

例えばシンプルな自動巻きのオーバーホールの料金を比較した場合

  • パテックフィリップ 12万2000円〜
  • ブレゲ 8万8000円〜
  • オーデマピゲ 8万7000円〜
  • ヴァシュロンコンスタンタン 8万4000円〜
  • ブライトリング 8万円〜(クラブ・ブライトリングメンバーではない場合)
  • フランクミュラー 7万2000円〜
  • グラスヒュッテオリジナ 6万6000円〜
  • タグホイヤー 4万8600円〜6万3180円〜(エドワードクラブでない場合)
  • オメガ 5万6000円〜
  • シチズン 4万円〜
  • ジン 4万8000円〜
  • グランドセイコーセイコー 4万2000円〜
  • ノモスグラスヒュッテ 4万円〜

のようにブランドによって価格が3倍以上異なってきます。ちなみに1000万以上の価格で販売されているリシャールミルの場合自動巻きのオーバーホール料金が30万円になります。

こちらリシャールミルです。

リシャールミル黄色とオレンジRM 27-03

このように設定されたメンテンス料金が異なるためメーカーやブランドによって時計を保ち続ける維持費も異ってきます。

メーカーのテクニカルサポートセンターでオーバーホールをした場合、一般的には4万円〜7万円前後になるかと思います。

メーカーの推奨では機械式時計は3年から5年に一度のオーバーホールが必要とされています。

オーバーホール料金が4万円〜7万円前後の時計ブランドで5年に1度オーバーホールを行ったとして30年時計を使用した場合30万円〜42万の維持費がかかる事になります。

30年は10950日なので、4万円の場合1日に27円、7万円の場合は1日38円の維持費という事になります。

これがパテックフィリップの場合、オーバーホール料金が12万2000円からなので、30年で732,000円の維持費がかかる事になります。

このように時計ブランドによって維持費は変わってきます。

どんな性能?

ブライトリング ナビタイマー ワールド ブラックシルバー

メンテンス料金はシンプルな時計ほど料金が安く複雑なモデルほど料金が高くなります。

時計のオーバーホールでは機械式時計を一度分解し分解されたパーツを洗浄し、組み立てる作業になるのでパーツの数が多い複雑な時計ほど労力かかるため料金が高くなります。

一般的な3本の針タイプが最もシンプルで安く、カレンダー付き<クロノグラフ(ストップウォッチ付き)<複雑機構のようにオーバーホールの価格が上がっていきます。

またクォーツ時計より機械式時計の方がメンテンス料金が高いです。

例えばオメガの場合スウォッチグループジャパンでは

  • クォーツ 4万5000円〜
  • 自動巻 6万6000円〜
  • クォーツクロノグラフ 5万円〜
  • 機械式クロノグラフ 7万6000円〜

このように料金設定がされています。

同じブランドでも、クォーツ式より機械式の方が維持費がかかり、機械式の中でもシンプルな3針の自動巻より、機械式クロノグラフのほうが維持費がかかります。

何処にオーバーホールを以来していくか

日本ロレックス本社

オーバーホールを以来をする先は大きく分けて2つあります。メーカーのテクニカルサポートセンターとそれ以外です。

メーカーに比べ修理工房や時計店の方がメンテンス料金が安いため維持費が安くすみます。

中にはメーカーと同じくらいの価格設定をしている修理工房もありますが、8割から9割の修理工房はメーカーより2〜6割りほど安く設定しています。

仮に3割り安い修理工房と日本ロレックスのモデルで計算したとして

モデル 日本ロレックス 外部の修理工房
オイスターパーペチュアル 43,000円 30,099円
デイジャスト 43,000円 30,099円
デイデイト 55,000円 38,500円
エクスプローラー 43,000円 30,099円
エクスプローラーⅡ 45,000円 31,499円
GMT-マスター 45,000円 31,499円
コスモグラフデイトナ 60,000円 42,000円

5年に一度オーバーホールをしたとしてロレックスのデイデイトの場合は55,000円なので30年使用した場合は330,000円の維持費です。3割安い外部の修理工房の場合38,500円になるので231,000円の維持費となります。 

機械式時計は何処にオーバーホールを以来したかによっても維持費が変わってきます。

外部に以来しても大丈夫なのか?

時計のオーバーホール

維持費が安くすむので外部に以来したいと思う方も多いと思いますが、一番安心なのは当然ですがメーカーのテクニカルサポートセンターになります。

メーカーは自社製品なので、その時計のノウハウを持った時計修理技師を配備しています。

それに比べ外部は、どんな人間が時計のメンテンスを行っているか分からないため、トラブルに繋がる事があります。

例えば、時計のネジを潰されたなんて口コミを見た事があります。

これは、使ったあとドライバーの手入れをしていなかったり、ネジにあっていないドライバーを使ってしまった為です。

外部でオーバーホールを以来するのであれば、熟練した知識や技術がある時計修理工房に依頼する事をおすすめします。

外部の時計修理工房のなかでも優秀な所はある

意外に思う方もいますが、優秀な修理工房の場合メーカーからのメンテンスの外部委託を受けています。

例えばタグホイヤーやブライトリングといった一流メーカーでも信頼がある修理工房へ外部委託をおこなってメンテンスをしています。

機械式時計は精度や性能を保つためにオーバーホールが必要ですが、維持費を抑えたい方は技量が高い外部の時計修理工房をおすすめします。

ネットの口コミをみているとオーバーホールの料金が払えないなら機械式時計は購入するべきではないなんて書いてありますが、機械式時計はクォーツ時計とは全く違った魅力があり憧れる方が多い時計です。

確かにオーバーホールを行わなかったら時計の寿命は短くなりますが、 なるべくメンテンス料金が安いメーカーを選んだりメーカー意外の外部にオーバーホールを依頼する事で維持費を抑える事もできます。

わたしのおすすめの修理工房

タグホイヤーオーバーホール

こちらは国家試験である時計修理技師1級の方が安全に時計のオーバーホールを行っています。

またメーカーより費用が2、3万円やすく、品質保証も1年間ついてきます。

交換パーツがあったさいもメーカー純正部品を使っていますのでおすすめです。参考にしてください。

時計のオーバーホール本当におすすめの2つの修理店

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