ノンクロノメーターと聞くと何かの機能がついていないの?と想像する方が多いと思いますが機能ではなんですね。
この記事では、ノンクロノメーターとは何か、日本製の時計の多くがクロノメーター認定を受けてない理由などをまとめてみました。
そもそもクロノメーターとは機能ではなく「精度規格」の事です。つまりノンクロノメーターはスイスの認定協会の精度規格ではないという事になります。
クロノグラフ(ストップウオッチ機能)と言葉が似てるので勘違いされる人もいますがクロノグラフとクロノメーターでは意味が違うんですね。
理想的な機会式時計は、どの姿勢差(どの向きに置かれたか)でも進んだり遅れたりせず、温度差や湿度によってもゼンマイの動きに影響が出てない時計なのですが、精度はモノによって大きく変わります。
同じ使い方をしていても時計によって1日の日差(1日の進み・遅れの度合い)-20~+20秒くらいまでのものあれば、-5~+5秒という良いもあります。
精度に影響がでやすい姿勢差や温度差にスイスのクロノメーター認定協会COSC( Controle Officiel Suisse des Chronometres)が基準をつくり、その基準を超える品質・精度の時計のみがクロノメーター認定がつきます。
クロノメーターの認定がされた時計には文字盤に“CHRONOMETER”と印字される事が多いです。
つまりノン=非、無の意を表すので、ノンクロノメーターはその基準値に達していない時計という意味です。
https://www.chrono24.no/
クロノメーター精度規格が始まったのが1951年なので、それ以前に作られた時計は全てノンクロノメーターになります。
現在もロレックスやオメガのヴィンテージウォッチは人気がありますが、ノンクロノメーターの時計が多いです。
引用:jackroad.co.jp
写真左のサブマリーナノンデイト14060Mは文字盤に、モデル名と防水性能のみの印字ですが、右の14060Mには(MSUPERLATIVE CHRONOMETER OFFICIALLY CERTIFIED)と印字もされています。
MSUPERLATIVE CHRONOMETER=最上級のクロノメーター OFFICIALLY CERTIFIE=公式認定と言う意味になります。
14060Mは2000年~2012年に渡り製造されていたサブマリーナですが、2007年にクロノメーター化しました。これを機にロレックスのノンクロノメーターは姿を消しました。
14060Mは12年に渡り製造されたましたが、クロノメーター化された2007から2012年までの生産分の方が人気が高いです。
姿勢差や温度差による誤差でいえば、日本製の時計もこの規格に合格できる精度をもった時計は多いです。
1969年に日本時計検査協会にて検定を開始し、キングセイコーやシチズンのクロノマスターはスイスクロノメーター検定協会の審査に合格してます。
精度規格に合格したのでChronometer OFFICIALLY CERTIFIEDの表記をして販売する事になるのですが、その後クォーツ時計(電池式)の需要が増えて日本時計検定協会は解散します。
つまり現在はクロノメーター検定は日本では行えなく、スイスに送ってC.O.S.Cの検定を受ける必要があります。
しかし、日本産の時計をスイスに送り検定し、hronometer OFFICIALLY CERTIFIEDを表記すると言う事はスイスクロノメーター検定協会のハンコが押されるような事です。
そもそも精度が高い時計であれば、スイスクロノメーター検定を行う必要もない気がします。
日本の優秀な機械式時計にスイスクロノメーター検定協会の印字されていたら、なんとなく違和感を感じるのは自分だけでしょうか。
スイスはクロノメーター認定を行うことでスイス時計ブランドとしての地位を高めることが目的としているのが見えてきます。
つまり、クロノメーターの認定を受けてない時計であってもクロノメーターの規約に達している時計は十分にあるという事です。
少し話が脱線してしまいますたが、単純にクロノメーターが精度規格だけであれば、セイコーやシチズンで社内検定を行いクロノメーターの印字する事も可能だと思いますが、スイスの公認検定局によらない検定でクロノメーターの表記をすることは違反というCOSCはどうなんでしょうかね。みなさんはどう思いますか。
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