機械式時計はゼンマイを巻き上げ、それが解ける力を利用して組み込まれた歯車や針を動かしています。ゼンマイが解けてしまうと時計は止まってしまうので、時計にとってゼンマイはスタミナの源という事になります。
そんな、時計にとって大事なゼンマイですが、どのくらいの長さがあるのか知らない人が多いです。
機械式時計のパーツは100以上、クロノグラフになると200以上になりますが、中でもゼンマイは大きなパーツです。
時計によってゼンマイの厚みや長さに差がありますが、平均的にゼンマイの長さは30〜40cmほどになります。
時計の大きさは直径40〜44mmくらいなのに30〜40cmの長いゼンマイはどう設置されているか気になりますよね。
長いゼンマイは蚊取り線香のように渦を巻き箱型である香箱の中に収納されます。
香箱の大きさは時計の種類によって代わりますが、1cm前後に設計されていることが多いです。
40cmほどの長い金属製のゼンマイがグッと1cmまで巻かれているので、そこにはもの凄いテンションが掛かっています。
ゼンマイは消耗品なのでいつかは切れる事になりますが、切れた時に香箱に入っていれば、他の部品を破損させることを防ぐ事ができます。
香箱の外周には歯が切ってあり箱の部分が回転する仕組みになっています。ゼンマイの動力が一番最初に伝わる歯車なので一番車とも呼ばれます。
ゼンマイは全て一緒と思われがちですが、長さも厚みも様々です。
ゼンマイが長ければ、多く動力源を作る事ができるので香箱の回転数は多くなりますし、ゼンマイの厚みや幅があれば反発する力であるトルク(解ける力)は強くなります。
例えばクロノグラフなど、内部のパーツ多く動かすのに力が必要な時計は幅厚いゼンマイをつかい、時計が薄く軽い3針時計は薄くて長いゼンマイが使われる事が多いです。
長いゼンマイでも、厚みがあるゼンマイでも使っていれはゼンマイはいつか切れてしまいます。
上の写真のゼンマイも中心側にゼンマイが切れているのが分かると思います。
ゼンマイが切れて巻けなくなると、故障したと思い焦りますが、ゼンマイは消耗品と割り切ると気が楽です。
手巻きの場合はゼンマイの巻きすぎで力がかかりすぎるてと切れてしまったり、巻く際の力を加減や、どのくらいの頻度でゼンマイをまいてるかなどで金属疲労の具合はかわります。
ゼンマイ切れどうしておこるのか気になる方は、こちらの記事も参考にしてみてくだいさい。
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