マイクロステラスクリューはロレックス社が開発した機構の1つです。
1965年~1970年代に生産されていたCal.1560や、1965年頃~1980年代に生産されていたCal.1570から搭載され3000系まで採用されています。
引用:http://www.horologist.com/datejust.htm
マイクロステラスクリューの開発により緩急針による精度調整(ヒゲゼンマイにスポットを当てた)からフリースプラング方式(テンワにスポットを当てたもの)での精度調整ができるようになりました。
緩急針による調整はヒゲゼンマイの長さを変え、歩度調整していましたがマイクロステラスクリューの開発で、ムーブメントをケースから取り出さずにテンワに付けられているネジの締め具合を調節する事で歩度調整ができるようになりました。
ちなみにCal.3100系からマイクロステラスクリューではなく、マイクロステラナットへ精度調整方法が変わっています。
マイクロステラスクリューはテンワの外側にネジがついている機構になりますが、 マイクロステラナットはナットが内側についているものになり、より精度の安定と調整のしやすさが増しています。
ロレックスの現行ムーブメントは、お伝え下通り緩急針ではなくマイクロステラスクリューの締め具合によって精度調整を行いますが、ナットを閉めるには専用工具が必要になります。
ナットを内側に締めていけば時計はススミ、より外側へ緩めていけばオクレの歩度に調整できます。
したの写真がナットの調節を行なっている写真になります。
引用:https://twitter.com/ProWatchRepair
簡単な原理としては、アイススケートの選手が、氷上で回転をするとき、胸の前で腕を置くときは速く回転し、手を広げると遅く回転することと同じです。
マイクロステラという時計工具をつかいネジの調節を行いますが一度で精度を出すのは至難で、技術者の知識や経験が必要になります。
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