クォーツ腕時計(電池式)の中身がどんな仕組みなっているのか気になる人が意外と多いんですよね。
クォーツ時計の仕組みは腕時計や掛け時計だけではなく、スマホやパソコンなどあらゆる所でつかわれて私たちが日常で時間を知るためにの最も身近な仕組みです。
この記事では写真を使ってクォーツ腕時計がどうやって1秒を作っているのか、どんな仕組みなのか説明していきます。
ちなみに、クオーツと言う人もいればクォーツと言う人もいますが、どちらでも良いようです。
まずは、そのまえにクォーツ時計の歴史にふれてみます。
1800年初頭に登場しはじめた機械式腕時計は200年以上の歴史がありますが、クォーツ時計はまだ歴史が短いです。
上の写真が1969年12月25日に発売された世界初のクォーツ腕時計セイコークオーツアストロン35SQです。発売されてからまだ50年しか経っていません。上野の時計ミュージアムに展示されていました。
この時計は重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)」に登録された歴史的1本です。
おじいちゃんが使っていたアストロン35SQが引き出しのなかに!なんて事ももしかしたらあるかもしれませんね。
ちなみに当時のオリジナルではないですが、2000年にセイコーヒストリカルコレクションで復元されたクォーツアストロンは現在も手に入れる事ができます。限定数:500本だったそうですが楽天で1本だけ(中古)販売されていますね。
セイコー (SEIKO) アストロン ヒストリカルコレクション 限定 K18 【中古】
上の写真はクォーツ時計の中(ムーブメント)です。
現在作られている腕時計の96%がクォーツ時計です。機械式時計は全体の4%になります。
上の写真は機械式時計の中(ムーブメント)です。
機械式とクォーツを見比べると内部のに使われてるパーツや作りが異なりますよね。
現在は時計店に並べられてるもののほとんどがクォーツ時計ですよね。最近は100均なんかでも販売されています。
クォーツ時計は最も身近な時計ですが、発明されて50年ほどしか経っていないません。
クォーツ時計が一般的になる前までというと、腕時計は貴重品として扱われていました。
というのも、現在のクォーツ時計のように大量生産ができなかったために、非常に高額だったんですね。今でも婚約記念品として時計を贈る風習が残っていますが、時計はそれだけ特別なものでした。
クォーツ時計の登場によって、時計は種類、素材、価格、デザイン、機能などが大きく広がり、私たちにとって時計は以前より身近なものになっていきました。
ひと昔前までは時計は機械式時計が一般的で大人のものでしたが、クォーツが一般的になり今では誰でも購入できる身近なものです。
クォーツ時計便利さ、機会時計ならではの魅力、それぞれの時計のなかから好きなタイプやデザインを選べます。狂いにくいクォーツのほうが使いやすい。やっぱり機械式時計に魅力を感じる。などどちらも、それぞれ人気はあります。
腕時計に興味がない人からみたら、機会式腕時計とクォーツ腕時計も同じに感じてしまいますが、大きな違いは時計の中身(ムーブメント)にあります。
ムーブメントとは時間を計る装置です。
クォーツ時計は電子回路が針を動かします。G-SHOCKのようなデジタル表示のものも電子回路で数字を表示させています。
これらクォーツ時計を動かす為には電池が必要です。たとへソーラー腕時計だとしても電気エネルギーをに蓄える二次電池が必要になります。
クォーツ時計の精度は高く一般的な機種で誤差が1ヶ月15〜30秒程度になります。
一方、機械式時計は、ゼンマイの力が動力源になって針を動かしています。ネジゼンマイを巻いて使う手巻きと、腕を振る動きで自動的にぜんまいを巻き上げる自動巻きの2つのタイプの機械式時計があります。
機械式時計の誤差は一般的な機種で1日に15秒から25秒ほどです。
クォーツ式時計の精度は機械式時計にくらべ遥かに高いです。
クォーツを日本語になすると石英になります。
石英のなかでも特に無色透明なものことを水晶と呼びます。
クォーツ時計は水晶で作った水晶振動子を使い、1秒を1秒に制御しています。
ちょっと分かりづらいですが、少しずつ説明します。
掛け時計でも腕時計でも時計に正確な時を刻ませるためには、一定の周期で振動するものを用意する必要があります。機械式時計であれば(てんぷ)機械式の掛け時計であれば(ふりこ)になり、クォーツ時計であれば(水晶)になります。
クォーツ時計は、この水晶を振動させる事で1秒を作っています。
一定の形状にカットされた水晶は、電圧を流すと安定した振動が発生します。
その振動数は1秒ごとに32768振動します。1秒32768振動って凄いですよね。
その32768振動をIC回路が正確に検知し32768振動で1秒という電気信号に変換しています。
その電気信号によってモーターが歯車を1秒分動かし時計の針を1秒ずつ進めるという構造にクォーツのアナログ時計はなっています。
ちなみに水晶であれば必ず32768振動するというわけではなく、カットや厚みによって振動数は変わってくるので、電圧をあてた時に32768振動起こすように計算され水晶はカットされます。
引用:スイス時計業界(FH)
アナログのクォーツは、電池、電子回路(発振回路、分周回路、駆動回路)水晶振動子、モーター、歯車などで構成されています。
電池から電圧をおくることで発振回路に電気振動が生まれます。水晶振動子が電気振動のなかから32768ヘルツの振動を捉えて振動します。
その事は同時に圧電効果により32768ヘルツの電気振動を発生させ、発振回路に取り込ませます。
この事により発振回路は32768ヘルツの安定した振動を繰り返します。
この32768振動は分周回路により1振動に下げられ、駆動回路からモーターに1秒1回という極めて短い時間だけ流れるパルス電流として送られます。
モーター回転子はパルス電流が流れた時だけ一定の角度を回転するように作られています。
そして回転するごとに噛み合わされている歯車の歯を1つ送ります。その歯車の歯の数を60にして秒針を取り付ければ、秒針が1秒毎にチック、チック、チック、とひと目盛りづつ進み、60秒で1週する事になります。
ちなみに、デジタルクォーツの場合は針を動かす事がないのでモーターも歯車もありません。
駆動回路から電気振動が液晶版の数字を点灯させて時刻を表示させています。
クォーツ時計の針の動き方がチック、チック1秒ごとにジャンプして動くのは、32768振動を分周回路により1振動にしているからです。機械式時計の場合は1秒ごとではなく1秒のなかで小刻みに5~10振動で針が動いています。
下の動画ではクォーツと機械式の針の動きの違いが確認できます。
左がクォーツで右が機械式です。
この針の動きにあたたかみ感じ機会式腕時計のファンの方が結構多いです。
説明してきたとおりクォーツ時計は水晶が32768振動し1秒を作ります。機械式時計の場合、振り子の仕組みを小さくした、てんぷという部分が5~10振動を作り1秒を作ります。
1秒を作る振動数(細かさ)が水晶のほうがはるかに高いため、精度は比べものになりません。
機械式時計とクォーツ時計の誤差の違いは振動数にあるからです。
一般的なクォーツ式時計は「月」に±15秒ほどの誤差になりますが、
セイコーが開発した9Fキャリバーは「年」に±10秒ほどの誤差しかありません。月にではなく年に±10秒なので極めて精度が良いですね。
一般的に、腕時計用電池の寿命は2年から5年と言われます。
電池の消費は、時計の種類や大きさ、アナログなのかデジタルなのでも変わります。また機能が必要とするエネルギー量にも変わってきます。
例えばストップウォッチ付きのクロノグラフは、一般的な3針時計と比べて、エネルギー消費量が多くなります。そのため電池が切れるのも早いです。
時計が1秒を作るには振動数が必要でその振動が機械式時計だと(てんぷ)クォーツだと(水晶の振動)と説明してきました。
IC回路に水晶の振動を検知させてた技術は世界に誇る日本のセイコーです。
1969年に初めてクォーツ時計が世に出た時は衝撃的だったといわれてます。
その後クォーツが一般的になり多くのスイスの機械式時計メーカーが廃業されていきました、その事をクォーツショックと言います。
クォーツ時計が生まれなかったら、今もなお機械式時計がつかわれていたかもしれませんね。
クォーツショックについては、こちらの記事にまとめてありますので合わせて読んでみてください。
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