時計の遅れ進みが気になり、色々と調べていると季節によって±の誤差が異なるといった事を目にしますよね。
時計は暑いと遅れがち、寒いと進みがちになります。
暑い時はぐったりと、寒い時はセカセカと少し人間とにている気もしますよね。
高温時と低温時ではどうして精度が変わってくるか纏めてみました。
時計のムーブメント(内部機械)は様々な金属パーツで構成されています。金属は性質常、温度変化により硬くなったり柔らくなります。また膨張や収縮もします。
銅なのか銀なのか亜鉛なのかなど、金属によって変化に大きな違いがありますが一般的な鉄なら気温が10度違うと1mにつき0.1mm以上違いがでます。
金属が大く変化をしている訳ではありませんが、精度を決める重要な役割を持つパーツの硬さが変化したり膨張・収縮する事で若干遅れ進みに影響がでてきます。
上の写真は機械式時計内部に設置されているテンプという部分です。
機械式時計の精度に最も影響がある箇所が、このテンプという部分になります。このテンプには髪の毛よりも細く厚みは僅か0.05mm程の繊細なヒゲゼンマイが取り付けられています。
このヒゲゼンマイが暑さにより柔らかく膨張したり、寒さにより硬く収縮することで動きに変化がおきて振動数が変わってしまい遅れ進みが生じてしまいます。
振動数とは、テンプの往復運動の回数になります。
振動数の表になります。
1秒 | 1時間 | スペック |
---|---|---|
5振動 | 18,000振動 | ロービート |
6振動 | 21,600振動 | ロービート |
8振動 | 28,800振動 | ハイビート |
10振動 | 36,000振動 | ハイビート |
6振動まではロービートで8振動からハイビートの機械式時計と位置付けされています。
例えば8振動する時計では、1振動の振動が100万分の1秒前後するだけでも1日で1秒弱精度に影響がでます。
ちょっと、ややこしいですが目では確認できない小さな変化でも1日積み重なると若干誤差が生じるという事です。
時計の遅れ進みは気温差だけでは無いですが、寒くなると金属が縮み進みがち、暑くなると金属が伸び遅れがちになります。
時計の個体差によって遅れ進みが異なりますが気温による日差は最大でも5秒以内程度といわれています。
明らかに、それ異常のある遅れは潤滑油の劣化や、内部パーツの劣化がかんがえられます。
この場合はオーバーホールが必要です。
オーバーホールに関してはこちらの記事時計のオーバーホール本当におすすめの2つの修理店を参考にしてください。
機械式時計の遅れ進みは気にし始めるとキリがありませんが日差を0秒に調整された時計でも説明してきた通り気温差によっても若干変わります。
日差が少ない方が良いにきまっていますが、機械式時計の精度は1日の進みがプラス15秒、遅れの場合はマイナス10くらいまでは許容範囲内とされています。
その他にも、姿勢差といって時計の向きが上を向いてる時と横を向いてる時でも遅れと進みが変わってきますし、ゼンマイがいっぱいまで巻かれた状態か半分の状態だったのかでも制度に影響があります。
変わった所だと飛行機の中や山の上の気圧でも制度に影響があると言われいます。
こちらの記事機械式時計の日差の許容範囲は?プラスマイナスの正しい誤差の計りかた。に遅れる理由や日差の測り方を纏めてありまうので参考にして下さい。
気温差で大きな影響を受けるのは金属でできたヒゲゼンマイです。
優秀なメーカーの機械式時計では、高温でも影響が少ない特殊合金やシリコン製の物を使って改善をしています。
ロレックスでは、温度差に強いNb(ニオブ)とHf(ハフニウム)との合金素材合金素材を使っています。ブルーの線が美しいことも特徴です。
2006年にパテックフィリップではスピロマックスと名付けられたシリコン製のヒゲゼンマイを採用しています。このヒゲゼンマイは金属ではないために温度変化の遅れ進みに強いほか、磁気の影響を一切受けません。
電池式のクォーツ時計はゼンマイで動く機械式時計とは違いテンプがありませんが温度差によって精度が落ちます。
クォーツ時計はの場合は、暑くなっても寒くなるも進む様に作られています。
普段使っている分には温度差による遅れ進みは、そこまで感じないと思いますが、日向に時計を置いていて直射日光で温められたり、外で時計を使う事が多い人は気づくかもしれませんね。
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