ロレックスのコレクションの中でもGMTマスター2は根強い人気を保っています。
このGMTマスター2を日本ロレックスでオーバーホールした場合、どのくらいかかるのか、また腕時計修理専門店でのオーバーホールとは価格面ではどれだけ差があるのかは高級腕時計だけに興味のあるところではないでしょうか。
これからオーバーホールを検討している方は是非参考にして下さい。
また、こちらの関連記事ロレックスのオーバーホールの口コミの良い!おすすめな修理時計工房ではオーバーホールを行わないと、時計はどうなるのか何故定期的なメンテナンスが重要なのか、おすすめの修理専門店も含め紹介していますので合わせて参考にしてみてください。
ロレックスのオーバーホールに関しては、GMTマスター2の場合だと日本ロレックスの正規カスタマーサポートでの料金が53,460円~が基本料金となっています。
一見高額な料金に感じますが例えばオメガは一般的な3針の正規サポート料金で58,000円前後、フランクミュラーも3針で正規サポート料金72,000円前後ということを考えると決してロレックスが高額なオーバーホール料金ではなくむしろ良心的ということがいえます。
しかしこの53,460円~というオーバーホール料金は分解掃除のみの料金になっていて、部品交換や修理作業の料金は含まれていませんので、別途追加料金が生じることになります。
5年間ほど使い込んだGMTマスター2になると構造上、部品交換無しで済む例はあまり無く、パーツ交換の料金はかなりかかってくるといってよいです。正規カスタマーサービスでオーバーホールを依頼した時の料金としては、最終的に60,000~100,000円前後を覚悟しておいたほうが良いでしょう。
主にGMTマスター2の場合、こういった部品がオーバーホールの際に交換されることの多い部品とその料金になっています。
交換部品名称と価格 |
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リューズ交換9,720円 |
チューブ交換 3,780円 |
クラスプ用バネ交換 540円 |
バネ棒交換 1,080円 |
内部部品交換 5,400円 |
またケースの素材が18Kゴールド等の場合には基本料金が上がりますので、正規サポートでは18Kゴールドを採用したRef.116758SANR等のモデルは基本料金が高額になります。
GMTマスターが世に出たのが1955年になり、その後4世代に渡りモデルチェンジがなされGMTマスター2を経て現在のモデルに至ります。
GMTマスターは1982年に最初のモデルRef.16760が発表され、黒/赤のベゼルカラーが特徴的なモデルとしてヴィンテージロレックスの中でも人気の高いモデルになっています。
この頃のGMTマスターは蛍光塗料にトチリウムが採用されているのも特徴の一つで、現行モデルでは塗料がルミノバに変更されています。
トチリウムは蛍光発色は良好なのですが、年数劣化ではがれやすいという難点があり、針にトチリウムを使用しているGMTマスターの場合、トチリウムが機械に付着する可能性があるので、3~5年に一度のオーバーホールが必要といわれています。
そこで正規カスタマーサポートにオーバーホールを依頼する場合に注意しなくてはいけない点は、一例として現行のGMTマスターは針の蛍光素材にルミノバを使用しているので、劣化による針交換が必要になった場合、トチリウムから針素材がルミノバに変更されてしまい、この交換は見た目で判別が付くのでオリジナルにこだわる人やヴィンテージ感を大切にする人には良くない作業になってしまう恐れがあります。
このようにヴィンテージGMTマスターになるとオーバーホールの際にパーツ交換を行ったことでヴィンテージの価値を下げてしまう場合がありますので正規カスタマーサポートに依頼する場合には注意が必要です。
上の写真は1960年代に発売されたGMTマスター1675になりますが、2021年2月現在2,300,000円で販売されておりプレミアがついています。
針や風防の交換をされてしまうと、値打ちは下がってしまいます。残念ながら日本ロレックスでは当時のオリジナルパーツを残して欲しいなどの融通は利きません。また、交換されたパーツは戻ってこない所もデメリッドになります。
ロレックスの各モデルコレクションにはモデルの生産時期やマイナーチェンジの際に仕様変更がされることが多く、Ref.ナンバーの違いで使用されているムーブメントやベルト・部品に違いが見られます。
1982年から1997年前後のRef.と現行のGMTマスター2には明らかに使用部品の違いが見られ、日本ロレックスに正規オーバーホールに出した場合、日本ロレックスにストックされている日本は純正部品でも最新のものになっているケースが多いですので、短針と長針に使用されている蛍光塗料が一番分かりやすいですが、1980年代~1997年ごろまでのモデルが素材としてトチリウムを使用しているのに対し、現行モデルはルミノバに素材が変わっていますので、トチリウムを使用しているモデルに針交換でルミノバが使用されるケースがあります。
するとオリジナルの価値を持たなくなってしまうので、特にヴィンテージモデルの場合は希少価値が下がります。
ロレックスマニアはオリジナルを重視している人が多くいるので、正規サービスは2年保証など安心は買えますが、オリジナルを重視する人は融通の利く腕時計修理専門店に預けたほうが良い場合もありますので注意しましょう。
腕時計修理専門店にロレックスの腕時計をオーバーホールするために持ち込んだ場合、デイトナなどのクロノグラフは機能の特殊性や部品の関係で断られることもありますが、GMTマスターの場合は3針のダイバーズになりますので、ほとんどの腕時計修理専門店が受付してくれるでしょう。
オーバーホール料金に関しては ヴィンテージでも原稿品でも35,000円前後~とかなりの格安になっております。
腕時計修理専門店では針や文字盤などは当時のオリジナルを残してくれますが、劣化したチューブやパッキンなどは時計の精度への悪影響を防ぐためパーツは交換されることになります。
しかし腕時計修理専門店の場合には交換パーツに純正部品ではなくジェネリックパーツを使用する修理店も多いです。純正品のストックを持っているお店は純正品を使用しますがストックが無いところはジェネリックパーツで代用されます。
ジェネリックパーツを使用しても問題はありませんが、後に正規サポートへオーバーホールを依頼したときには全て純正品に再交換されます。
ですのでオリジナルのまま部品を残しておきたいといった場合には腕時計修理専門店は多少の融通が聞きます。
日本ロレックス以外の腕時計修理専門店にサブマリーナGMTマスター2のオーバーホールを依頼する場合には技術力の高い信用のおける修理店に依頼するように良く見極めをしましょう。
腕時計修理技能士に必ず国家資格が必要なわけではありませんが、修理店を選ぶ一つの目安としておくとよいでしょう。一番優秀な技能士とされる資格は1級腕時計修理技能士になりますので有資格者であることを確認してお店を選ぶと良いです。
そもそも正規サポートの日本ロレックスへオーバーホールを依頼するということは安心・信頼性に料金を支払うことになります。正規サポート以外へ依頼することが不安ならば日本ロレックスに依頼したほうが安心できます。
しかし予算の問題やヴィンテージなのでパーツ交換をなるだけ避けたいといった場合には、腕時計修理専門店でも純正部品をストックしているところもありますので、こちらの記事が参考になりますので是非覗いてみるとよいでしょう。
特に記事一番下で紹介しているクラフトワーカーズは複数の時計修理専門会社から優秀な技術者を紹介しており技術者の修理担当暦や取得資格、所属会社まで公開していて本人に直接依頼ができます。
依頼する側は複数の技能士に見積りを頼むことができ、見積もり金額や納期に納得した技能士にオーバーホールを依頼することが可能です。
メンテナンス終了したときから1年間の動作保証もつきますし、ロレックスの純正部品を使用してもらえるのでおすすめです。
是非この機会に本当に優秀な技能士との出会いを見つけて質の良いオーバーホールを体験してみてください。
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